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【229】 元オルビス騎士団所属の有能少女
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怪しい気配はなかった。
街灯の少ない通路を歩き続け、ようやくスピカの屋敷に到着する。彼女の曰く、あの七つの貴族であるアムールの別荘らしいが。
「さすが大貴族だけあるな。別荘っていうか、大きなお屋敷だ。俺の店よりデケェ」
「はい。御覧の通りですが、でも中がちょっと特殊なもので」
そりゃ興味深いなと、期待を胸にしていれば――スピカが門前にある板のようなモノに掌を当てがっていた。すると、ガシャっと大きな門が開く。
「な……指紋認証なのか、この門!」
「なんですそれ? それは分かりませんが、これは『星力』を感知しているんです。人々にはそれぞれ色がありますからね、それを判別するんだそうです」
そういうカラクリか。
星力については、不明点もまだ多い。また今度、ソレイユに聞いておくか。
スピカの屋敷に入り、玄関口。
分かってはいたけど……広すぎる。
これが別荘? ありえんだろう。
「あっちもこっちも豪華すぎて目移りしそうだ。こりゃ、いちいち驚いてたらキリがなさそうだな」
「さあ、こちらです」
スピカの小さな背を追って行くと、大きな扉の前。何故か赤くて派手だ。そこもまた厳重なセキュリティで、同じように板に手を触れると開いた。
「――な。嘘だろ……なんだこりゃ! 中央に世界樹のような樹が生えてる。あっちにもこっちにもティーニーグリズリーがのんびりしてるし……おいおい、楽園かよ」
青空の下、緑の大自然が広がり、圧巻だった。
この場所はどうなってんだ、外と中では空間が乖離しているのか。だとすれば、アムールの能力か何かだろうか。
「これはトニー様の魔導具・エレメンタルリアクターの膨大な魔力で――って、それはいいですね。さあ、こちらへ」
トニーの仕事だったか。納得だ。
スピカに付いて行くと、小屋に案内された。屋敷の中に更に小屋があるとか……どうなってんだよ、この家は。
「……なあ、スピカ。アムールはペットの保護活動でもしているのか?」
「といいますか、アムール様は有名なモンスターテイマーですからね。ティーニーグリズリーの他にもイクスドラゴンなど色々いますよ」
共和国・ブルームーンの育成していたドラゴンじゃないか。そんなモンスターまでいるのかよ。あのドラゴンはカッコ良くて、従順なんだよなぁ。いつか乗ってみたい。
「うむ、これは正直驚いた。って、いかん、ペットを見に来たんじゃなかった。スピカ、小屋へ入ろう」
「そ、そうでした。ごめんなさい……つい」
てへっとスピカは舌を出し、ようやく小屋へ入った。
◆
小屋はお洒落な作りになっていて、テーブルと椅子も豪華なデザインだった。そこへ座り、夜とは思えない光景の中で話を始めた。
「それで、パラセレネ・ピルグリメッジの件だが」
「ええ、私が調べ上げた限りですけど、パラセレネ様は『イルミネイト』、『フレッサー商会』の他……『商人連合』を潰すつもりのようです」
「なに!? 商人連合を?」
それはつまり……。
「商人連合という事は、商売そのものを排除すると同義ですね。なので、商人全員がN地区に留まれなくなるのです。しかも、この地区の中枢である露店街でさえ撤去すると申されていました」
「……馬鹿な。露店街が無くなったら、帝国・レッドムーンの経済そのものが危ういぞ。というか、そんな愚かな真似をすれば失業者で溢れかえる。パラセレネはそんな事も分からないのか!」
ふざけんなよ。俺やトニーの店だけではなく、商人全員を敵に回すっていうのか。許せん……絶対に。
「分かった情報はココまでです」
「……ありがとう、スピカ。君の情報収集能力には驚かされたし、感服したよ。で、どうやって、そんな情報を得たんだ?」
スピカは微笑むと、手を耳に当てていた。
そうか、やっぱりスキルがあるんだ。
「聞き耳系の『傍受』スキル・インターセプションです。私は元々、オルビス騎士団所属で、共和国・ブルームーンの情報収集に当たっていました。ですが、戦争も終わって私の役目は無くなったんです。でも、トニー様に腕を買われ、拾われたんです」
納得した。あのトニーなら、優秀な子なら迷う事なく雇うだろうな。しかも、情報はビジネスの基本だ。スピカがいれば、そりゃ強いな。最近の好業績もこの子のお陰だろう。
しかも、オルビス騎士団に所属したって? おいおい、ノエルはこんな優良物件を手放したのかよ。実に勿体ない。どうせなら、俺が拾いたかったね。
「そうか、トニーの部下だから元から信じていたけど、もっと信じられるようになった。もう100%だ。これは揺るぎないよ」
「ありがとうございます、嬉しいです!」
本当に嬉しそうに照れていた。あんな、はにゃんとなって可愛いヤツめ。あー、ウチに欲しかったな。まあでも、ウチにはもう可愛いダークエルフがいるからな。
「こちらこそ情報をありがとう。これは急いで対処する必要がありそうだ」
「そうですね、私としても商売が出来なくなるのは許せませんし、皆が困っちゃいます。このN地区は『レアアイテム』、『スキル』、そして『レベル』という三つの取引が可能な世界で唯一の聖地ですからね。こんな素晴らしい場所を失くしちゃうとか……全人類の損失と言っても過言ではありません」
「その通りだ。その為にもパラセレネを止める。俺は明日、お店を臨時休業して動こうと思う」
「分かりました、お願いします。……ああ、そうでした。パラセレネ様のお屋敷の場所ですが、西のナイトフォール通りです」
ナイトフォール通りといえば、N地区のかなり向こうだ。U地区も見えてくる位置だ。そうか、そんな所に。
場所が分かっただけでも大きな前進だ。
――さて、そうなると……もう一度、パラセレネと交渉してみようかなと思った。何故それほど商人を潰すまでに至ったのか本当の理由も聞きたいしな。
「よし、じゃあ俺は帰るよ」
「了解しました。では、玄関までご一緒に――」
椅子から立ち上がるスピカが青ざめる。
「どうした?」
「……そんな、信じられません。侵入者です。私のスキルは常に傍受が可能なので……分かるんです」
「そうか、パラセレネ送り込んで来た刺客だろう。いいさ、俺が相手になってやる。スピカ、俺から絶対に離れるなよ」
「……はい」
ペットを巻き込むわけにはいかないので、部屋を出た。その通路の先には黒い影が――。
コイツか……!
街灯の少ない通路を歩き続け、ようやくスピカの屋敷に到着する。彼女の曰く、あの七つの貴族であるアムールの別荘らしいが。
「さすが大貴族だけあるな。別荘っていうか、大きなお屋敷だ。俺の店よりデケェ」
「はい。御覧の通りですが、でも中がちょっと特殊なもので」
そりゃ興味深いなと、期待を胸にしていれば――スピカが門前にある板のようなモノに掌を当てがっていた。すると、ガシャっと大きな門が開く。
「な……指紋認証なのか、この門!」
「なんですそれ? それは分かりませんが、これは『星力』を感知しているんです。人々にはそれぞれ色がありますからね、それを判別するんだそうです」
そういうカラクリか。
星力については、不明点もまだ多い。また今度、ソレイユに聞いておくか。
スピカの屋敷に入り、玄関口。
分かってはいたけど……広すぎる。
これが別荘? ありえんだろう。
「あっちもこっちも豪華すぎて目移りしそうだ。こりゃ、いちいち驚いてたらキリがなさそうだな」
「さあ、こちらです」
スピカの小さな背を追って行くと、大きな扉の前。何故か赤くて派手だ。そこもまた厳重なセキュリティで、同じように板に手を触れると開いた。
「――な。嘘だろ……なんだこりゃ! 中央に世界樹のような樹が生えてる。あっちにもこっちにもティーニーグリズリーがのんびりしてるし……おいおい、楽園かよ」
青空の下、緑の大自然が広がり、圧巻だった。
この場所はどうなってんだ、外と中では空間が乖離しているのか。だとすれば、アムールの能力か何かだろうか。
「これはトニー様の魔導具・エレメンタルリアクターの膨大な魔力で――って、それはいいですね。さあ、こちらへ」
トニーの仕事だったか。納得だ。
スピカに付いて行くと、小屋に案内された。屋敷の中に更に小屋があるとか……どうなってんだよ、この家は。
「……なあ、スピカ。アムールはペットの保護活動でもしているのか?」
「といいますか、アムール様は有名なモンスターテイマーですからね。ティーニーグリズリーの他にもイクスドラゴンなど色々いますよ」
共和国・ブルームーンの育成していたドラゴンじゃないか。そんなモンスターまでいるのかよ。あのドラゴンはカッコ良くて、従順なんだよなぁ。いつか乗ってみたい。
「うむ、これは正直驚いた。って、いかん、ペットを見に来たんじゃなかった。スピカ、小屋へ入ろう」
「そ、そうでした。ごめんなさい……つい」
てへっとスピカは舌を出し、ようやく小屋へ入った。
◆
小屋はお洒落な作りになっていて、テーブルと椅子も豪華なデザインだった。そこへ座り、夜とは思えない光景の中で話を始めた。
「それで、パラセレネ・ピルグリメッジの件だが」
「ええ、私が調べ上げた限りですけど、パラセレネ様は『イルミネイト』、『フレッサー商会』の他……『商人連合』を潰すつもりのようです」
「なに!? 商人連合を?」
それはつまり……。
「商人連合という事は、商売そのものを排除すると同義ですね。なので、商人全員がN地区に留まれなくなるのです。しかも、この地区の中枢である露店街でさえ撤去すると申されていました」
「……馬鹿な。露店街が無くなったら、帝国・レッドムーンの経済そのものが危ういぞ。というか、そんな愚かな真似をすれば失業者で溢れかえる。パラセレネはそんな事も分からないのか!」
ふざけんなよ。俺やトニーの店だけではなく、商人全員を敵に回すっていうのか。許せん……絶対に。
「分かった情報はココまでです」
「……ありがとう、スピカ。君の情報収集能力には驚かされたし、感服したよ。で、どうやって、そんな情報を得たんだ?」
スピカは微笑むと、手を耳に当てていた。
そうか、やっぱりスキルがあるんだ。
「聞き耳系の『傍受』スキル・インターセプションです。私は元々、オルビス騎士団所属で、共和国・ブルームーンの情報収集に当たっていました。ですが、戦争も終わって私の役目は無くなったんです。でも、トニー様に腕を買われ、拾われたんです」
納得した。あのトニーなら、優秀な子なら迷う事なく雇うだろうな。しかも、情報はビジネスの基本だ。スピカがいれば、そりゃ強いな。最近の好業績もこの子のお陰だろう。
しかも、オルビス騎士団に所属したって? おいおい、ノエルはこんな優良物件を手放したのかよ。実に勿体ない。どうせなら、俺が拾いたかったね。
「そうか、トニーの部下だから元から信じていたけど、もっと信じられるようになった。もう100%だ。これは揺るぎないよ」
「ありがとうございます、嬉しいです!」
本当に嬉しそうに照れていた。あんな、はにゃんとなって可愛いヤツめ。あー、ウチに欲しかったな。まあでも、ウチにはもう可愛いダークエルフがいるからな。
「こちらこそ情報をありがとう。これは急いで対処する必要がありそうだ」
「そうですね、私としても商売が出来なくなるのは許せませんし、皆が困っちゃいます。このN地区は『レアアイテム』、『スキル』、そして『レベル』という三つの取引が可能な世界で唯一の聖地ですからね。こんな素晴らしい場所を失くしちゃうとか……全人類の損失と言っても過言ではありません」
「その通りだ。その為にもパラセレネを止める。俺は明日、お店を臨時休業して動こうと思う」
「分かりました、お願いします。……ああ、そうでした。パラセレネ様のお屋敷の場所ですが、西のナイトフォール通りです」
ナイトフォール通りといえば、N地区のかなり向こうだ。U地区も見えてくる位置だ。そうか、そんな所に。
場所が分かっただけでも大きな前進だ。
――さて、そうなると……もう一度、パラセレネと交渉してみようかなと思った。何故それほど商人を潰すまでに至ったのか本当の理由も聞きたいしな。
「よし、じゃあ俺は帰るよ」
「了解しました。では、玄関までご一緒に――」
椅子から立ち上がるスピカが青ざめる。
「どうした?」
「……そんな、信じられません。侵入者です。私のスキルは常に傍受が可能なので……分かるんです」
「そうか、パラセレネ送り込んで来た刺客だろう。いいさ、俺が相手になってやる。スピカ、俺から絶対に離れるなよ」
「……はい」
ペットを巻き込むわけにはいかないので、部屋を出た。その通路の先には黒い影が――。
コイツか……!
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