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地下ダンジョン、お試し探検
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目の前に広がる地下ダンジョン。
幅は広く、迷宮のようになっていた。
「こ、これが地下……? お屋敷の下にこんなダンジョンがあるだなんて信じられないな」
「驚いただろう、キエル。この先には、スライムとかゴブリンがいるから気を付けてな。まあ、俺が先陣を切るよ」
「分かった。僕は後ろから攻撃する。けど、出来ればトドメは僕に刺させて欲しいかな」
「ん、何故だ」
「僕には『モンスター撃破ボーナス』があるんだ」
「モンスター撃破ボーナス?」
そういえば、ラルにはまだ説明していなかった。
モンスターを倒すと通常の経験値の『2~10000倍』貰えるのと『銀貨』か『金貨』が付くのと、レアアイテムもたまに特典でつく事があると教えた。
「――というわけなんだ」
「……マ、マジか。キエルってそんな神の祝福とか加護みたいな能力を持っていたのか。ただの魔法使いじゃなかったんだな」
「だから、モンスターを引きつけてくれれば助かる」
「おう、任せろ」
ラルは爽やかに剣を抜き、慎重に前へ進み始めた。すると、直ぐに青いスライムが現れた。水属性のヤツか。
僕は詠唱を開始。
その間にもラルが突撃していく。
剣がスライムのブヨブヨしたボディを斬るけれど、ダメージがほとんど入っていない。やっぱり、スライムは強いのか。
「ラル!」
「――くッ。スライムのクセに強ェ! けど、これで俺がターゲットされた。このまま引きつける!」
素早い動きでラルは逃げ惑う。
今しかない。
詠唱を終えた、僕は『ライトニング』を放つ。
「――てやッ!!」
何もなかったはずの宙からバリバリと雷が放たれ、それが青いスライムに落ちた。弱点属性なので大ダメージが与えられた。
あれからレベルアップもしたので魔力も桁違い。しばらくすると、青いスライムは消滅した。
[経験値:20000獲得]
[ドロップアイテム:金貨1枚獲得、未鑑定アイテム1個獲得]
【Lv.55】→【Lv.56】
未鑑定アイテムはこれで2個目か。そろそろ鑑定したいところだな。それと、レベルも上がり辛くなってきた。この辺りになってくると経験値テーブルも膨大だって聞いていた。まあ、そもそもパーティを組んでいるから、経験値は公平分配。更に上がり辛い状況だ。でもいい、ラルがレベルアップしてくれるなら。
「キエル……それ『金貨』か!?」
「うん。これがギフトの力なんだ。ラルとはパーティを組んでいるから、全部分かっていると思うけど、経験値もかなり入っているだろ?」
「あ、ああ……『20000』なんて初めて見たぞ。何なんだよ、これ、ビックリだぜ」
僕は『Lv.56』に、ラルは『Lv.36』になった。あんなに強かったスライムも簡単に倒せるようになってきたし、この調子でバンバンレベルアップしていきたい。
「ラルのレベルをもっと上げていこう。……と、言いたいところだけど、そろそろ戻ろうか。アイル達がお風呂から上がるころだろうし」
「ああ、スライム一体倒せるだけでも凄い事だ。このダンジョンはいつでも利用可能だから、入りたい時は俺を訪ねてくれ」
「うん。で、引き返せばいい?」
「いや、このダンジョンを作ってもらう時にいつでも戻れるように『テレポートの魔石』を貰っているんだ。これは消費タイプじゃないから、何度も『屋敷』に戻れる」
テレポートの魔石。
場所は『屋敷』限定らしいけど、いつでも戻れるんだ。それは便利だなぁ。
そんなわけで、テレポートの魔石を使ってダンジョン前に戻った。これなら、いつでも篭もれそう。僕は、しばらくお世話になろうかな? とか考え始めていた。
幅は広く、迷宮のようになっていた。
「こ、これが地下……? お屋敷の下にこんなダンジョンがあるだなんて信じられないな」
「驚いただろう、キエル。この先には、スライムとかゴブリンがいるから気を付けてな。まあ、俺が先陣を切るよ」
「分かった。僕は後ろから攻撃する。けど、出来ればトドメは僕に刺させて欲しいかな」
「ん、何故だ」
「僕には『モンスター撃破ボーナス』があるんだ」
「モンスター撃破ボーナス?」
そういえば、ラルにはまだ説明していなかった。
モンスターを倒すと通常の経験値の『2~10000倍』貰えるのと『銀貨』か『金貨』が付くのと、レアアイテムもたまに特典でつく事があると教えた。
「――というわけなんだ」
「……マ、マジか。キエルってそんな神の祝福とか加護みたいな能力を持っていたのか。ただの魔法使いじゃなかったんだな」
「だから、モンスターを引きつけてくれれば助かる」
「おう、任せろ」
ラルは爽やかに剣を抜き、慎重に前へ進み始めた。すると、直ぐに青いスライムが現れた。水属性のヤツか。
僕は詠唱を開始。
その間にもラルが突撃していく。
剣がスライムのブヨブヨしたボディを斬るけれど、ダメージがほとんど入っていない。やっぱり、スライムは強いのか。
「ラル!」
「――くッ。スライムのクセに強ェ! けど、これで俺がターゲットされた。このまま引きつける!」
素早い動きでラルは逃げ惑う。
今しかない。
詠唱を終えた、僕は『ライトニング』を放つ。
「――てやッ!!」
何もなかったはずの宙からバリバリと雷が放たれ、それが青いスライムに落ちた。弱点属性なので大ダメージが与えられた。
あれからレベルアップもしたので魔力も桁違い。しばらくすると、青いスライムは消滅した。
[経験値:20000獲得]
[ドロップアイテム:金貨1枚獲得、未鑑定アイテム1個獲得]
【Lv.55】→【Lv.56】
未鑑定アイテムはこれで2個目か。そろそろ鑑定したいところだな。それと、レベルも上がり辛くなってきた。この辺りになってくると経験値テーブルも膨大だって聞いていた。まあ、そもそもパーティを組んでいるから、経験値は公平分配。更に上がり辛い状況だ。でもいい、ラルがレベルアップしてくれるなら。
「キエル……それ『金貨』か!?」
「うん。これがギフトの力なんだ。ラルとはパーティを組んでいるから、全部分かっていると思うけど、経験値もかなり入っているだろ?」
「あ、ああ……『20000』なんて初めて見たぞ。何なんだよ、これ、ビックリだぜ」
僕は『Lv.56』に、ラルは『Lv.36』になった。あんなに強かったスライムも簡単に倒せるようになってきたし、この調子でバンバンレベルアップしていきたい。
「ラルのレベルをもっと上げていこう。……と、言いたいところだけど、そろそろ戻ろうか。アイル達がお風呂から上がるころだろうし」
「ああ、スライム一体倒せるだけでも凄い事だ。このダンジョンはいつでも利用可能だから、入りたい時は俺を訪ねてくれ」
「うん。で、引き返せばいい?」
「いや、このダンジョンを作ってもらう時にいつでも戻れるように『テレポートの魔石』を貰っているんだ。これは消費タイプじゃないから、何度も『屋敷』に戻れる」
テレポートの魔石。
場所は『屋敷』限定らしいけど、いつでも戻れるんだ。それは便利だなぁ。
そんなわけで、テレポートの魔石を使ってダンジョン前に戻った。これなら、いつでも篭もれそう。僕は、しばらくお世話になろうかな? とか考え始めていた。
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