チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗

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第52話 炸裂する聖槍(レベル投げ)

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「ネムスの森、目前か」


 入る視界全てにオークとゴブリンが襲来していた。これだけで、1000はいる。こんな数を相手にした前例はない。これが初めての経験だ。


「な、なんて数なんでしょう……」


 あまりの数にフルクはひるむ。
 よろめいて腰を抜かしそうだったので、俺は手を繋いで支えた。


「恐怖に負けるな。気を確かに持つんだ」
「さすがアウルムさんですね……。わたしは怖くて」

「大丈夫。俺が守ってやる」



 ――レベル投げ:聖槍生成でな。



 群れとの距離はもうあまりない。
 ここで数を少しでも減らしておく。



 フルクから手を離し、俺は助走をつける。そこから思いっきり生成した槍を投げ飛ばす。



『聖槍・プリムスウィクトール――――――!!』



 直進していく銀の閃光。
 地面に着弾するや『レベル投げ』と同等の炸裂弾を連鎖させ、周囲モンスターを巻き込みまくった。



『『『『『ギャアアアアァァァ…………』』』』』



 ちりとなっていくモンスター。
 それでも次から次へとやってくる。


「なんとか一撃で50は減らしたが、多すぎるな」

「支援しますっ」


 恐怖を克服こくふくしたのだろうか、フルクが気合を入れ直していた。いい顔になっている。直ぐに複数の支援スキルを受けて、俺はパワーアップする。


「助かるよ。でも、撃ちながら後退していく……そろそろ危険だ」

「分かりました。わたしも攻撃魔法を使っていきます」


 どうやら、攻撃系の聖属性魔法があるらしい。
 そりゃ助かる。



 撤退を開始。



 俺はひたすら『聖槍・プリムスウィクトール』を打ち続けた。さすがAPが増大しただけあるな。かなり撃てるようになっていた。けれど、限界はある。


 俺の槍で1000~2000体は処理できた。


 それでも後、28000ってところだろうか。
 多すぎるぜ。



「よし、フルク。もうすぐカリブルヌス村だ。俺が引き付けるから、先に行ってくれ!」
「嫌です。わたしはアウルムさんのそばを離れません!」


「そうか……って、えぇッ!? ……マジか。仕方ないな。フルクの珍しい我儘《わがまま》だ。聞いてあげないとな」

「嬉しいです……! そういう所が好きですよ、アウルムさん」


 ……ま、参ったな。
 俺とした事が、顔を真っ赤にしちまった。

 でも、俺も嬉しいな。



 照れつつも、村へ引き返した。



「みんなは……無事だな。おーい!!」


「主様! ケガはないようですね。良かった……」


 村の男たちに訓練や作戦指示をしていたらしい、マルガが駆け寄ってきた。


「ああ、こっちは何ともない。魔王軍のモンスターを削るだけ削ったが、まだ来る。村の男達の出番だ」

「ええ、村の男性は元帝国兵もいますから、十分な戦力となりましょう。もちろん、中には戦闘経験のない方もいますが、先程僅かな時間で戦闘訓練を行いましたので、あとは装備に頼るしかないでしょう」


 そうだな。たった数十分だけど、それでも命を守る為だ。


「みんな、聞いてくれ。もう間も無く数万規模でモンスターがやって来る!! 怖い奴は逃げても構わない。でも、逃げてもモンスターはやってくる。もし倒さなければ、ヤツ等はEXダンジョンに到達してしまう。そうなれば、女性や子供が酷い目に遭ってしまう。だから戦うんだ……戦うしかない!」



「「「「おおおおおおおッ!!」」」」」



「逃げるまでもねぇ」「こんなスゲェ装備してんだぜ、負ける気がしない」「あぁ、この剣とか盾、やばくね」「SS級とか普通は手に入らねえよ」「防御力ぱねぇ!!」「おいおい、これは帝国騎士様しか使わないような剣だぜ」「これ、特殊スキルついてらぁ」「これなら最強だぜ!!」


 装備のおかげか士気はかなり高い。

 これならいける!!
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