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第31話 天使少女・ベテルギウス
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やっと魔神の恐ろしさや卑劣さに気付いた。
自分や仲間は強いから、自身を守れるから気にならなかったけど、一般人からすれば化物だ。恐ろしい怪物だ。この世は、いつの間にか混沌の渦に飲まれつつあったのだ。
このままじゃいけない、世界を救わねば。それが俺の使命だったはず。
「ユメはもう勇者じゃない」
なにかを察したのか、フォースはキッパリと、重い口調で言った。深緑の瞳が俺を貫くかのような眼差しで見ていた。
「なにもかもひとりで背負う必要はもうない。かつて、魔王との最終決戦では、ユメはあたしたちを置いていった。世界を背負い、ひとりで戦った。もうそんな寂しいことはしないでほしい。あたしやゼファ、ネーブルを……国を頼って欲しいから、だから――」
「うん、わたしもフォースに賛成だなぁ。今はもう状況も違うし、一国を背負っているんだよ? ユメは大黒柱なんだから、倒られでもしたら終わりよ」
「今の各国は、魔王に支配されかけたあの時に痛いほどに学び、モンスターから身を守る術を身につけました。ですから、今の国々の防衛力は昔とは比べ物にならないほどに堅固です。風の帝国だってきっと無事ですよ」
フォースに続くように、ネーブルとゼファも無理をするなと引き留めてくれた。それが、彼女たちの願いなのだろう。だったら、俺はそれに答えるべきだ。
「……そうだったな。俺は元勇者だ。世界よりも仲間を取った、ただの闇使いさ」
勇者の時代は終わったんだ。
そんなものは、所詮はただの幻想に過ぎない。そう、ただの夢さ。
――――でも、それでも。
魔神に対する如何ともしがたい怒りは募りつつあった。
◆
何も言わず、どこかに行っていたシリウスが帰って来た。
ちょっと疲れた顔で。
「どこに行っていたんだよ、シリウス。ちょっと心配したぞ。ほんのちょっと」
「ちょっとかよ! まあ、すまないすまない。オレは、ちと女王様に呼ばれてしまってね。急の呼び出しだったのだよ~」
「じょ、女王様に!? まて、ここから片道数百キロはあるんだろう? 往復してきたっていうのか……すげぇアホだな」
「まあな……って、アホは余計だ! アホは! けど、凄いだろう?」
ドヤっと、シリウスは胸を張った。
どこに感動を覚えればいいんだそれは。
「走ったのか?」
「そうだ。走ったが何か?」
「……やっぱりアホだろ」
「いやぁそれほどでも! って、褒めないんかーい! ……まあ、そんなワケで、都まで歩いて行くには遠すぎるんだよなぁ~」
「おいおい、シリウス。これ以上先は、フォースのテレポートでは許可あろうと無理だぞ。都には不可侵領域が存在する。だから、ここで立往生していたしな」
「それなら大丈夫だ。最強の夢幻騎士を呼んである」
「え……最強の? まさか!」
すると、シリウスの背後にいた小さな騎士が前へ出て来た。背丈はフォースと同じくらいで、というかほぼ一緒。不思議な感じも似ている。
しかし、そのカッコウが派手というか、軽装備だ。まるで水着のような露出度の高い服に身を包んでいる。あれは何度見てもビビる。あんな年端もいかない娘があんな大胆な服装……いや、服じゃないなあれは。あと、一番のポイントは白い天使の羽だ。相変わらず美しいな。
「ベテルギウス」
彼女に見惚れていると、フォースが名前をつぶやき、反応を示した。
ほー。普段、仲間以外には関心を持たないフォースがねぇ。まあ、相手はあの幼き天使少女にして、夢幻騎士のベテルギウス。一応、仲は良かったはずだがな。
「フォース」
二人は向き合い、互いの存在を認め合った。……久しぶりの再会か。しかし、二人ともなぜか睨み合い、沈黙が続いた。どうしてそうなった。そこは感動を分かち合い、泣いて喜ぶところじゃないのか、フォースよ。
「………………」
「………………」
そうしてしばらくすると、ベテルギウスが笑った。ま、フォースの淡白さに勝てるヤツなどこの世にいないだろ。
「……ぷっ、フォース。久しぶり」
「久しぶり」
「元気そうでなによりだよ、フォース。あたしの授けた大魔法は気に入ってもらえている?」
「うん。この前、一度だけ使った」
そや、ピンクダイヤモンドドラゴン戦で使っていたな。
「そっか! 嬉しいな。あのスキルはね、フィラデルフィア様も認めて下さった誉れ高い大魔法なのよ。大切に使ってね」
「うん。大切に使っている」
二人は、急にキャッキャと盛り上がった。
俺はその間にアホのシリウスに話を振った。
「なあ、シリウス。もしかして、ベテルがテレポートしてくれるのか」
「もしかしなくてもそうだ。彼女は、フォースと同じく極魔法使いだからな。しかも天使だし、女王には認められてるし、フォースに負けず劣らず最強ってことだな」
「そいやそうだったな。てか、それなら最初からベテルを寄こせば早かったのでは……」
「それがなぁ、別の街にヤベェ魔神が出現していたのでな。ベテルは、そっちの対応に緊急で当たっていたんだよ。――で、遅れた」
「そういうことか。……む、ヤベェ魔人?」
「ああ。この街にも厄介な魔神が複数ウロチョロしていただろう。だから、夢幻騎士は女王の命により、魔神討伐の特別任務を負っているんだよ。
それと、ヤベェ魔神に関してはまた今度詳しく話す」
フィ……いや、フィラデルフィア女王はそこまで動いていたのか。
さすがだ。
「みなさん、申し訳ありません。お待たせしました。今から光の天国へ導きますね」
フォースと話を終えたようで、ベテルギウスは礼儀正しく頭を下げた。
「よし、ベテル! 都までお願いできるか」
「もちろんです、ユメさん。都ではフィラデルフィア様が首を長くしてお待ちしております。では、皆さん、あたしの体のどこでもいいので手を――」
「じゃ、俺は……胸を!」
「ユメ、ベテルの肩以外に触れたらスーパーノヴァで吹き飛ばす」
フォースからヤベェ警告を受けたので、俺は自重した。
……さ、出発だ!!
自分や仲間は強いから、自身を守れるから気にならなかったけど、一般人からすれば化物だ。恐ろしい怪物だ。この世は、いつの間にか混沌の渦に飲まれつつあったのだ。
このままじゃいけない、世界を救わねば。それが俺の使命だったはず。
「ユメはもう勇者じゃない」
なにかを察したのか、フォースはキッパリと、重い口調で言った。深緑の瞳が俺を貫くかのような眼差しで見ていた。
「なにもかもひとりで背負う必要はもうない。かつて、魔王との最終決戦では、ユメはあたしたちを置いていった。世界を背負い、ひとりで戦った。もうそんな寂しいことはしないでほしい。あたしやゼファ、ネーブルを……国を頼って欲しいから、だから――」
「うん、わたしもフォースに賛成だなぁ。今はもう状況も違うし、一国を背負っているんだよ? ユメは大黒柱なんだから、倒られでもしたら終わりよ」
「今の各国は、魔王に支配されかけたあの時に痛いほどに学び、モンスターから身を守る術を身につけました。ですから、今の国々の防衛力は昔とは比べ物にならないほどに堅固です。風の帝国だってきっと無事ですよ」
フォースに続くように、ネーブルとゼファも無理をするなと引き留めてくれた。それが、彼女たちの願いなのだろう。だったら、俺はそれに答えるべきだ。
「……そうだったな。俺は元勇者だ。世界よりも仲間を取った、ただの闇使いさ」
勇者の時代は終わったんだ。
そんなものは、所詮はただの幻想に過ぎない。そう、ただの夢さ。
――――でも、それでも。
魔神に対する如何ともしがたい怒りは募りつつあった。
◆
何も言わず、どこかに行っていたシリウスが帰って来た。
ちょっと疲れた顔で。
「どこに行っていたんだよ、シリウス。ちょっと心配したぞ。ほんのちょっと」
「ちょっとかよ! まあ、すまないすまない。オレは、ちと女王様に呼ばれてしまってね。急の呼び出しだったのだよ~」
「じょ、女王様に!? まて、ここから片道数百キロはあるんだろう? 往復してきたっていうのか……すげぇアホだな」
「まあな……って、アホは余計だ! アホは! けど、凄いだろう?」
ドヤっと、シリウスは胸を張った。
どこに感動を覚えればいいんだそれは。
「走ったのか?」
「そうだ。走ったが何か?」
「……やっぱりアホだろ」
「いやぁそれほどでも! って、褒めないんかーい! ……まあ、そんなワケで、都まで歩いて行くには遠すぎるんだよなぁ~」
「おいおい、シリウス。これ以上先は、フォースのテレポートでは許可あろうと無理だぞ。都には不可侵領域が存在する。だから、ここで立往生していたしな」
「それなら大丈夫だ。最強の夢幻騎士を呼んである」
「え……最強の? まさか!」
すると、シリウスの背後にいた小さな騎士が前へ出て来た。背丈はフォースと同じくらいで、というかほぼ一緒。不思議な感じも似ている。
しかし、そのカッコウが派手というか、軽装備だ。まるで水着のような露出度の高い服に身を包んでいる。あれは何度見てもビビる。あんな年端もいかない娘があんな大胆な服装……いや、服じゃないなあれは。あと、一番のポイントは白い天使の羽だ。相変わらず美しいな。
「ベテルギウス」
彼女に見惚れていると、フォースが名前をつぶやき、反応を示した。
ほー。普段、仲間以外には関心を持たないフォースがねぇ。まあ、相手はあの幼き天使少女にして、夢幻騎士のベテルギウス。一応、仲は良かったはずだがな。
「フォース」
二人は向き合い、互いの存在を認め合った。……久しぶりの再会か。しかし、二人ともなぜか睨み合い、沈黙が続いた。どうしてそうなった。そこは感動を分かち合い、泣いて喜ぶところじゃないのか、フォースよ。
「………………」
「………………」
そうしてしばらくすると、ベテルギウスが笑った。ま、フォースの淡白さに勝てるヤツなどこの世にいないだろ。
「……ぷっ、フォース。久しぶり」
「久しぶり」
「元気そうでなによりだよ、フォース。あたしの授けた大魔法は気に入ってもらえている?」
「うん。この前、一度だけ使った」
そや、ピンクダイヤモンドドラゴン戦で使っていたな。
「そっか! 嬉しいな。あのスキルはね、フィラデルフィア様も認めて下さった誉れ高い大魔法なのよ。大切に使ってね」
「うん。大切に使っている」
二人は、急にキャッキャと盛り上がった。
俺はその間にアホのシリウスに話を振った。
「なあ、シリウス。もしかして、ベテルがテレポートしてくれるのか」
「もしかしなくてもそうだ。彼女は、フォースと同じく極魔法使いだからな。しかも天使だし、女王には認められてるし、フォースに負けず劣らず最強ってことだな」
「そいやそうだったな。てか、それなら最初からベテルを寄こせば早かったのでは……」
「それがなぁ、別の街にヤベェ魔神が出現していたのでな。ベテルは、そっちの対応に緊急で当たっていたんだよ。――で、遅れた」
「そういうことか。……む、ヤベェ魔人?」
「ああ。この街にも厄介な魔神が複数ウロチョロしていただろう。だから、夢幻騎士は女王の命により、魔神討伐の特別任務を負っているんだよ。
それと、ヤベェ魔神に関してはまた今度詳しく話す」
フィ……いや、フィラデルフィア女王はそこまで動いていたのか。
さすがだ。
「みなさん、申し訳ありません。お待たせしました。今から光の天国へ導きますね」
フォースと話を終えたようで、ベテルギウスは礼儀正しく頭を下げた。
「よし、ベテル! 都までお願いできるか」
「もちろんです、ユメさん。都ではフィラデルフィア様が首を長くしてお待ちしております。では、皆さん、あたしの体のどこでもいいので手を――」
「じゃ、俺は……胸を!」
「ユメ、ベテルの肩以外に触れたらスーパーノヴァで吹き飛ばす」
フォースからヤベェ警告を受けたので、俺は自重した。
……さ、出発だ!!
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