無人販売令嬢 スイーツ販売で幸せしかない

桜井正宗

文字の大きさ
上 下
4 / 4

事業計画書

しおりを挟む
 後日、オクトーバーから資金援助をしてもらった。
 それから『事業計画書』を書いて決めていく……と、彼から教えてもらった。

 創設者と仲間がいれば、そのメンバーのプロフィール。それから、会社のビジョンだとか企業理念など。
 事業内容も書いていかなければ。
 扱う商品の特徴。
 競合や市場の環境のこと。
 マーケティング戦略と販売方法とか。
 仕入先、生産方法などなど。
 売り上げ、利益、資金調達に関することを事細かく決めねばならないらしい。

 こんなに考えなきゃいけなかったんだ……知らなかったなぁ。

「唸ってどうしたんですか、キリエさん。ああ、事業計画書ですね」
「はい……こんなに計画を練らなきゃいけないのですね」
「そうですよ。旅行などと同じで、きちんと計画を練って立ち上げるんです。そうでなければ、会社の存続は不可能です。それに、他の企業に投資をお願いする時に必要ですからね」

 そうなんだ。
 がんばらなきゃ……!

 わたしは、事情計画書を三日かけて入念に作成した。

 創設者は、もちろん自分。
 ビジョンは、国に多くのスイーツの無人販売所を作り、二十四時間スイーツを販売していつでもお求めていただける環境を作ること。そして、お客様に幸せになってもらうこと。
 商品は、スイーツ。
 ケーキ、シュークリームやヨーグルト、パフェやプリン、マカロン、タルト、バームクーヘン、ワッフル、クリームサンド、イチゴサンド、チョコサンドなどサンド系。
 さまざまなアイスクリームの販売をする。

 競合はなし。
 お店を立ち上げれば、今のところわたしの独占。

 市場は、自分の住む国。
 オルレアン帝国。

 販売方法は『無人販売』で。
 三坪程度のユニットハウスを建て、そこに商品を並べて販売。決済方法は、仮想通貨の魔導マネー『セル』を取り扱い。

 売り上げは一ヶ月で100万セル。
 想定利益は30万セル。

 資金調達は……オクトーバーから借り入れ!


 という感じかな。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたので、契約不履行により、秘密を明かします

tartan321
恋愛
婚約はある種の口止めだった。 だが、その婚約が破棄されてしまった以上、効力はない。しかも、婚約者は、悪役令嬢のスーザンだったのだ。 「へへへ、全部話しちゃいますか!!!」 悪役令嬢っぷりを発揮します!!!

執着王子の唯一最愛~私を蹴落とそうとするヒロインは王子の異常性を知らない~

犬の下僕
恋愛
公爵令嬢であり第1王子の婚約者でもあるヒロインのジャンヌは学園主催の夜会で突如、婚約者の弟である第二王子に糾弾される。「兄上との婚約を破棄してもらおう」と言われたジャンヌはどうするのか…

婚約破棄で命拾いした令嬢のお話 ~本当に助かりましたわ~

華音 楓
恋愛
シャルロット・フォン・ヴァーチュレストは婚約披露宴当日、謂れのない咎により結婚破棄を通達された。 突如襲い来る隣国からの8万の侵略軍。 襲撃を受ける元婚約者の領地。 ヴァーチュレスト家もまた存亡の危機に!! そんな数奇な運命をたどる女性の物語。 いざ開幕!!

戦いに行ったはずの騎士様は、女騎士を連れて帰ってきました。

新野乃花(大舟)
恋愛
健気にカサルの帰りを待ち続けていた、彼の婚約者のルミア。しかし帰還の日にカサルの隣にいたのは、同じ騎士であるミーナだった。親し気な様子をアピールしてくるミーナに加え、カサルもまた満更でもないような様子を見せ、ついにカサルはルミアに婚約破棄を告げてしまう。これで騎士としての真実の愛を手にすることができたと豪語するカサルであったものの、彼はその後すぐにあるきっかけから今夜破棄を大きく後悔することとなり…。

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。

国樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。 声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。 愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。 古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。 よくある感じのざまぁ物語です。 ふんわり設定。ゆるーくお読みください。

【完結】おしどり夫婦と呼ばれる二人

通木遼平
恋愛
 アルディモア王国国王の孫娘、隣国の王女でもあるアルティナはアルディモアの騎士で公爵子息であるギディオンと結婚した。政略結婚の多いアルディモアで、二人は仲睦まじく、おしどり夫婦と呼ばれている。  が、二人の心の内はそうでもなく……。 ※他サイトでも掲載しています

【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「断罪……? いいえ、ただの事実確認ですよ。」 *** ただ求められるままに生きてきた私は、ある日王子との婚約解消と極刑を突きつけられる。 しかし王子から「お前は『悪』だ」と言われ、周りから冷たい視線に晒されて、私は気づいてしまったのだ。 ――あぁ、今私に求められているのは『悪役』なのだ、と。  今まで溜まっていた鬱憤も、ずっとしてきた我慢も。  それら全てを吐き出して私は今、「彼らが望む『悪役』」へと変貌する。  これは従順だった公爵令嬢が一転、異色の『悪役』として王族達を相手取り、様々な真実を紐解き果たす。  そんな復讐と解放と恋の物語。 ◇ ◆ ◇ ※カクヨムではさっぱり断罪版を、アルファポリスでは恋愛色強めで書いています。  さっぱり断罪が好み、または読み比べたいという方は、カクヨムへお越しください。  カクヨムへのリンクは画面下部に貼ってあります。 ※カクヨム版が『カクヨムWeb小説短編賞2020』中間選考作品に選ばれました。  選考結果如何では、こちらの作品を削除する可能性もありますので悪しからず。 ※表紙絵はフリー素材を拝借しました。

処理中です...