44 / 47
第44話 クラスメイトに結婚がバレた!?
しおりを挟む
遥は途中でスピーカーに切り替えてくれた。
『いい、遥。もう一度言うけど、次のテストで百点を取れなかったら、女学院へ転校してもらうからね』
な、なんだって!
そんなことって……。
それで遥は震えあがっていたのか。
「百点を取ればいいんだよね、ママ」
『そうよ。そうでなければもう自由なんて与えない。しかもこの前、田村くんに失礼なことをしたそうじゃない。これ以上は看過できないからね』
「うぅ……だって、それはパパが」
『言い訳は聞きたくありません。いいから、百点を取りなさい。そうすれば認めてあげるわ。しっかり勉強するのよ』
容赦なく一方的に電話を切られた。なんてこった、遥のママは厳しい人っぽいな。
「ど、どうしよう……遙くん」
床に崩れ落ちる遥は、涙を洪水のように流す。
このままでは遥が転校する羽目になる。俺が勉強を教えて百点満点を取れるようにしてやらねば。
「こうなったらスパルタ教育だ。転校させない為にもがんばろう」
「うん。わたし、今の学校がいい。遙くんと一緒に登校して帰る毎日がいい。だから、がんばるね」
「よし、明日からがんばろう」
「そうだね、今日はせっかくの別荘だし」
その通り。パパさんのご好意を無碍にするわけにもいかない。今日くらいは、このビルで贅沢三昧の限りを尽くし、明日帰ろう。
――風呂を出ると、赤髪メイドさんが寝室に案内してくれた。
ていうか、このメイドさん……どこかで見え覚えがあるような気がする。う~ん……誰かに似ているんだよなあ。
寝室に入ると、そこは大きくて広々としたベッドがひとつあった。設備も充実しているし、スイートルーム級だな。
「なあ、遥……」
「そ、そうだったー…。この部屋ってベッドひとつしかないんだよね」
「マジかよ。まあいいか、夫婦なんだし」
「う、うん。いつも一緒に寝てるし、いいよね」
「そうだな。いつも通りでいいだろ。遥の寝顔が俺の癒しだからな」
本当のことを言うと、遥は顔を真っ赤にして煙を出した。……しまった、つい口を滑らせてしまった。
「よ、遙くん! わたしの寝顔見てるの!?」
「ま、まあな。だって可愛いし」
「か、可愛いって……もぉ、勝手に覗かないでよ、恥ずかしいじゃんっ」
事実、小動物のように可愛いんだがな。
弾むほどフカフカのベッドに寝そべり、遥と共に横になる。すると、赤髪メイドさんが「後ほどお食事をお持ちします」といって去っていった。
そうか、ここで食事をするんだな。こんな夜景の綺麗な眺めの良い場所で食事。高級ホテルに泊まらないと味わえない経験がタダで出来るとはな。
* * *
高級寿司を腹いっぱい食べた。
聞くところによれば、プロの寿司職人をわざわざ呼んだらしい。そりゃ、絶品なわけだ。大トロに中トロ、贅沢の限りを尽くした逸品だった。
満腹になったところで、まったりとした時間が流れ――就寝へ。
「おやすみ、遙くん」
「おう、おやすみ」
なんだかんだで、いつものノリで眠ってしまった。無駄に緊張して眠れなくなるよりはいいか。
――朝になった。
今日も学校がある。
急いで向かわねば。
着替えやら仕度を終えると執事に促された。俺たちはエレベーターを降りて地下駐車場へ。そのまま車に乗り込み、学校へ向かった。
「遙くん、さっそくだけど」
「酔わないか?」
「うん、大丈夫」
遥は本気らしい。車の中でも勉強をしたいと申し出てきた。そのやる気ある態度に俺は心を打たれた。そこまで本気になってくれとは……そうだな、転校が懸かっているんだ。真面目にやらないと、それこそ一巻の終わり。
俺も本気で遥に勉強を教えていかないと。
そうして登校中も勉強を教えていった。
学校に到着。
勉強しながら登校なんて今までない経験だが、俺はこの危機的状況を意外と楽しんでいた。遥は真剣そのもので、必死にテストに出そうな問題を覚えていたし、要点をノートに綴っていた。
いいぞ、この調子だ。
教室に入ってからも俺は遥に勉強を教え続けた。そんな光景が周囲からどう映ったのか分からないが――なんかいつの間にか“付き合っている”ことになっていた。
……って、まずいな。
俺と遥の結婚がバレると危ない。
「少し話があるんだ、遥」
休み時間になって俺は勉強を止めさせた。
「え……どうしたの?」
「教室内で勉強を教えていると、クラスメイトが怪しむんだ」
「あー…。確かに、さっき女子が噂してた。わたしと遙くんが付き合っている説で」
「マジかよ。まあ、事実だけど結婚がバレると困るぞ」
「さすがに結婚はバレないと思う。精々、付き合っているのかなってくらいじゃないかな」
それもそうだけど――う~ん、考えすぎか。
だけど、その時だった。
クラスメイトが一斉に騒ぎ出したんだ。
な、なんだ?
何事だ?
クラスの一人が叫び出す。
「おいおい、大変だぞ!! 天満と小桜さん付き合っているんだってさ!!」
その瞬間、クラス内は大騒ぎに――。
「えええええええええ!!」「マジ!!」「うそだろ!!」「あの二人やっぱり!?」「いくらなんでも仲良すぎだもんな!」「そうだと思った」「もう手とか繋いだのかな」「馬鹿そんなの余裕だろ。それより、もっと凄いことを……」「え~、天満くん狙ってたのにぃ」「ショック~」
ちょ、ええッ!?
な、なんでバレたんだ……!?
『いい、遥。もう一度言うけど、次のテストで百点を取れなかったら、女学院へ転校してもらうからね』
な、なんだって!
そんなことって……。
それで遥は震えあがっていたのか。
「百点を取ればいいんだよね、ママ」
『そうよ。そうでなければもう自由なんて与えない。しかもこの前、田村くんに失礼なことをしたそうじゃない。これ以上は看過できないからね』
「うぅ……だって、それはパパが」
『言い訳は聞きたくありません。いいから、百点を取りなさい。そうすれば認めてあげるわ。しっかり勉強するのよ』
容赦なく一方的に電話を切られた。なんてこった、遥のママは厳しい人っぽいな。
「ど、どうしよう……遙くん」
床に崩れ落ちる遥は、涙を洪水のように流す。
このままでは遥が転校する羽目になる。俺が勉強を教えて百点満点を取れるようにしてやらねば。
「こうなったらスパルタ教育だ。転校させない為にもがんばろう」
「うん。わたし、今の学校がいい。遙くんと一緒に登校して帰る毎日がいい。だから、がんばるね」
「よし、明日からがんばろう」
「そうだね、今日はせっかくの別荘だし」
その通り。パパさんのご好意を無碍にするわけにもいかない。今日くらいは、このビルで贅沢三昧の限りを尽くし、明日帰ろう。
――風呂を出ると、赤髪メイドさんが寝室に案内してくれた。
ていうか、このメイドさん……どこかで見え覚えがあるような気がする。う~ん……誰かに似ているんだよなあ。
寝室に入ると、そこは大きくて広々としたベッドがひとつあった。設備も充実しているし、スイートルーム級だな。
「なあ、遥……」
「そ、そうだったー…。この部屋ってベッドひとつしかないんだよね」
「マジかよ。まあいいか、夫婦なんだし」
「う、うん。いつも一緒に寝てるし、いいよね」
「そうだな。いつも通りでいいだろ。遥の寝顔が俺の癒しだからな」
本当のことを言うと、遥は顔を真っ赤にして煙を出した。……しまった、つい口を滑らせてしまった。
「よ、遙くん! わたしの寝顔見てるの!?」
「ま、まあな。だって可愛いし」
「か、可愛いって……もぉ、勝手に覗かないでよ、恥ずかしいじゃんっ」
事実、小動物のように可愛いんだがな。
弾むほどフカフカのベッドに寝そべり、遥と共に横になる。すると、赤髪メイドさんが「後ほどお食事をお持ちします」といって去っていった。
そうか、ここで食事をするんだな。こんな夜景の綺麗な眺めの良い場所で食事。高級ホテルに泊まらないと味わえない経験がタダで出来るとはな。
* * *
高級寿司を腹いっぱい食べた。
聞くところによれば、プロの寿司職人をわざわざ呼んだらしい。そりゃ、絶品なわけだ。大トロに中トロ、贅沢の限りを尽くした逸品だった。
満腹になったところで、まったりとした時間が流れ――就寝へ。
「おやすみ、遙くん」
「おう、おやすみ」
なんだかんだで、いつものノリで眠ってしまった。無駄に緊張して眠れなくなるよりはいいか。
――朝になった。
今日も学校がある。
急いで向かわねば。
着替えやら仕度を終えると執事に促された。俺たちはエレベーターを降りて地下駐車場へ。そのまま車に乗り込み、学校へ向かった。
「遙くん、さっそくだけど」
「酔わないか?」
「うん、大丈夫」
遥は本気らしい。車の中でも勉強をしたいと申し出てきた。そのやる気ある態度に俺は心を打たれた。そこまで本気になってくれとは……そうだな、転校が懸かっているんだ。真面目にやらないと、それこそ一巻の終わり。
俺も本気で遥に勉強を教えていかないと。
そうして登校中も勉強を教えていった。
学校に到着。
勉強しながら登校なんて今までない経験だが、俺はこの危機的状況を意外と楽しんでいた。遥は真剣そのもので、必死にテストに出そうな問題を覚えていたし、要点をノートに綴っていた。
いいぞ、この調子だ。
教室に入ってからも俺は遥に勉強を教え続けた。そんな光景が周囲からどう映ったのか分からないが――なんかいつの間にか“付き合っている”ことになっていた。
……って、まずいな。
俺と遥の結婚がバレると危ない。
「少し話があるんだ、遥」
休み時間になって俺は勉強を止めさせた。
「え……どうしたの?」
「教室内で勉強を教えていると、クラスメイトが怪しむんだ」
「あー…。確かに、さっき女子が噂してた。わたしと遙くんが付き合っている説で」
「マジかよ。まあ、事実だけど結婚がバレると困るぞ」
「さすがに結婚はバレないと思う。精々、付き合っているのかなってくらいじゃないかな」
それもそうだけど――う~ん、考えすぎか。
だけど、その時だった。
クラスメイトが一斉に騒ぎ出したんだ。
な、なんだ?
何事だ?
クラスの一人が叫び出す。
「おいおい、大変だぞ!! 天満と小桜さん付き合っているんだってさ!!」
その瞬間、クラス内は大騒ぎに――。
「えええええええええ!!」「マジ!!」「うそだろ!!」「あの二人やっぱり!?」「いくらなんでも仲良すぎだもんな!」「そうだと思った」「もう手とか繋いだのかな」「馬鹿そんなの余裕だろ。それより、もっと凄いことを……」「え~、天満くん狙ってたのにぃ」「ショック~」
ちょ、ええッ!?
な、なんでバレたんだ……!?
34
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
先輩から恋人のふりをして欲しいと頼まれた件 ~明らかにふりではないけど毎日が最高に楽しい~
桜井正宗
青春
“恋人のふり”をして欲しい。
高校二年の愁(しゅう)は、先輩の『柚』からそう頼まれた。
見知らずの後輩である自分になぜと思った。
でも、ふりならいいかと快諾する。
すると、明らかに恋人のような毎日が始まっていった。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる