2 / 177
第2話 帝国脱出
しおりを挟む
家に帰った俺は、みんなに事情を説明した。
「――――そんなワケで国を出ていくぞ」
みんな深刻な顔をしていた。
そうだよな、ショックだよなー…。
「行こう。別にこの場所に未練はない」
フォースは、いつもの無感情のままに言った。
「そうですよ。わたくしたちは、四人がいれば十分です」
天使の微笑みのゼファ。
「いっそ、わたしたちだけの王国でも作ればいいよ~」
大胆な提案をしてくれるネーブル。
うむ。そうだな、別にこの邸宅にこだわる必要はどこにもない。風の帝国だって、たまたま住み心地がよくて、たまたま住み着いていただけだし。だから、一生住むのかなって思っていたけど、あの帝王の対応ではな。
――よし、出ていこうと決心したその時だった。
「……ん、なんか焦げ臭くない?」
ネーブルが鼻をクンクンさせ、違和感を感じ取っていた。俺もやがてその異常事態を察知した。これは……。
「な!? ……うっ、確かに! まさか――!!」
焦っていると、フォースが目蓋を閉じていて、集中しつつも手を周囲に翳す。
すると、状況を教えてくれた。
「風の騎士団が火を放った。うちを燃やし尽くすみたい。最終処分と言っている」
「なんだと!? くそ! くそ!! そこまでするか!!! 俺たちを殺す気かよ、許せねえ……世界を救ってやったっていうのに!!」
まったく、猶予もクソもねーじゃねーか!!
次第に、火の手がこちらへ向かって来ていた。
「帝王には失望した! もういい! こんな国にはいたくない!! みんな、出ていくぞ!!」
もう我慢の限界だった。
――――が、火の勢いはさらに強くなって、襲い掛かってきた。
「ぐっ……まずいな。これじゃ、出られないじゃないか」
やってくれるぜ。
出入口は塞いだってことか――どうやら、向こうは本気らしい。
どうするべきか悩んでいると、フォースは手を伸ばしてきた。
「ユメ、ゼファ、ネーブル、あたしの肩に手を。テレポートする」
「お願いしますね、フォースちゃん」
「こっちには、偉大な魔法使いがいるからね」
ゼファ、ネーブルはフォースの肩に手を置いた。
俺はというと、腰に手を据えた。
「…………ユメ」
嫌がる様子もなく、潤んだ瞳で俺を見る今のフォースには感情があった。ぎこちなく、恥ずかしそうだ。そんな反応を示してくれるのは俺か、ゼファかネーブルだけ。他人には絶対に見せない顔だ。
「ダメだったか。ていうか、肩に手を置けないし」
「うん。お尻以外ならどこでもいいよ」
以前、お尻を触ったら、すげぇキレられた。
どうやら、お尻はフォースの逆鱗らしい。
「じゃ、国外へ出る」
詠唱もなく、あっさりと俺たちはテレポートを開始した。
◆
荒野フィールドを仲間と共に歩く。
もちろん、あてもなくだ。
「国を作るのはいいけど、どこに作るべきかね。空いている土地なんぞあるものかね~」
「まあ、この辺りの大陸は『火の大国』、『水の聖国』、『風の帝国』、『地の神国』の四大国が統治しているからね~。あんまり土地も余っていなかな」
残念そうに笑うネーブル。
大陸は広大ではあるが、彼女の言う通り、四属性の強国がそれぞれの領土を治めている。だから、ネーブルが残念がるのも分かる。しかも、魔王が暴れまわる前は、領有権を巡って争っていたこともあるほど。
今は魔王のこともあり、その前兆はないが――。
「ユメ、水の聖国へ行く。地図を買って、島を探そう」
いきなり、フォースがそう提案をした。
その妙案にゼファは手をポンと叩き、鳴らす。
「いいですね、それ。サンクならば、わたくしの故郷でもありますし、しばらくは皆さんを泊めることも可能かと」
「おお、ゼファの家か。そいや、サンクだったな。よし、じゃ、サンクへ向かうか。歩いて、二日ってところだろう。それまでは普通の旅だな」
「「「おおお~~~!!!」」」
◆
普通の旅といかないのが俺たちである。
まず、なぜか人を襲うことで有名なアクティブモンスター『ラストオーク』が数百体現れて、群れで向かってきた。
「うわ……! すげぇオークの数。どうしてこんな……」
「ユメ様。あのオークは女性を襲い、酷い目に合わせているみたいです。許せません!」
珍しくメラメラ燃える聖女のゼファ。
なるほど、聖なる者として許せないわけだ。
俺も元勇者として、その気持ちは一緒だ。
「じゃ、倒すか――ダークエネルギー解放」
「まって」
「なっ、フォース。俺の肩に乗るなよ~…良いところだったのに」
「オークたちは、ネーブルに狙いを定めた」
「え、わたし!? そんなぁ!?」
まー…あんなギリギリビキニアーマーみたいな肌の露出が多いカッコしてるし、真っ先に狙われるよな。欲望むき出しのオークたちは、ネーブルに向かっていく。
「じゃ、倒すしかないよね」
ニカっと白い歯を見せながら元気よく笑い、ネーブルは全身をビリビリさせた。お得意の最強スキル『ライジン』である。
『ムジョルニア――――――!!!!!』
それは紛れもない青天の霹靂だった。
圧倒的な神の雷は、ラストオークを次々に駆逐していった。なんて爆速、なんて高火力。いつ何度見てもスゲェよ。
稲妻の渦は更に激しさを増し、地面を抉り、モンスターを塵に変えていった。敵はなんの抵抗もできず全滅した。
「あーあ。もう終わったよ。お疲れ、ネーブル」
「ありがと、ユメ。はいたっち~!」
なんかハイタッチを求められたので、応じた。
まったく、あんな太陽のような笑顔をされては、俺の出番を奪ったことを責められないじゃないか。許そう、可愛いから!
「そして、フォース。俺の顔をペタペタ触るんじゃない。嬉しいけど」
「ユメ~♡」
だめだ。甘えん坊だからな、止めようがない。
さてはて、このオークを向かわせてきたヤツが付近にいるらしい。それは、フォースも感じ取っていた。引きずり出しますかぁ~。
でも、その前に、ドロップアイテムはきちんと収集しておかないとね。
「――――そんなワケで国を出ていくぞ」
みんな深刻な顔をしていた。
そうだよな、ショックだよなー…。
「行こう。別にこの場所に未練はない」
フォースは、いつもの無感情のままに言った。
「そうですよ。わたくしたちは、四人がいれば十分です」
天使の微笑みのゼファ。
「いっそ、わたしたちだけの王国でも作ればいいよ~」
大胆な提案をしてくれるネーブル。
うむ。そうだな、別にこの邸宅にこだわる必要はどこにもない。風の帝国だって、たまたま住み心地がよくて、たまたま住み着いていただけだし。だから、一生住むのかなって思っていたけど、あの帝王の対応ではな。
――よし、出ていこうと決心したその時だった。
「……ん、なんか焦げ臭くない?」
ネーブルが鼻をクンクンさせ、違和感を感じ取っていた。俺もやがてその異常事態を察知した。これは……。
「な!? ……うっ、確かに! まさか――!!」
焦っていると、フォースが目蓋を閉じていて、集中しつつも手を周囲に翳す。
すると、状況を教えてくれた。
「風の騎士団が火を放った。うちを燃やし尽くすみたい。最終処分と言っている」
「なんだと!? くそ! くそ!! そこまでするか!!! 俺たちを殺す気かよ、許せねえ……世界を救ってやったっていうのに!!」
まったく、猶予もクソもねーじゃねーか!!
次第に、火の手がこちらへ向かって来ていた。
「帝王には失望した! もういい! こんな国にはいたくない!! みんな、出ていくぞ!!」
もう我慢の限界だった。
――――が、火の勢いはさらに強くなって、襲い掛かってきた。
「ぐっ……まずいな。これじゃ、出られないじゃないか」
やってくれるぜ。
出入口は塞いだってことか――どうやら、向こうは本気らしい。
どうするべきか悩んでいると、フォースは手を伸ばしてきた。
「ユメ、ゼファ、ネーブル、あたしの肩に手を。テレポートする」
「お願いしますね、フォースちゃん」
「こっちには、偉大な魔法使いがいるからね」
ゼファ、ネーブルはフォースの肩に手を置いた。
俺はというと、腰に手を据えた。
「…………ユメ」
嫌がる様子もなく、潤んだ瞳で俺を見る今のフォースには感情があった。ぎこちなく、恥ずかしそうだ。そんな反応を示してくれるのは俺か、ゼファかネーブルだけ。他人には絶対に見せない顔だ。
「ダメだったか。ていうか、肩に手を置けないし」
「うん。お尻以外ならどこでもいいよ」
以前、お尻を触ったら、すげぇキレられた。
どうやら、お尻はフォースの逆鱗らしい。
「じゃ、国外へ出る」
詠唱もなく、あっさりと俺たちはテレポートを開始した。
◆
荒野フィールドを仲間と共に歩く。
もちろん、あてもなくだ。
「国を作るのはいいけど、どこに作るべきかね。空いている土地なんぞあるものかね~」
「まあ、この辺りの大陸は『火の大国』、『水の聖国』、『風の帝国』、『地の神国』の四大国が統治しているからね~。あんまり土地も余っていなかな」
残念そうに笑うネーブル。
大陸は広大ではあるが、彼女の言う通り、四属性の強国がそれぞれの領土を治めている。だから、ネーブルが残念がるのも分かる。しかも、魔王が暴れまわる前は、領有権を巡って争っていたこともあるほど。
今は魔王のこともあり、その前兆はないが――。
「ユメ、水の聖国へ行く。地図を買って、島を探そう」
いきなり、フォースがそう提案をした。
その妙案にゼファは手をポンと叩き、鳴らす。
「いいですね、それ。サンクならば、わたくしの故郷でもありますし、しばらくは皆さんを泊めることも可能かと」
「おお、ゼファの家か。そいや、サンクだったな。よし、じゃ、サンクへ向かうか。歩いて、二日ってところだろう。それまでは普通の旅だな」
「「「おおお~~~!!!」」」
◆
普通の旅といかないのが俺たちである。
まず、なぜか人を襲うことで有名なアクティブモンスター『ラストオーク』が数百体現れて、群れで向かってきた。
「うわ……! すげぇオークの数。どうしてこんな……」
「ユメ様。あのオークは女性を襲い、酷い目に合わせているみたいです。許せません!」
珍しくメラメラ燃える聖女のゼファ。
なるほど、聖なる者として許せないわけだ。
俺も元勇者として、その気持ちは一緒だ。
「じゃ、倒すか――ダークエネルギー解放」
「まって」
「なっ、フォース。俺の肩に乗るなよ~…良いところだったのに」
「オークたちは、ネーブルに狙いを定めた」
「え、わたし!? そんなぁ!?」
まー…あんなギリギリビキニアーマーみたいな肌の露出が多いカッコしてるし、真っ先に狙われるよな。欲望むき出しのオークたちは、ネーブルに向かっていく。
「じゃ、倒すしかないよね」
ニカっと白い歯を見せながら元気よく笑い、ネーブルは全身をビリビリさせた。お得意の最強スキル『ライジン』である。
『ムジョルニア――――――!!!!!』
それは紛れもない青天の霹靂だった。
圧倒的な神の雷は、ラストオークを次々に駆逐していった。なんて爆速、なんて高火力。いつ何度見てもスゲェよ。
稲妻の渦は更に激しさを増し、地面を抉り、モンスターを塵に変えていった。敵はなんの抵抗もできず全滅した。
「あーあ。もう終わったよ。お疲れ、ネーブル」
「ありがと、ユメ。はいたっち~!」
なんかハイタッチを求められたので、応じた。
まったく、あんな太陽のような笑顔をされては、俺の出番を奪ったことを責められないじゃないか。許そう、可愛いから!
「そして、フォース。俺の顔をペタペタ触るんじゃない。嬉しいけど」
「ユメ~♡」
だめだ。甘えん坊だからな、止めようがない。
さてはて、このオークを向かわせてきたヤツが付近にいるらしい。それは、フォースも感じ取っていた。引きずり出しますかぁ~。
でも、その前に、ドロップアイテムはきちんと収集しておかないとね。
10
お気に入りに追加
321
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
ハズレ職業のテイマーは【強奪】スキルで無双する〜最弱の職業とバカにされたテイマーは魔物のスキルを自分のものにできる最強の職業でした〜
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティー【黄金の獅子王】に所属するテイマーのカイトは役立たずを理由にパーティーから追放される。
途方に暮れるカイトであったが、伝説の神獣であるフェンリルと遭遇したことで、テイムした魔物の能力を自分のものに出来る力に目覚める。
さらにカイトは100年に一度しか産まれないゴッドテイマーであることが判明し、フェンリルを始めとする神獣を従える存在となる。
魔物のスキルを吸収しまくってカイトはやがて最強のテイマーとして世界中に名を轟かせていくことになる。
一方、カイトを追放した【黄金の獅子王】はカイトを失ったことで没落の道を歩み、パーティーを解散することになった。
けだものだもの~虎になった男の異世界酔夢譚~
ちょろぎ
ファンタジー
神の悪戯か悪魔の慈悲か――
アラフォー×1社畜のサラリーマン、何故か虎男として異世界に転移?する。
何の説明も助けもないまま、手探りで人里へ向かえば、言葉は通じず石を投げられ騎兵にまで追われる有様。
試行錯誤と幾ばくかの幸運の末になんとか人里に迎えられた虎男が、無駄に高い身体能力と、現代日本の無駄知識で、他人を巻き込んだり巻き込まれたりしながら、地盤を作って異世界で生きていく、日常描写多めのそんな物語。
第13章が終了しました。
申し訳ありませんが、第14話を区切りに長期(予定数か月)の休載に入ります。
再開の暁にはまたよろしくお願いいたします。
この作品は小説家になろうさんでも掲載しています。
同名のコミック、HP、曲がありますが、それらとは一切関係はありません。
金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります
桜井正宗
ファンタジー
無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。
突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。
銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。
聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。
大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
最弱テイマーの成り上がり~役立たずテイマーは実は神獣を従える【神獣使い】でした。今更戻ってこいと言われてももう遅い~
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティーに所属するテイマーのカイトは使えない役立たずだからと追放される。
さらにパーティーの汚点として高難易度ダンジョンに転移され、魔物にカイトを始末させようとする。
魔物に襲われ絶体絶命のピンチをむかえたカイトは、秘められた【神獣使い】の力を覚醒させる。
神に匹敵する力を持つ神獣と契約することでスキルをゲット。さらにフェンリルと契約し、最強となる。
その一方で、パーティーメンバーたちは、カイトを追放したことで没落の道を歩むことになるのであった。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる