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【122】 フレッサー商会
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現在、帝国の『N地区』を歩いている。
此処は、たくさんの冒険者も行き交って活気があった。何故なら露店街に指定されており、商人も多く存在したからだ。
遠路遥々やって来る冒険者にレアアイテムを売る為、商人たちは必死に客寄せをしている。見知った顔もチラホラいるな。
賑やかでいいなぁ。
俺も早く商売しないとな。
みんなを連れて、新生イルミネイトの候補地を探し求め露店街を歩く。そのついでに噂の『殺人鬼・ディスガイズ』の情報も入手したいところ。
そんなわけで、まずは信頼できる知り合い『フレッサー商会』を訪ねてみた。今はその建物の前に到着した。
「……フレッサー商会?」
ポツリとルナがつぶやく。
「あ、このお店の名前、聞いた事があるような」
ミーティアも反応を示し、店の看板を見上げた。
吹き抜ける風によって金の髪が靡く。
何かの名シーンのようになっているな。
「これアレじゃない。セイフの街でシャロウに襲われた時、駆けつけてくれたギルドよね」
冒険者の目に触れないよう、フードを深く被るソレイユは正解を答えた。そう、その通り。あのシャロウ襲撃事件で助力してくれた商会ギルドだった。
「そんなワケで入るぞ」
歩き出すと直ぐに異変が。店の奥から大きな塊が飛び跳ねてきて――それが地面にズサッと倒れた。しかも丁度、ルナの目の前に。
「え……なんでしょう?」
目の前の物体に、ルナは一歩引く。
それから両手で口を塞いだ。
「カイト様……」
困惑してルナは立ち止まった。
ふむ……吹っ飛んできたのは男の人間だった。仰向けに倒れ、目をパチクリしているところ意識はあるらしい。とりあえず、何よりも一安心したのが、ルナのスカートが長くて良かったこと。ソレイユのようにミニスカだったら丸見えだったな。
――いや、それはいいな。
それから男はヨロヨロと立ち上がり……突然、ルナを押し倒そうとした。
「ふざけんな!!」
俺は咄嗟に男の手を叩いた。
「……ぐっ」
あっぶねぇ……!
ていうか、汚い手で触れるんじゃねえ。
「ルナ!」
「……はいっ」
何故かしがみついてくるルナ。手に力は入っておらず、やや震えているように見える。……怖かったのかな。よし、この俺が守ってやる。
「何なんですか、この男」
ミーティアも警戒し、俺の方へ。いや、ソレイユも。なんか知らんが皆に寄られている俺。そんな寄られると、いざという時に守り辛いのだがヨシとしよう。
ちょいと焦っていると、フレッサー商会の奥からゴツゴツと足音が。誰か出てきた。それは……黒髪の紳士だった。
「…………まったく、我が盟友の情報を盗もうなど、片腹痛い。――おや、これはこれは! 我が友・カイトではありませんか!」
超ビッシリ決まっている高級スーツ姿の男。
そんな場違いな男がこちらへ向かってくる。――間違いない、あのオールバックのスーパー紳士にして『死の商人』、『鬼畜商人』、『世界最高のアイテム鑑定師』、『天才モンスターテイマー』、『爆薬類取扱保安責任者』などなど肩書をアホほど持つ有能は――。
「よう、トニー! やっぱり、お前も帝国の本部に戻っていたんだな」
「そうともです。あのシャロウ襲撃の一件後、僕は帝国に帰還しました。そして、最高の友である貴方の帰りを待っていたのですよ、カイト」
ニカッと白い歯を見せびらかして笑うトニー。
まったく、変わらんなコイツは。
「カイト、そのイケメン誰よ」
珍しくソレイユが反応した。
「ほう? ソレイユ、俺以外には興味なかったんじゃないのか?」
「……うっ、うっさいなぁもう」
顔を赤くしてぷいっと膨れた。しかも赤青のオッドアイが潤んでいる。そんな子供みたいに……でも、たまに可愛いなソレイユ。ちょっと、からかいすぎたか。
「紹介する。このオールバックの兄ちゃんは『トニー』だ。俺の昔からの盟友でね。フレッサー商会の社長だ。こいつなら、新生イルミネイトの家とか土地とか何とかしてくれる」
「「「おおお~~~!!!」」」
みんなが歓声を上げた。
でもその前に――倒れている謎の男だ。
此処は、たくさんの冒険者も行き交って活気があった。何故なら露店街に指定されており、商人も多く存在したからだ。
遠路遥々やって来る冒険者にレアアイテムを売る為、商人たちは必死に客寄せをしている。見知った顔もチラホラいるな。
賑やかでいいなぁ。
俺も早く商売しないとな。
みんなを連れて、新生イルミネイトの候補地を探し求め露店街を歩く。そのついでに噂の『殺人鬼・ディスガイズ』の情報も入手したいところ。
そんなわけで、まずは信頼できる知り合い『フレッサー商会』を訪ねてみた。今はその建物の前に到着した。
「……フレッサー商会?」
ポツリとルナがつぶやく。
「あ、このお店の名前、聞いた事があるような」
ミーティアも反応を示し、店の看板を見上げた。
吹き抜ける風によって金の髪が靡く。
何かの名シーンのようになっているな。
「これアレじゃない。セイフの街でシャロウに襲われた時、駆けつけてくれたギルドよね」
冒険者の目に触れないよう、フードを深く被るソレイユは正解を答えた。そう、その通り。あのシャロウ襲撃事件で助力してくれた商会ギルドだった。
「そんなワケで入るぞ」
歩き出すと直ぐに異変が。店の奥から大きな塊が飛び跳ねてきて――それが地面にズサッと倒れた。しかも丁度、ルナの目の前に。
「え……なんでしょう?」
目の前の物体に、ルナは一歩引く。
それから両手で口を塞いだ。
「カイト様……」
困惑してルナは立ち止まった。
ふむ……吹っ飛んできたのは男の人間だった。仰向けに倒れ、目をパチクリしているところ意識はあるらしい。とりあえず、何よりも一安心したのが、ルナのスカートが長くて良かったこと。ソレイユのようにミニスカだったら丸見えだったな。
――いや、それはいいな。
それから男はヨロヨロと立ち上がり……突然、ルナを押し倒そうとした。
「ふざけんな!!」
俺は咄嗟に男の手を叩いた。
「……ぐっ」
あっぶねぇ……!
ていうか、汚い手で触れるんじゃねえ。
「ルナ!」
「……はいっ」
何故かしがみついてくるルナ。手に力は入っておらず、やや震えているように見える。……怖かったのかな。よし、この俺が守ってやる。
「何なんですか、この男」
ミーティアも警戒し、俺の方へ。いや、ソレイユも。なんか知らんが皆に寄られている俺。そんな寄られると、いざという時に守り辛いのだがヨシとしよう。
ちょいと焦っていると、フレッサー商会の奥からゴツゴツと足音が。誰か出てきた。それは……黒髪の紳士だった。
「…………まったく、我が盟友の情報を盗もうなど、片腹痛い。――おや、これはこれは! 我が友・カイトではありませんか!」
超ビッシリ決まっている高級スーツ姿の男。
そんな場違いな男がこちらへ向かってくる。――間違いない、あのオールバックのスーパー紳士にして『死の商人』、『鬼畜商人』、『世界最高のアイテム鑑定師』、『天才モンスターテイマー』、『爆薬類取扱保安責任者』などなど肩書をアホほど持つ有能は――。
「よう、トニー! やっぱり、お前も帝国の本部に戻っていたんだな」
「そうともです。あのシャロウ襲撃の一件後、僕は帝国に帰還しました。そして、最高の友である貴方の帰りを待っていたのですよ、カイト」
ニカッと白い歯を見せびらかして笑うトニー。
まったく、変わらんなコイツは。
「カイト、そのイケメン誰よ」
珍しくソレイユが反応した。
「ほう? ソレイユ、俺以外には興味なかったんじゃないのか?」
「……うっ、うっさいなぁもう」
顔を赤くしてぷいっと膨れた。しかも赤青のオッドアイが潤んでいる。そんな子供みたいに……でも、たまに可愛いなソレイユ。ちょっと、からかいすぎたか。
「紹介する。このオールバックの兄ちゃんは『トニー』だ。俺の昔からの盟友でね。フレッサー商会の社長だ。こいつなら、新生イルミネイトの家とか土地とか何とかしてくれる」
「「「おおお~~~!!!」」」
みんなが歓声を上げた。
でもその前に――倒れている謎の男だ。
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