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ウォーロックになっちゃった
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帝国へ戻り、辺境伯にバーニングスライム討伐完了を伝えた。
「おぉ、そうか。やってくれたか! キエルくん、おめでとう」
「ありがとうございます」
「それでなんだが、実はね……本当の事を言うともう【試験】が始まっていたんだ」
「え? なんの試験です?」
「転職試験さ。あのバーニングスライムを倒したから、そうだなウィザードを飛ばして『シャーマン』になれると思うぞ」
「え……ええッ!?」
僕を含めた全員が驚く。
まさか、あれが試験だったなんて……うわぁ、驚いた。本当にびっくり。まさかそういう事だったなんて!!
「三日後にセドナ校長先生が来るが、その前にキエルくんを『ウィッチクラフト』にまでは転職させておいてくれと言われてね。これであと一段階だな」
「おぉ、辺境伯、ありがとうございます!!」
「いやいや、この前の助けてくれた礼さ。そういうわけだから、ラル、皆さん、どうかキエルくんを手伝ってやってください」
みんな頷く。
「キエルさん、わたしも手伝いますね!」
アイルは笑顔で応えてくれる。
「俺達は友達だからな、最後まで付き合うぜ!」
ラルも最高の爽やかな笑顔を。
「あたしはまだ加入したばかりだけど……皆さんの力になりたいし、特にキエルくんの力には……はにゃん!!」
ルナミスさんは相変わらず顔を赤くするけど、頼り甲斐のあるお姉さんだ。
「みんな、ありがとう。僕はいつか絶対に『メフィストフェレス』か『ウォーロック』になってみせるよ!!」
そう、僕はいつか偉大な魔法使いに。
皆を守れる存在になりたい。
この三人を、この屋敷にいる辺境伯や三姉妹……守る人が多くなった。だからこそ、全力で頑張ろうと思えた。
【三日後】
――僕は、この三日間で辺境伯から特殊なクエストを貰い、スライムをひたすら倒しまくった。もちろん、頼れる仲間と共に。
その結果『ウィッチクラフト』にまで昇格。もはや、ただの魔法使いとは程遠い存在となっていた。スキルもあれから、四種類から倍の八種類に。
「おやおや、見違えるようですね、キエルくん」
「セドナ校長先生、僕はウィッチクラフトになりました。後残すは『メフィストフェレス』か『ウォーロック』になるかです」
「その道は大変険しいですが……まあ、わたくしが付いていますし、キエルくんは優秀ですから……そうですね、一年もあれば余裕でしょう」
「い、一年!?」
「ええ、通常は十年掛かりますから」
う、うそでしょ……本当なら十年が、校長先生直々の指導で一年か……まあ、そう思えば悪くない。十年も待てないし。
「よ~し、セドナ先生、よろしくお願いします!!」
「素晴らしい返事です。分かりました、たくさんしごいてあげますね……ウフフ」
「お、お手柔らかにお願いしますよ……」
こうして、僕の魔法使いとしての厳しい修行が始まった。
◆
――あれから半年。
僕には【モンスター撃破ボーナス】があった。その甲斐もあって、なんと半年で修業が完了してしまった。
僕はようやく『ウォーロック』に昇格。
「おめでとうございます、キエルさん」
「おめでとう、親友」
「おめでとう、キエルくん」
仲間から拍手で歓迎され、僕は三人に笑顔で応えた。ようやく、ここから本当のスタートだ。まだ、僕の魔法使いライフは始まったばかり。
「さあ、帝国を出ようか――」
目指す場所は決まっている。
北国『フィルン』である。
「おぉ、そうか。やってくれたか! キエルくん、おめでとう」
「ありがとうございます」
「それでなんだが、実はね……本当の事を言うともう【試験】が始まっていたんだ」
「え? なんの試験です?」
「転職試験さ。あのバーニングスライムを倒したから、そうだなウィザードを飛ばして『シャーマン』になれると思うぞ」
「え……ええッ!?」
僕を含めた全員が驚く。
まさか、あれが試験だったなんて……うわぁ、驚いた。本当にびっくり。まさかそういう事だったなんて!!
「三日後にセドナ校長先生が来るが、その前にキエルくんを『ウィッチクラフト』にまでは転職させておいてくれと言われてね。これであと一段階だな」
「おぉ、辺境伯、ありがとうございます!!」
「いやいや、この前の助けてくれた礼さ。そういうわけだから、ラル、皆さん、どうかキエルくんを手伝ってやってください」
みんな頷く。
「キエルさん、わたしも手伝いますね!」
アイルは笑顔で応えてくれる。
「俺達は友達だからな、最後まで付き合うぜ!」
ラルも最高の爽やかな笑顔を。
「あたしはまだ加入したばかりだけど……皆さんの力になりたいし、特にキエルくんの力には……はにゃん!!」
ルナミスさんは相変わらず顔を赤くするけど、頼り甲斐のあるお姉さんだ。
「みんな、ありがとう。僕はいつか絶対に『メフィストフェレス』か『ウォーロック』になってみせるよ!!」
そう、僕はいつか偉大な魔法使いに。
皆を守れる存在になりたい。
この三人を、この屋敷にいる辺境伯や三姉妹……守る人が多くなった。だからこそ、全力で頑張ろうと思えた。
【三日後】
――僕は、この三日間で辺境伯から特殊なクエストを貰い、スライムをひたすら倒しまくった。もちろん、頼れる仲間と共に。
その結果『ウィッチクラフト』にまで昇格。もはや、ただの魔法使いとは程遠い存在となっていた。スキルもあれから、四種類から倍の八種類に。
「おやおや、見違えるようですね、キエルくん」
「セドナ校長先生、僕はウィッチクラフトになりました。後残すは『メフィストフェレス』か『ウォーロック』になるかです」
「その道は大変険しいですが……まあ、わたくしが付いていますし、キエルくんは優秀ですから……そうですね、一年もあれば余裕でしょう」
「い、一年!?」
「ええ、通常は十年掛かりますから」
う、うそでしょ……本当なら十年が、校長先生直々の指導で一年か……まあ、そう思えば悪くない。十年も待てないし。
「よ~し、セドナ先生、よろしくお願いします!!」
「素晴らしい返事です。分かりました、たくさんしごいてあげますね……ウフフ」
「お、お手柔らかにお願いしますよ……」
こうして、僕の魔法使いとしての厳しい修行が始まった。
◆
――あれから半年。
僕には【モンスター撃破ボーナス】があった。その甲斐もあって、なんと半年で修業が完了してしまった。
僕はようやく『ウォーロック』に昇格。
「おめでとうございます、キエルさん」
「おめでとう、親友」
「おめでとう、キエルくん」
仲間から拍手で歓迎され、僕は三人に笑顔で応えた。ようやく、ここから本当のスタートだ。まだ、僕の魔法使いライフは始まったばかり。
「さあ、帝国を出ようか――」
目指す場所は決まっている。
北国『フィルン』である。
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