21 / 206
021 計算大会
しおりを挟む
「それでは、初めて参加される方も、初めて観戦される方もいらっしゃると思いますので、改めて大会の要項を説明いたします」
進行役の女性が参加者と観客に向けて大きな声を響かせる。
どうやら拡声器のような魔道具を使っているようだ。
参加者はわたしの他に四十名程度。
思ったよりも少ないし、若い人が多めだ。
賞金が五万トールという事で、商売人にとってはお小遣い程度の金額なのだろうか。
若い人が多めなのは、ここで計算能力をアピールして、バイトや就職に活かすといった目的があるのかもしれないと思った。
観客には、普通の見物客や参加者の応援以外に、裕福そうな商人っぽい人もいるので、もしかしたら青田買いに来ているのかもしれない。
若者がアピールするには良い機会だ。
・・・わたしは無一文なので、賞金が欲しいだけなんだけどね。
そんな理由がなければ、参加なんぞしなかった。
ちなみに、わたしが大会参加中はミライが一人になってしまうため、万が一誘拐でもされては困る。
そのため、主催者にお願いして、ステージの横に椅子を用意してもらい、そこに座ってもらっている。
目が届く位置なのでわたしも安心だ。
競技が始まる前に一度ミライのところに行って、軽くおしゃべりする。
他に知っている人もいないしね。
「ユリお姉ちゃん、がんばってね!」
「うん。頑張るよ!そういえば、ミライちゃんは、算数・・・計算とかは、得意なのかな?」
「計算?全然出来ないよ」
あれ?そうなの?
「えーとほら、さっき、パンが千トールで二十個ぐらい買えるって教えてくれたじゃない?あれはパンが一個あたり五十トールとして計算したのかなと思って」
「いつも千トールで二十個ぐらい入ってるんだよ」
「ああ、なるほど。袋買いの金額なのね」
「でもパンは一個、五十トールであってるの。ちょっと美味しそうなやつは百トールするけど、父様は買ってくれないの」
単価は分かるけど、計算したわけじゃないぞと。
子供だし、まだ算数を習っていないのかもね。
とすると、後は大人達の実力がどんなもんかだね・・・
「ありがとう、ミライちゃん。頑張ってくるね!」
わたしはステージに戻り、競技の開始を待つことにした。
◇
「簡単な問題から出題していきます。足し算と引き算のみですが、問題はだんだん難しくなっていきます。間違えた人は壇上から降りていただき、最後まで残った人が優勝です」
紙と筆記具を渡され、一問一答式で答えを書いて、皆に見せる。
間違えた人から脱落するサドンデスルールだ。
実にわかりやすい。
「読まれた問題を紙の隅に書いて計算しても構いませんが、解答時間内に解答を書けなければ失格です。また、計算機の使用は禁止です。よろしいですね」
計算機を使ってはいけないという条件。
参加希望を伝えた時にもらった大会要項に、計算機の使用禁止は明記されていた。
わたしはそこに勝機を見出していた。
一つ問題があるとすれば、わたしはまだこの世界の数字に慣れていないということだ。
読めるけれども、描き慣れていない。
そのため、紙の隅っこに0から9までの数字を書いておき、解答を書く際の参考にする。
「それでは始めます」
さあ来い!
「3足す、9!」
わたしは紙に12と書いて待機する。
流石に最初の問題は超小手調べなのだろう。
全員クリアするだろうと思ったら、二人が脱落した。なんで!?
「いきなり繰り上がりの問題かよ」
「計算機を使って良けりゃなあ」
脱落組からそんな会話が聞こえる。
いくらなんでも計算機に依存しすぎだろう。
「では次の問題、15引く、7!」
「もう二桁かよ!」
「もう引き算かよ!」
そんな恨み言を並べながら数名が脱落していく。
・・・マジっすか?
正直なところ、わたしは地球、というか、日本の算数の教育は異世界でも通じるのでは?と思っていた。
逆に通用しなければ是非それを学びたい、とも。
それを見てみたいと思ったのも、大会に参加した理由のひとつだ。
・・・もっとも、それ以外にもわたしには強力な勝算があったのだが、思っていたよりも楽勝かもしれない。
でも、一応気を抜かずに頑張ることにする。
「三桁はたまにしかできないんだよなー」
「答えが四桁になるとか、卑怯だろ!」
「うちの計算機ならこの答えで合ってるはず。みんなの方が間違っているんだ」
敗退者の言い訳と恨み言を聞きながら、出題は進み、残るは三人となった。
進行役の人が、残っているわたし達に声をかける。
「あなた、前回準優勝の方ですね。今回は調子良いですか?」
「はい。今回こそ頑張ります!三桁の引き算の練習、しっかりやってきました!」
観客側からおおー!っという歓声が上がる。
どうやら前回大会は三桁の加減算あたりで勝負が決まったようだ。
「お嬢さんは初参加でしょうか?健闘していらっしゃいますね。舞台の上で皆さんに注目されながらの計算は緊張しますよね!意気込みを聞かせてください!」
「えーと、はい。頑張ります」
わたしは控えめに答えた。
調子に乗っても良い事はない。
負けたら恥ずかしいし。
注目されながらの計算に緊張する?
普通の人ならそうかもしれない。
でもこれくらいの相手や観客ぐらいでわたしは動じたりはしない。
・・・もっと緊張する場で、悔しい思いをしてきたんだから。
だからこそ、増長も油断もしない。
「では問題に行きます!・・・4125足す5875引く1111足す3456!」
いきなりの四桁、しかも加減算に会場がどよめく。
意外と難しい問題だった?
もしかして全員を失格にして賞金無しにする作戦だったりして。
だったらせこいな。
でもわたしは「ふふっ」と軽く笑い、解答を書く。
「・・・今、少し笑ったように見えましたが、いかがされましたか?」
「いえ、ごめんなさい。ちょっとだけ粋な答えだと思って」
進行役の女性からの問いかけにそう答える。
決して舐めプで笑ったのではない。
手元の解答を確認した進行役が、なるほど、という感じで笑顔で頷く。
答えは12345。
わたしだけが正解し、優勝と賞金をもぎ取った。
◇
盛大な拍手で祝福される中、優勝賞金の五万トールが贈呈される。
賞金を受け取ると、拍手に加えて歓声も沸き上がる。
「優勝おめでとうございます!今の気持ちを一言お願いします!」
「えーと、頑張りました。ありがとうございます」
「優勝したお嬢さんは、賞金と、年末に開かれる計算王決定戦への参加資格も獲得しました。計算王の栄冠を勝ち取る事も期待しております!」
「はあ、頑張ります」
初耳だし、多分参加しないと思うけど、わざわざ言う必要はない。
言葉は淡白に、しかしスマイルは忘れず、わたしは勝者のインタビューに対応した。
ヒーローインタビューをされるほどのことでは無いと思っているわたしと会場の温度差なんて知らない。
わたしはお金が欲しかっただけだし。
ステージ横で待つミライは、椅子から立ち上がり、キラキラ笑顔に尊敬の眼差しでわたしを見ている。
その笑顔だけで十分だよ!
無一文から一転、賞金をいただいて小金持ちになったわたしは、市場でお財布とバックパック(背負袋)、旅に必要そうな小物と下着類を購入した。
大会を見ていたお店の人が通りがけにお祝いをくれたり、バイトの勧誘をされたり、ちょっとした街の有名人になった気分で買い物を楽しんだ。
お昼は優勝のお祝いに、ちょっと豪華なご飯を食べる事にした。
もっとも、わたしはメニューがよく分からないので、ミライに選んでもらった。
牛肉のようなものをミンチにして焼いたハンバーグっぽいものと、パン。
果物のジュースとマスカットのような果物のデザート。
どれもミライが好きなものだそうだ。
昼食を終えると、ドルフの家でお世話になったお礼の品と、お墓参りのお供え物のお花を買い、ついでに水の精霊が上物だと言っていた露店の魔石も、売れてしまう前に買っておいた。
無駄遣いはしていないと思う。たぶん。
「ユリお姉ちゃん、本当にすごかったの!」
「えへへー。ありがとね!」
午後のウィンドウショッピングの間も、ミライの興奮は冷めやらない。
でもわたしはミライの絶賛に何度でも応えた。
「本当に本当にすごかったの。それにあんなに人がいっぱい見てるのに、全然緊張もしてなかったみたいなの」
「そうだねー。日本一を決める大会の時の方がもっと緊張したからね」
「にっぽ?」
・・・まあ、その時は負けちゃったんだけどね。
「ユリお姉ちゃんはもっと大きな数字でも計算できるの?」
「ん、できるよー」
「どれくらい?どれくらい?」
「えーとね、たくさん?うふふっ」
「えー、それじゃわかんないよー」
生睦まじい、まるで姉妹か親子のような会話は、ウィンドウショッピングの間中、途切れる事はなかった。
◇
(のう、ユリよ)
「なに?」
(其方、存外に有能なんじゃな)
「あなたとは一度しっかりお話しをしないと駄目なようね」
進行役の女性が参加者と観客に向けて大きな声を響かせる。
どうやら拡声器のような魔道具を使っているようだ。
参加者はわたしの他に四十名程度。
思ったよりも少ないし、若い人が多めだ。
賞金が五万トールという事で、商売人にとってはお小遣い程度の金額なのだろうか。
若い人が多めなのは、ここで計算能力をアピールして、バイトや就職に活かすといった目的があるのかもしれないと思った。
観客には、普通の見物客や参加者の応援以外に、裕福そうな商人っぽい人もいるので、もしかしたら青田買いに来ているのかもしれない。
若者がアピールするには良い機会だ。
・・・わたしは無一文なので、賞金が欲しいだけなんだけどね。
そんな理由がなければ、参加なんぞしなかった。
ちなみに、わたしが大会参加中はミライが一人になってしまうため、万が一誘拐でもされては困る。
そのため、主催者にお願いして、ステージの横に椅子を用意してもらい、そこに座ってもらっている。
目が届く位置なのでわたしも安心だ。
競技が始まる前に一度ミライのところに行って、軽くおしゃべりする。
他に知っている人もいないしね。
「ユリお姉ちゃん、がんばってね!」
「うん。頑張るよ!そういえば、ミライちゃんは、算数・・・計算とかは、得意なのかな?」
「計算?全然出来ないよ」
あれ?そうなの?
「えーとほら、さっき、パンが千トールで二十個ぐらい買えるって教えてくれたじゃない?あれはパンが一個あたり五十トールとして計算したのかなと思って」
「いつも千トールで二十個ぐらい入ってるんだよ」
「ああ、なるほど。袋買いの金額なのね」
「でもパンは一個、五十トールであってるの。ちょっと美味しそうなやつは百トールするけど、父様は買ってくれないの」
単価は分かるけど、計算したわけじゃないぞと。
子供だし、まだ算数を習っていないのかもね。
とすると、後は大人達の実力がどんなもんかだね・・・
「ありがとう、ミライちゃん。頑張ってくるね!」
わたしはステージに戻り、競技の開始を待つことにした。
◇
「簡単な問題から出題していきます。足し算と引き算のみですが、問題はだんだん難しくなっていきます。間違えた人は壇上から降りていただき、最後まで残った人が優勝です」
紙と筆記具を渡され、一問一答式で答えを書いて、皆に見せる。
間違えた人から脱落するサドンデスルールだ。
実にわかりやすい。
「読まれた問題を紙の隅に書いて計算しても構いませんが、解答時間内に解答を書けなければ失格です。また、計算機の使用は禁止です。よろしいですね」
計算機を使ってはいけないという条件。
参加希望を伝えた時にもらった大会要項に、計算機の使用禁止は明記されていた。
わたしはそこに勝機を見出していた。
一つ問題があるとすれば、わたしはまだこの世界の数字に慣れていないということだ。
読めるけれども、描き慣れていない。
そのため、紙の隅っこに0から9までの数字を書いておき、解答を書く際の参考にする。
「それでは始めます」
さあ来い!
「3足す、9!」
わたしは紙に12と書いて待機する。
流石に最初の問題は超小手調べなのだろう。
全員クリアするだろうと思ったら、二人が脱落した。なんで!?
「いきなり繰り上がりの問題かよ」
「計算機を使って良けりゃなあ」
脱落組からそんな会話が聞こえる。
いくらなんでも計算機に依存しすぎだろう。
「では次の問題、15引く、7!」
「もう二桁かよ!」
「もう引き算かよ!」
そんな恨み言を並べながら数名が脱落していく。
・・・マジっすか?
正直なところ、わたしは地球、というか、日本の算数の教育は異世界でも通じるのでは?と思っていた。
逆に通用しなければ是非それを学びたい、とも。
それを見てみたいと思ったのも、大会に参加した理由のひとつだ。
・・・もっとも、それ以外にもわたしには強力な勝算があったのだが、思っていたよりも楽勝かもしれない。
でも、一応気を抜かずに頑張ることにする。
「三桁はたまにしかできないんだよなー」
「答えが四桁になるとか、卑怯だろ!」
「うちの計算機ならこの答えで合ってるはず。みんなの方が間違っているんだ」
敗退者の言い訳と恨み言を聞きながら、出題は進み、残るは三人となった。
進行役の人が、残っているわたし達に声をかける。
「あなた、前回準優勝の方ですね。今回は調子良いですか?」
「はい。今回こそ頑張ります!三桁の引き算の練習、しっかりやってきました!」
観客側からおおー!っという歓声が上がる。
どうやら前回大会は三桁の加減算あたりで勝負が決まったようだ。
「お嬢さんは初参加でしょうか?健闘していらっしゃいますね。舞台の上で皆さんに注目されながらの計算は緊張しますよね!意気込みを聞かせてください!」
「えーと、はい。頑張ります」
わたしは控えめに答えた。
調子に乗っても良い事はない。
負けたら恥ずかしいし。
注目されながらの計算に緊張する?
普通の人ならそうかもしれない。
でもこれくらいの相手や観客ぐらいでわたしは動じたりはしない。
・・・もっと緊張する場で、悔しい思いをしてきたんだから。
だからこそ、増長も油断もしない。
「では問題に行きます!・・・4125足す5875引く1111足す3456!」
いきなりの四桁、しかも加減算に会場がどよめく。
意外と難しい問題だった?
もしかして全員を失格にして賞金無しにする作戦だったりして。
だったらせこいな。
でもわたしは「ふふっ」と軽く笑い、解答を書く。
「・・・今、少し笑ったように見えましたが、いかがされましたか?」
「いえ、ごめんなさい。ちょっとだけ粋な答えだと思って」
進行役の女性からの問いかけにそう答える。
決して舐めプで笑ったのではない。
手元の解答を確認した進行役が、なるほど、という感じで笑顔で頷く。
答えは12345。
わたしだけが正解し、優勝と賞金をもぎ取った。
◇
盛大な拍手で祝福される中、優勝賞金の五万トールが贈呈される。
賞金を受け取ると、拍手に加えて歓声も沸き上がる。
「優勝おめでとうございます!今の気持ちを一言お願いします!」
「えーと、頑張りました。ありがとうございます」
「優勝したお嬢さんは、賞金と、年末に開かれる計算王決定戦への参加資格も獲得しました。計算王の栄冠を勝ち取る事も期待しております!」
「はあ、頑張ります」
初耳だし、多分参加しないと思うけど、わざわざ言う必要はない。
言葉は淡白に、しかしスマイルは忘れず、わたしは勝者のインタビューに対応した。
ヒーローインタビューをされるほどのことでは無いと思っているわたしと会場の温度差なんて知らない。
わたしはお金が欲しかっただけだし。
ステージ横で待つミライは、椅子から立ち上がり、キラキラ笑顔に尊敬の眼差しでわたしを見ている。
その笑顔だけで十分だよ!
無一文から一転、賞金をいただいて小金持ちになったわたしは、市場でお財布とバックパック(背負袋)、旅に必要そうな小物と下着類を購入した。
大会を見ていたお店の人が通りがけにお祝いをくれたり、バイトの勧誘をされたり、ちょっとした街の有名人になった気分で買い物を楽しんだ。
お昼は優勝のお祝いに、ちょっと豪華なご飯を食べる事にした。
もっとも、わたしはメニューがよく分からないので、ミライに選んでもらった。
牛肉のようなものをミンチにして焼いたハンバーグっぽいものと、パン。
果物のジュースとマスカットのような果物のデザート。
どれもミライが好きなものだそうだ。
昼食を終えると、ドルフの家でお世話になったお礼の品と、お墓参りのお供え物のお花を買い、ついでに水の精霊が上物だと言っていた露店の魔石も、売れてしまう前に買っておいた。
無駄遣いはしていないと思う。たぶん。
「ユリお姉ちゃん、本当にすごかったの!」
「えへへー。ありがとね!」
午後のウィンドウショッピングの間も、ミライの興奮は冷めやらない。
でもわたしはミライの絶賛に何度でも応えた。
「本当に本当にすごかったの。それにあんなに人がいっぱい見てるのに、全然緊張もしてなかったみたいなの」
「そうだねー。日本一を決める大会の時の方がもっと緊張したからね」
「にっぽ?」
・・・まあ、その時は負けちゃったんだけどね。
「ユリお姉ちゃんはもっと大きな数字でも計算できるの?」
「ん、できるよー」
「どれくらい?どれくらい?」
「えーとね、たくさん?うふふっ」
「えー、それじゃわかんないよー」
生睦まじい、まるで姉妹か親子のような会話は、ウィンドウショッピングの間中、途切れる事はなかった。
◇
(のう、ユリよ)
「なに?」
(其方、存外に有能なんじゃな)
「あなたとは一度しっかりお話しをしないと駄目なようね」
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
ひねくれ師匠と偽りの恋人
紗雪ロカ@失格聖女コミカライズ
恋愛
「お前、これから異性の体液を摂取し続けなければ死ぬぞ」
異世界に落とされた少女ニチカは『魔女』と名乗る男の言葉に絶望する。
体液。つまり涙、唾液、血液、もしくは――いや、キスでお願いします。
そんなこんなで元の世界に戻るため、彼と契約を結び手がかりを求め旅に出ることにする。だが、この師匠と言うのが俺様というか傲慢というかドSと言うか…今日も振り回されっぱなしです。
ツッコミ系女子高生と、ひねくれ師匠のじれじれラブファンタジー
基本ラブコメですが背後に注意だったりシリアスだったりします。ご注意ください
イラスト:八色いんこ様
この話は小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿しています。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
★恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
日間総合ランキング2位に入りました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる