11 / 19
ファイアーボルト十二連
しおりを挟む
五階まではスライム階が続く。
ピンクスライム、ブルースライム、イエロースライムと色違いが転がっていた。ピンクは最弱で初心者向け。ブルーでもそんなに強くない。ちょっとレベルが高ければ余裕で倒せる。イエローとなると、やや強く、入手経験値も高くなる。
「六階からは僕の魔法をお見せしよう」
「はい、お願いします!」
六階からは、キノコノオバケ『ピルツ』が現れた。子供くらいの身長があって、なかなか大きい。しかも突進してくる。あれを受けたら、結構なダメージを受けそうだ。
だけど、その前に。
「これを食らえ、ファイアーボルト十二連!!」
[ファイアーボルト]
[Lv.12][覚醒]
[スキル]
[効果]
強力な火属性魔法を放つ。Lv.1につき火属性魔法攻撃【+100%】、攻撃回数が【+1】アップする。スキルレベルが高いほど詠唱時間が上昇する。
手を翳し、右手から火属性魔法を放つ。炎の塊がピルツへ激突。撃破した。楽勝だったな。
「おぉ、凄い炎です! カムイ様、さすがです! しかも無詠唱なんですねっ」
「これが僕の力さ。そう、しかも詠唱いらず。僕が身に着けているピアスはSSS級の『ブラックパール』というレアアイテムの効果さ。聖帝にだけ贈られる特注品でね」
[ブラックパール]
[アクセサリー]
[効果]
防御力:30。
魔法攻撃力 +50%。
魔法が詠唱なしで使用できる。
「あぁ! カムイ様ってピアスしていますよね。それって装備アイテムだったんですね」
不思議そうに僕のピアスを見つめるコーラル。そう、僕の身に着けているものは全てがSSS級の装備アイテム。父さんから受け継いだものもあれば、ヒスイが護身用と渡してきたものが多い。おかげで難易度の高いダンジョンもサクサク攻略できていた。
「まあね、でも、まだまだ最強ではないよ。コーラルと一緒にタワーダンジョンを攻略して、もっと色んなレアアイテムとか珍しいアイテムを入手して強くなりたいと思うよ」
「カムイ様……嬉しいです! はい、もっと上の階層も目指しましょう!」
「しかし、そろそろ時間だ。レイア達を迎えにいかないとなぁ。すまない、コーラル」
「あー、そうでしたね。では、お供します」
「じゃあ、続きはまだ後で」
テレポートを開始して『中央ギルド』へ向かった。
――中央ギルドの前に転移すると、そこにはレイアのギルドと六人組のギルドが待ち構えていた。とにかく、まずはレイアだ。
「やあ、レイア。迎えに来たよ」
「お待ちしておりました、カムイ様。さっそくですが、我がギルドを紹介しますね」
「うん、頼む」
「ギルドの名前は『ガーネットスター』で、わたくしがギルドマスターを務めさせて戴いております。仲間は、元賞金首の鍛冶屋のケイ、考古学者で教授のドウェイン先生、本名不詳・忍者マスターのモフモフちゃん、狼のメカフェンリル改Ⅱ……以上です」
ふむふむ――って、なんだその個性豊かな集団! 教授はともかく、他は何だかヤバイ人だぞ。狼もいるけど! しかもメカ!? なにそれ……。
「す、すごい人達(?)だな」
「ええ、わたくし、変わった人が好きなんです」
人でないのもいるけどなぁ。
ともかく、これは大丈夫なのか……。
不安に陥っていると、ブラックスミスのケイが握手を求めてきた。二十代後半の筋肉男だ。ガチムチだなぁ。
「よろしく、アンちゃん! 良い面構えだ。実に俺好みだ……食べちゃいたいゼ☆」
じゅるりと舌を舐めるケイ。
うわ、怖ッ!
恐怖に怯えていると、教授が向かってきた。
「どうもどうも、考古学者のドウェインです」
お、この人は普通そうだぞ。
眼鏡で白衣だし、爽やかな青年って感じ。
「よろしくお願いします!」
「キミ、宇宙生物は信じるかね!? バントラー、バントラー、スペースパープル!!」
うわああああああああああ、ヤバイ人だあああああ……!!
この人は無視しよう。
次に忍者マスターのモフモフちゃんだっけ。女の子っぽいけど、目隠しをしている為、素顔はよく分からない。
「よ、よろしく?」
「はい、よろしくお願いしますね、お兄さん」
「おぉ、君はまともそうだな」
「ええ、ただいまの会話で100ベルいただきま~す」
「――は? 会話で金とんのかよ!!」
「私と話すという事は料金が発生するんです」
なんだこの子、やべーぞ。
つーか金なんて払うかってーの!!
ああ、もう……最後だ。
狼のメカフェンリル改Ⅱ……確かにフォルムは狼だ。けれど、メカメカしい。異国にそういう機械の国『デウス・エクス・マッキーナ』があると聞くけど、凄い技術だな。たぶん、その国で作られたんだろう。
『ヨロシクナ、ボウズ』
「なんか、えらそうだなオイ!」
『ヤンノカ、コノヤロー』
「あー…もういい」
唯一まともなのはレイアだけかなぁ……と、希望を捨てずにいたのだが。
「カムイ様、実はわたくし……男の子なんです」
ぎゅっと身を寄せてくるレイア。なんか…………膝に当たっているんですけど!? ま、まさか、うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…………!!!
とんでもねぇギルドだった……。
ピンクスライム、ブルースライム、イエロースライムと色違いが転がっていた。ピンクは最弱で初心者向け。ブルーでもそんなに強くない。ちょっとレベルが高ければ余裕で倒せる。イエローとなると、やや強く、入手経験値も高くなる。
「六階からは僕の魔法をお見せしよう」
「はい、お願いします!」
六階からは、キノコノオバケ『ピルツ』が現れた。子供くらいの身長があって、なかなか大きい。しかも突進してくる。あれを受けたら、結構なダメージを受けそうだ。
だけど、その前に。
「これを食らえ、ファイアーボルト十二連!!」
[ファイアーボルト]
[Lv.12][覚醒]
[スキル]
[効果]
強力な火属性魔法を放つ。Lv.1につき火属性魔法攻撃【+100%】、攻撃回数が【+1】アップする。スキルレベルが高いほど詠唱時間が上昇する。
手を翳し、右手から火属性魔法を放つ。炎の塊がピルツへ激突。撃破した。楽勝だったな。
「おぉ、凄い炎です! カムイ様、さすがです! しかも無詠唱なんですねっ」
「これが僕の力さ。そう、しかも詠唱いらず。僕が身に着けているピアスはSSS級の『ブラックパール』というレアアイテムの効果さ。聖帝にだけ贈られる特注品でね」
[ブラックパール]
[アクセサリー]
[効果]
防御力:30。
魔法攻撃力 +50%。
魔法が詠唱なしで使用できる。
「あぁ! カムイ様ってピアスしていますよね。それって装備アイテムだったんですね」
不思議そうに僕のピアスを見つめるコーラル。そう、僕の身に着けているものは全てがSSS級の装備アイテム。父さんから受け継いだものもあれば、ヒスイが護身用と渡してきたものが多い。おかげで難易度の高いダンジョンもサクサク攻略できていた。
「まあね、でも、まだまだ最強ではないよ。コーラルと一緒にタワーダンジョンを攻略して、もっと色んなレアアイテムとか珍しいアイテムを入手して強くなりたいと思うよ」
「カムイ様……嬉しいです! はい、もっと上の階層も目指しましょう!」
「しかし、そろそろ時間だ。レイア達を迎えにいかないとなぁ。すまない、コーラル」
「あー、そうでしたね。では、お供します」
「じゃあ、続きはまだ後で」
テレポートを開始して『中央ギルド』へ向かった。
――中央ギルドの前に転移すると、そこにはレイアのギルドと六人組のギルドが待ち構えていた。とにかく、まずはレイアだ。
「やあ、レイア。迎えに来たよ」
「お待ちしておりました、カムイ様。さっそくですが、我がギルドを紹介しますね」
「うん、頼む」
「ギルドの名前は『ガーネットスター』で、わたくしがギルドマスターを務めさせて戴いております。仲間は、元賞金首の鍛冶屋のケイ、考古学者で教授のドウェイン先生、本名不詳・忍者マスターのモフモフちゃん、狼のメカフェンリル改Ⅱ……以上です」
ふむふむ――って、なんだその個性豊かな集団! 教授はともかく、他は何だかヤバイ人だぞ。狼もいるけど! しかもメカ!? なにそれ……。
「す、すごい人達(?)だな」
「ええ、わたくし、変わった人が好きなんです」
人でないのもいるけどなぁ。
ともかく、これは大丈夫なのか……。
不安に陥っていると、ブラックスミスのケイが握手を求めてきた。二十代後半の筋肉男だ。ガチムチだなぁ。
「よろしく、アンちゃん! 良い面構えだ。実に俺好みだ……食べちゃいたいゼ☆」
じゅるりと舌を舐めるケイ。
うわ、怖ッ!
恐怖に怯えていると、教授が向かってきた。
「どうもどうも、考古学者のドウェインです」
お、この人は普通そうだぞ。
眼鏡で白衣だし、爽やかな青年って感じ。
「よろしくお願いします!」
「キミ、宇宙生物は信じるかね!? バントラー、バントラー、スペースパープル!!」
うわああああああああああ、ヤバイ人だあああああ……!!
この人は無視しよう。
次に忍者マスターのモフモフちゃんだっけ。女の子っぽいけど、目隠しをしている為、素顔はよく分からない。
「よ、よろしく?」
「はい、よろしくお願いしますね、お兄さん」
「おぉ、君はまともそうだな」
「ええ、ただいまの会話で100ベルいただきま~す」
「――は? 会話で金とんのかよ!!」
「私と話すという事は料金が発生するんです」
なんだこの子、やべーぞ。
つーか金なんて払うかってーの!!
ああ、もう……最後だ。
狼のメカフェンリル改Ⅱ……確かにフォルムは狼だ。けれど、メカメカしい。異国にそういう機械の国『デウス・エクス・マッキーナ』があると聞くけど、凄い技術だな。たぶん、その国で作られたんだろう。
『ヨロシクナ、ボウズ』
「なんか、えらそうだなオイ!」
『ヤンノカ、コノヤロー』
「あー…もういい」
唯一まともなのはレイアだけかなぁ……と、希望を捨てずにいたのだが。
「カムイ様、実はわたくし……男の子なんです」
ぎゅっと身を寄せてくるレイア。なんか…………膝に当たっているんですけど!? ま、まさか、うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…………!!!
とんでもねぇギルドだった……。
0
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!
KeyBow
ファンタジー
日常のありふれた生活が一変!古本屋で何気に手に取り開けた本のタイトルは【猿でも分かるスキルスティール取得法】
変な本だと感じつい見てしまう。そこにはこう有った。
【アホが見ーる馬のけーつ♪
スキルスティールをやるから魔王を倒してこい!まお頑張れや 】
はっ!?と思うとお城の中に。城の誰かに召喚されたが、無能者として暗殺者をけしかけられたりする。
出会った猫耳ツインズがぺったんこだけど可愛すぎるんですが!エルフの美女が恋人に?何故かヒューマンの恋人ができません!
行き当たりばったりで異世界ライフを満喫していく。自重って何?という物語。
悪人からは遠慮なくスキルをいただきまーーーす!ざまぁっす!
一癖も二癖もある仲間と歩む珍道中!
パーティーから追放され婚約者を寝取られ家から勘当、の三拍子揃った元貴族は、いずれ竜をも倒す大英雄へ ~もはやマイナスからの成り上がり英雄譚~
一条おかゆ
ファンタジー
貴族の青年、イオは冒険者パーティーの中衛。
彼はレベルの低さゆえにパーティーを追放され、さらに婚約者を寝取られ、家からも追放されてしまう。
全てを失って悲しみに打ちひしがれるイオだったが、騎士学校時代の同級生、ベガに拾われる。
「──イオを勧誘しにきたんだ」
ベガと二人で新たなパーティーを組んだイオ。
ダンジョンへと向かい、そこで自身の本当の才能──『対人能力』に気が付いた。
そして心機一転。
「前よりも強いパーティーを作って、前よりも良い婚約者を貰って、前よりも格の高い家の者となる」
今までの全てを見返すことを目標に、彼は成り上がることを決意する。
これは、そんな英雄譚。
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる