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バーニングスライムを討伐せよ

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 ルナミスさんが動き出す。
 バーニングスライムに対し、剣を振るいダメージを与えていく。


「おぉ、凄い。さすがホーリーナイト……とんでもない動きだ」
「まるで嵐のようですね」

 隣で見守るアイルもそんな風に感じたらしい。



「てやあああああああ……!!」


 斬撃が何度も決まっていく。
 あれだけ与えてまだスライムは倒れない。嘘だろ……高レベルになるだけで、あんなに強いのかスライムは。


「キエル、これちょっとヤバいんじゃないか!?」
「あ、ああ……ラル。君は動かない方がいいかも」
「だな。俺は足手まといになるだけだ。アイル様を守るので精一杯だよ……ていうか、守れるかどうかすら怪しいがな」


 その通り。
 バーニングスライムは、次第に炎を激しくさせていた。真っ赤なボディから噴きだす炎の渦。それは、ルナミスさんに襲い掛かる。


「させるか! コールド!!」


 火属性の苦手とする水属性魔法を放つ。
 なんとか相殺したけど……相殺かよ!


「キエルくん、敵の魔力が高すぎる。どうやら、このバーニングスライムが噂の主かも」

 こちらまで後退してくるルナミスさんの顔に余裕はなかった。これはまずいな……。ホーリーナイトである彼女ですら苦戦するのか。


「辺境伯、なかなか無茶な注文を僕にしたなあ。これ倒せるのかなあ」
「キエルさんなら出来ます!」
「アイル……でも。いや、そうだな、バーニングスライムを倒せば膨大な経験値も入るだろうし、レアアイテムだって……」


 僕は再び杖を構える。
 やるしかないだろう。


「まずいぞ、キエル。バーニングスライムが向かってくる」


 ラルの言う通り、バーニングスライムがジャンプして飛んでくる。……マジか。スライムは、もともとノンアクティブモンスター。こっちから攻撃を仕掛けない限りは、攻撃されない。けれど、あの高レベルのバーニングスライムともなると、アクティブ。つまり、攻撃を容赦なく仕掛けてくる。



 ならば、反撃しないと!!



『コールド!!』
『コールド!!』
『コールド!!』



 三回繰り返し、水属性魔法でダメージを与えていく。弱点も相まってダメージはかなりデカイ。しかし、それでもバーニングスライムは進撃を続けてくる。


『ホーリークロス!!!』


 素早い動きを見せるルナミスさんの一撃が入る。物理的な聖属性魔法だ。あれは、かなりの攻撃力があると見た。


 ドンッと十字が広がって、バーニングスライムを両断する。今だ!!


『コールド!!』


 魔力ギリギリのスキルを与えると、スライムはついに力尽きた。……勝った、のか!



 [経験値:180000獲得]
 [ドロップアイテム:金貨1枚獲得、未鑑定アイテム1個獲得]


 キエル【Lv.56】→【Lv.57】
 アイル【Lv.40】→【Lv.42】
 ラル【Lv.36】→【LV.39】
 ルナミス【Lv.81】


「おぉ、キエル。やったな!」
「ラル、ああ……やったっぽい!」


 スライムが塵となっていくところを見ると、どうやら確実に倒せたっぽい。


「お疲れ様、キエルくん」
「いえ……僕は魔法を連打しただけで、ルナミスさんの方が凄かったです」
「いやいや」


 ルナミスさんの実力は確かだ。
 恐るべし、ホーリーナイト。

 感心していると、アイルがヒールをくれた。


「癒しますね」
「ありがとう、アイル」


 これで討伐は完了だな。
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