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【108】 祈り(ルナ視点)
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ギルドに加入する、それは初めての経験だった。
わたしはずっと皇女という身であり、冒険はおろか外の世界へ出た事もなかった。さて、ここで困るのが父の許しだ。
この国――【帝国・レッドムーン】の皇帝陛下である父が自由を認めてくれるかどうか。ここは誠意を以て直談判をと、王の間へ向かった。だが――その懸念は一瞬にして払拭された。
「――よかろう。私はお前を縛りすぎてしまった……それ故に死期を早めてしまったのかもしれぬ。今更申し開きも出来ぬが、お前の気持ちを考えてやれなかった愚かな父親の、せめてもの気持ちだ……ルナよ、これからはお前の人生だ。自ら行動を決め、好きにするがよい」
もう恋愛の事もとやかく言わないと断言してくれた。男と会うのも好きにしろと。それから父は、今までのことを謝罪するかのようにゆっくりと目を閉じた。そして、意外なほどにアッサリと了承してくれた。
きっと父は後悔していたのだ。わたしが死に直面した時、これまで自由を与えてやれなかった自責の念をずっと抱いていたのだろう。
いや――だからといって父を恨むこともない。ここまで育ててくれた事に感謝している。それに呪いは解かれ、死は回避されたのだから。
当初こそ絶望したものだが……
でも、難攻不落の死に立ち向かい、それを断ち切った。その結果、わたしは素敵な出会いに巡り合わせ……恋をした。
だから全てを否定することは出来ない。
わたしは父に一礼し、部屋を出た。
◆
そして時が立ち……
――三週間後。
城の外で待機しているであろうソレイユの元へ向かった。無駄に広い通路を歩いて城門へ。……さて、彼女の姿は……
いた。
桃色の髪を弄り、外の世界をぼんやりと眺める我が騎士。なんと美しい横顔。わたしなんかよりも凛々しく、気高く……誉れ高い。
――ああ、思えば彼女にはたくさん色んなものを貰ったし、助けて貰った。ソレイユは友以上の存在だ。わたしのかけがえのない騎士。
随分と待たせてしまった。
……さあ……
いきましょう。
「ソレイユ、お待たせしました」
「おっす、ルナ。良い顔になったわね」
にこっと笑うソレイユ。
本当に太陽のようです。
「ええ、わたしは本当の自由と、本当の自分を得ました。この三年と三週間はとても辛かったけれど……もう迷いません。これから特注で作らせたメイド服に身を包み――彼の元へ向かいます」
「そう。やっと決心が付いたのね。いいんじゃない、三年と三週間も待ち続けたんでしょ! じゃあ、逢いに行きなよ」
またそうやってソレイユは……
わたしの背中を押した。
悔しいけど、やっぱり彼女には敵わない。
「ありがとう」
「いいって事よ。あたしとルナの仲じゃない」
「誓約――いえ、それ以上です。ソレイユ、あなたは家族も同然の大切な存在。これからもわたしを支えて欲しい」
「ええ、ルナを守護し、支援するのがあたしの役目よ。じゃ、次の戦争が終わったら【セイフの街】へ向かうわ。多分、次で最後の戦争になると思う。当面は休戦って話よ。……はぁ、また戦災孤児がたくさん。大変だわ」
そういえば、ソレイユは可哀想な子供を支援していると聞いた。しかも敵国の子供まで。さすがに反対する者も多かったようですが、彼女の行いに間違いなく、賛成派多数によりその支持は圧倒的だった。もちろん、このわたしも。
そもそも彼女は、騎士の象徴たる存在。
絶対的な人気とカリスマ性を備え、多くの民から信頼され絶賛されている。それが彼女という『太陽』そのもの。皇女であるわたしよりも、誰よりも人々を照らす陽光《ソレイユ》なのだ。
「いつもありがとうございます」
「……それにしても、ルナ。その言葉遣いどうしたのよ。いつの間にそんな畏まったの? まるでメイドさんよ」
「ええ、その通り。この三週間、わたしは信頼できるメイドに頭を下げ、教えを請い、自ら仕事に励み――そして、礼儀や作法を完璧に身につけました。あと、お料理やお洗濯……お風呂とか。カイト様のあらゆる生活を支援できるよう、ここまで精一杯頑張りました。彼に振り向いてもらうには、これくらいはしないと対等にはなれませんから」
そうわたしは説明すると、ソレイユは少し――
いや、かなり驚いていた。
「ルナって……やる時はやる努力家だったのね。意外すぎるっていうか、見違えるようよ。女に磨きが掛かり過ぎ。こんな可愛くなっちゃって! そっか、もう以前のような高飛車皇女ではないのね」
「う……。わたし、そんな高圧的でしたか……」
「ごめんごめん。でも実際そんな感じだったし。だからね、今のルナが一番素敵よ。それなら確実に男を落とせるわ。間違いない! このあたしが保証してあげる。その……カイト? だっけ、そいつもイチコロよ」
「ほ、本当ですか?」
「本当よ。だから、自信を持って」
わたしの前に立ち、ソレイユは手を優しく握ってくれた。その手の温もりは陽射しのようにポカポカして――心まで温かくなった。
「行ってきます」
「絶対上手くいくから胸を張って堂々と行くのよ! いい、あたしのアドバイス通り、女の武器を使いまくって、その愛しの彼を必ず振り向かせるの。
頑張れ、応援しているからね! じゃ、しばらくお別れね。騎士の礼で祈らせてもらうわ――ご武運長久をお祈りします」
それは騎士最大の畏敬。
ソレイユがわたしの為に祈ってくれた。
ありがとう。
◆
そうして――
わたしはメイドとなり、ギルドへ向かった。
わたしはずっと皇女という身であり、冒険はおろか外の世界へ出た事もなかった。さて、ここで困るのが父の許しだ。
この国――【帝国・レッドムーン】の皇帝陛下である父が自由を認めてくれるかどうか。ここは誠意を以て直談判をと、王の間へ向かった。だが――その懸念は一瞬にして払拭された。
「――よかろう。私はお前を縛りすぎてしまった……それ故に死期を早めてしまったのかもしれぬ。今更申し開きも出来ぬが、お前の気持ちを考えてやれなかった愚かな父親の、せめてもの気持ちだ……ルナよ、これからはお前の人生だ。自ら行動を決め、好きにするがよい」
もう恋愛の事もとやかく言わないと断言してくれた。男と会うのも好きにしろと。それから父は、今までのことを謝罪するかのようにゆっくりと目を閉じた。そして、意外なほどにアッサリと了承してくれた。
きっと父は後悔していたのだ。わたしが死に直面した時、これまで自由を与えてやれなかった自責の念をずっと抱いていたのだろう。
いや――だからといって父を恨むこともない。ここまで育ててくれた事に感謝している。それに呪いは解かれ、死は回避されたのだから。
当初こそ絶望したものだが……
でも、難攻不落の死に立ち向かい、それを断ち切った。その結果、わたしは素敵な出会いに巡り合わせ……恋をした。
だから全てを否定することは出来ない。
わたしは父に一礼し、部屋を出た。
◆
そして時が立ち……
――三週間後。
城の外で待機しているであろうソレイユの元へ向かった。無駄に広い通路を歩いて城門へ。……さて、彼女の姿は……
いた。
桃色の髪を弄り、外の世界をぼんやりと眺める我が騎士。なんと美しい横顔。わたしなんかよりも凛々しく、気高く……誉れ高い。
――ああ、思えば彼女にはたくさん色んなものを貰ったし、助けて貰った。ソレイユは友以上の存在だ。わたしのかけがえのない騎士。
随分と待たせてしまった。
……さあ……
いきましょう。
「ソレイユ、お待たせしました」
「おっす、ルナ。良い顔になったわね」
にこっと笑うソレイユ。
本当に太陽のようです。
「ええ、わたしは本当の自由と、本当の自分を得ました。この三年と三週間はとても辛かったけれど……もう迷いません。これから特注で作らせたメイド服に身を包み――彼の元へ向かいます」
「そう。やっと決心が付いたのね。いいんじゃない、三年と三週間も待ち続けたんでしょ! じゃあ、逢いに行きなよ」
またそうやってソレイユは……
わたしの背中を押した。
悔しいけど、やっぱり彼女には敵わない。
「ありがとう」
「いいって事よ。あたしとルナの仲じゃない」
「誓約――いえ、それ以上です。ソレイユ、あなたは家族も同然の大切な存在。これからもわたしを支えて欲しい」
「ええ、ルナを守護し、支援するのがあたしの役目よ。じゃ、次の戦争が終わったら【セイフの街】へ向かうわ。多分、次で最後の戦争になると思う。当面は休戦って話よ。……はぁ、また戦災孤児がたくさん。大変だわ」
そういえば、ソレイユは可哀想な子供を支援していると聞いた。しかも敵国の子供まで。さすがに反対する者も多かったようですが、彼女の行いに間違いなく、賛成派多数によりその支持は圧倒的だった。もちろん、このわたしも。
そもそも彼女は、騎士の象徴たる存在。
絶対的な人気とカリスマ性を備え、多くの民から信頼され絶賛されている。それが彼女という『太陽』そのもの。皇女であるわたしよりも、誰よりも人々を照らす陽光《ソレイユ》なのだ。
「いつもありがとうございます」
「……それにしても、ルナ。その言葉遣いどうしたのよ。いつの間にそんな畏まったの? まるでメイドさんよ」
「ええ、その通り。この三週間、わたしは信頼できるメイドに頭を下げ、教えを請い、自ら仕事に励み――そして、礼儀や作法を完璧に身につけました。あと、お料理やお洗濯……お風呂とか。カイト様のあらゆる生活を支援できるよう、ここまで精一杯頑張りました。彼に振り向いてもらうには、これくらいはしないと対等にはなれませんから」
そうわたしは説明すると、ソレイユは少し――
いや、かなり驚いていた。
「ルナって……やる時はやる努力家だったのね。意外すぎるっていうか、見違えるようよ。女に磨きが掛かり過ぎ。こんな可愛くなっちゃって! そっか、もう以前のような高飛車皇女ではないのね」
「う……。わたし、そんな高圧的でしたか……」
「ごめんごめん。でも実際そんな感じだったし。だからね、今のルナが一番素敵よ。それなら確実に男を落とせるわ。間違いない! このあたしが保証してあげる。その……カイト? だっけ、そいつもイチコロよ」
「ほ、本当ですか?」
「本当よ。だから、自信を持って」
わたしの前に立ち、ソレイユは手を優しく握ってくれた。その手の温もりは陽射しのようにポカポカして――心まで温かくなった。
「行ってきます」
「絶対上手くいくから胸を張って堂々と行くのよ! いい、あたしのアドバイス通り、女の武器を使いまくって、その愛しの彼を必ず振り向かせるの。
頑張れ、応援しているからね! じゃ、しばらくお別れね。騎士の礼で祈らせてもらうわ――ご武運長久をお祈りします」
それは騎士最大の畏敬。
ソレイユがわたしの為に祈ってくれた。
ありがとう。
◆
そうして――
わたしはメイドとなり、ギルドへ向かった。
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