隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗

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[4] 経験値とドロップ率を追加!! どんどん強くなれ!!

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 帝国・ヘルクレスの北口付近に俺の家はあった。


「へぇ、スローンさんの家ってこの借家なんですね」
「ああ、築二十年のボロ家だが、今は愛着さえあるよ。さあ、上がるといい」

「お、お邪魔します――って!! なんでいきなり押し倒すんですか!? ま、まさか……可愛いわたしを家に連れこんで、あぁ~~んな事やこぉ~~んな事してヒドイことするんじゃ!!」


「いや、その廊下な、穴が空いていて危険なんだよ。落ちたら助からん」
「へ……ええっ!? 穴って……なんて家に穴なんか!」
「これには深い理由があってな。ちなみに、ただの穴ではないぞ。落ちたらマジで助からん」

「だからどうして!」

「あーあれだ。俺って一応、錬金術師アルケミストだろ。だから、実験で失敗しちゃってね。そのせいか、その廊下に異次元な穴ができちまったんだよ。そこへ落ちた者は二度と助からん」


 ……し~んと何故か空気が死んだ。


「……スローンさんってアホなんですね」
「うっせい! それより、さっさと上がれってーの」



 ~俺の部屋~


 フィラを部屋に招待し、座らせた。
 今にも崩れ去りそうなボロボロのテーブルにお茶を出す。

「はい、茶」
「……茶? なんです、この紫の物体」
「だから茶だよ」
「毒々しいんですが?」

「なぁに返って免疫力が――」
「死にますよッ!!」


 フィラが怒ってテーブルを叩く。
 その衝撃でテーブルが崩壊。粉々に砕け散った。あ~あ、お気に入りのテーブルだったのになあ。


「おい、弁償しろよな」
「……テーブル、ボロすぎですよ。廃棄レベルじゃないですか。ていうか、全体的に老朽化が激しすぎます。これは酷い」


 テーブルがなくなり、残ったのはボロボロの床だけ。窓ガラスは全部ないし、布団とか毛布もない。そんなものを買う金もないわけでして。


「そういうわけだ。唯一のテーブル(親友)も失った。お前のせいだぞ」
「なんでそーなるんですか。もう、こんな家は、到底家とは呼べません。まだ宿屋の方がマシです」

「泊まる金なんてないぞ。そうだ、フィラを雑用係なかまに迎えたんだ、さっそく金でも稼いでもらうか! 体で!」
「わたしを助けた意味!! ……冗談ですよね?」

「冗談だよ。テーブルを壊された嫌味のひとつくらい言わせてくれ」

「……ご、ごめんなさい」


 しょんぼりするフィラ。
 まあいい、俺はステータスカスタムをしに帰ってきたんだ。さっそくステータスをいじるぞ。



【カスタム専用項目】


[クリティカル][回避率][完全回避][詠唱速度][固定詠唱速度][ディレイ][クールタイム][命中率][必中率][特殊幸運値][状態異常耐性][物理耐性][魔法耐性][属性耐性][種族耐性][サイズ耐性][即死耐性][自然HP回復速度][自然MP回復速度][経験値倍率][ドロップ倍率][ギルド経験値倍率][テイムモンスター信頼度][製造系スキル成功率].....



 多すぎて表示されていない『項目』もある。追々見ていくとして、今はこれだけあれば十分だろ。まずはある程度を強化していき、カスタムを加えていく。それでいい。

 数値は『三分間』しか持たない制約がある。この効果持続時間を伸ばすには、スキルレベルを上げるしか方法がないようだ。その為にもカスタムし、強くなって高難度ダンジョンをクリアしていくしかない。


「フィラ、悪いが俺は少し集中する。邪魔すんなよ」
「なにをするんです?」
「言ったろう。ステータスカスタムがあるって。それをやる」

「あー、例の」


 ――まずは『経験値倍率』と『ドロップ倍率』を追加しておくか。これは基本中の基本だろう。これを上げないと始まらない。三分間とはいえ数値を『99』にできれば、99%ドロップとなるので、ほぼレアアイテムを入手できるようになるのだ。


 俺はさっそく、その二項目を『メインステータス』にカスタム。これで、任意で発動すれば三分間だけは倍率『99』となる。


 次なるカスタムもしようとすると、つまらなさそうにしているフィラがスカートを少しずつ上げていた。俺はそっちに目がいってしまい――…。


「って、なにを誘惑してんだよ、お前は!?」
「だって、待っている間が暇なんですもん」
「だからってな……」


 おぉ、そうだ。
 フィラのステータスもカスタムしてみるか!
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