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第61話 レアアイテム大量獲得
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ダンジョンを撤退、アイテムの精算をした。
「すげぇ量だな。今までの三倍か……」
「そうですね、これでもまだアイテムボックスに余裕がありましたし、拡張って凄いんですね。所持限界量が明らかに違います」
スキルを所持しているマルガ自身も驚いていた。そんな彼女は、アイテムボックスから複数のアイテムを次々と取り出し、庭に積んでいた。
剣、盾、鎧、兜、靴、外套、アクセサリーなどなど、未鑑定アイテムで溢れかえった。まずいな、これ以上は置き場所がない。
「マルガ、ストップ! あのボルケーノゴーレムだけで、この量かよ……すげぇ拾っていたんだな」
止めたけど、それでもまだアイテムが残っているらしい。どんだけ拾ったんだ。
「ここまでにしておきますね。では、後はフルク様に鑑定をお任せします」
「お任せください。この鑑定アイテムでぱぱっとやっておきますから」
黒縁の眼鏡を掛けるフルクさん。
そう、あれこそが鑑定アイテム。時間制限タイプの消耗品であり、10分間鑑定し放題となる。
「いいね、フルク。似合ってる」
「そ、そうです? じゃあ、このままでいようかな」
「いや、やっぱり素顔がいいや」
「ど……どういう意味です!?」
ぷんぷんとフルクは怒るが、どのみちそのメガネは、10分もすれば消失するんだがね。
――さて、問題はこの後である。
アイテムの売却をモードゥスさんにお願いしに行かなければな。今回はこっちへ来て貰おう。フルクが鑑定しまくっている間に、俺は『アベオの葉』を使い、カエレスエィス帝国へ。
◆
――ラナンクルス――
久しぶりにモードゥスさんのお店の前。扉をノックし、反応を待つ。少し経つと扉が静かに開いた。
「……だ、誰だ?」
「俺ですよ、アウルムです。モードゥスさん? どうか、したんです?」
「……!! ア、アウルムくん……! あぁぁ……ついにこの時が来てしまったか!! すまない、本当にすまない!! どうかこの愚かな私を許してくれ!!」
いきなり俺の目の前で土下座するモードゥスさんは、明らかに様子がおかしかった。なぜ、急こんな謝罪を?
「ま、まずは事情を話してください。それじゃあ、何も分かりませんよ。なにがあったんです」
「……じ、実は……サフィラス伯爵に脅されていたんだよ。それで……君から預かったアイテムの売り上げをほとんど全て伯爵に流してしまった……! すまない、娘が人質にされていたんだ……仕方がなかった……許してくれッ!!」
大泣きして縋り付いてくる。
……そうか、サフィラス伯爵に脅されて。事情が事情だ。それじゃあ仕方ない。
「分かりました。で、娘さんは助かったんですか」
「あ、ああ……アウルムくんが伯爵を倒したという噂は、帝国中にも駆け巡っていてね。その風の噂を耳にした。それからだよ……なんだか桃色髪のグラマーな女性が娘を連れて来てくれていてね。いやぁ、素晴らしいダイナマイトボディだった……いや、なんでもない! そう、娘がね、助かったんだよ」
一瞬。モードゥスさんの鼻の下が伸びていたような気がするが、それは置いておき……。桃色の、グラマーな、女性……さてはて、どこかで見たような。
ていうか……
思い当たる人物が一人しかいない。
魔王の秘書だ。
まさか動いてくれていたとはな。
本当に仲間になるつもりなのか?
「なんとなく理解しました。とにかく、アイテム取引の継続をお願いしたいです」
「……アウルムくん、私は君を裏切ってしまったんだぞ……信頼はゼロのはずだ。こんな裏切者をまだ信用してくれるというのかね……」
「裏切者なんかじゃありませんよ。モードゥスさんは最高の商人だ。それは、俺がよく知ってます」
そう本心を告げるとモードゥスさんは大泣きして、また縋り付いて来た。……それはちょっと止めて欲しいが……。
「ヌォォ……!! アウルムくん! 君はなんて良い人だ。私は勇者様に一生ついて行くよ! 国にも是非、招待して欲しい!」
「ええ、いいですよ。じゃあ、また大量のアイテムを持ってくるので、お願いしますよ~」
「ああ、任せてくれ! 君の為ならなんでもしよう!」
がっちり握手を交わし、俺は帰還した。
「すげぇ量だな。今までの三倍か……」
「そうですね、これでもまだアイテムボックスに余裕がありましたし、拡張って凄いんですね。所持限界量が明らかに違います」
スキルを所持しているマルガ自身も驚いていた。そんな彼女は、アイテムボックスから複数のアイテムを次々と取り出し、庭に積んでいた。
剣、盾、鎧、兜、靴、外套、アクセサリーなどなど、未鑑定アイテムで溢れかえった。まずいな、これ以上は置き場所がない。
「マルガ、ストップ! あのボルケーノゴーレムだけで、この量かよ……すげぇ拾っていたんだな」
止めたけど、それでもまだアイテムが残っているらしい。どんだけ拾ったんだ。
「ここまでにしておきますね。では、後はフルク様に鑑定をお任せします」
「お任せください。この鑑定アイテムでぱぱっとやっておきますから」
黒縁の眼鏡を掛けるフルクさん。
そう、あれこそが鑑定アイテム。時間制限タイプの消耗品であり、10分間鑑定し放題となる。
「いいね、フルク。似合ってる」
「そ、そうです? じゃあ、このままでいようかな」
「いや、やっぱり素顔がいいや」
「ど……どういう意味です!?」
ぷんぷんとフルクは怒るが、どのみちそのメガネは、10分もすれば消失するんだがね。
――さて、問題はこの後である。
アイテムの売却をモードゥスさんにお願いしに行かなければな。今回はこっちへ来て貰おう。フルクが鑑定しまくっている間に、俺は『アベオの葉』を使い、カエレスエィス帝国へ。
◆
――ラナンクルス――
久しぶりにモードゥスさんのお店の前。扉をノックし、反応を待つ。少し経つと扉が静かに開いた。
「……だ、誰だ?」
「俺ですよ、アウルムです。モードゥスさん? どうか、したんです?」
「……!! ア、アウルムくん……! あぁぁ……ついにこの時が来てしまったか!! すまない、本当にすまない!! どうかこの愚かな私を許してくれ!!」
いきなり俺の目の前で土下座するモードゥスさんは、明らかに様子がおかしかった。なぜ、急こんな謝罪を?
「ま、まずは事情を話してください。それじゃあ、何も分かりませんよ。なにがあったんです」
「……じ、実は……サフィラス伯爵に脅されていたんだよ。それで……君から預かったアイテムの売り上げをほとんど全て伯爵に流してしまった……! すまない、娘が人質にされていたんだ……仕方がなかった……許してくれッ!!」
大泣きして縋り付いてくる。
……そうか、サフィラス伯爵に脅されて。事情が事情だ。それじゃあ仕方ない。
「分かりました。で、娘さんは助かったんですか」
「あ、ああ……アウルムくんが伯爵を倒したという噂は、帝国中にも駆け巡っていてね。その風の噂を耳にした。それからだよ……なんだか桃色髪のグラマーな女性が娘を連れて来てくれていてね。いやぁ、素晴らしいダイナマイトボディだった……いや、なんでもない! そう、娘がね、助かったんだよ」
一瞬。モードゥスさんの鼻の下が伸びていたような気がするが、それは置いておき……。桃色の、グラマーな、女性……さてはて、どこかで見たような。
ていうか……
思い当たる人物が一人しかいない。
魔王の秘書だ。
まさか動いてくれていたとはな。
本当に仲間になるつもりなのか?
「なんとなく理解しました。とにかく、アイテム取引の継続をお願いしたいです」
「……アウルムくん、私は君を裏切ってしまったんだぞ……信頼はゼロのはずだ。こんな裏切者をまだ信用してくれるというのかね……」
「裏切者なんかじゃありませんよ。モードゥスさんは最高の商人だ。それは、俺がよく知ってます」
そう本心を告げるとモードゥスさんは大泣きして、また縋り付いて来た。……それはちょっと止めて欲しいが……。
「ヌォォ……!! アウルムくん! 君はなんて良い人だ。私は勇者様に一生ついて行くよ! 国にも是非、招待して欲しい!」
「ええ、いいですよ。じゃあ、また大量のアイテムを持ってくるので、お願いしますよ~」
「ああ、任せてくれ! 君の為ならなんでもしよう!」
がっちり握手を交わし、俺は帰還した。
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