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第48話 スキルオークション
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オークションに出品されるアイテムは、どこかで見覚えがあった。……このアイテム、まるでEXダンジョンの……まさか。
「あの、アウルムさん……あれって、EXダンジョンでしか入手できない、SSS級の魔剣とかですよね。あっちの杖とか見たことありますよ」
フルクも違和感を感じたのだろう、出品されるアイテムに疑念を抱いていた。というか、明らかにあれはウチのダンジョンから流れ出たモノだ。
「――つまり、モードゥスさんが共和国のこの会場に出品していると?」
今度はマルガがそう推察した。
言われてみれば、モードゥスさんの方からオークションを進めてきた。だとすれば、この会場にお願いしている可能性はある。
とはいえ、きちんと金に換えてくれているのなら問題はない。見ている限り、ちゃんと売れているようだし……驚きの金額で落札されていた。
「この分なら、今日だけでも数億セルか」
もちろん、他のダンジョンから入手されたものとかもある。そして、お目当てのスキルがついに出品された。
『え~、次は世界的に高い需要が高まっております、このスキル! なんとなんと【アイテムボックス拡張】でございまーす!』
司会の男が宝石を出す。
あれこそスキルだ。
使用すれば、スキルを覚えられる。
「「「「おおおおおッ」」」」」
会場もざわざわとなって、熱気が上がる。
拡張狙いが多いのか?
「主様、アイテムボックス拡張はなかなかお目に掛かれないんですよ。だから、みんな喉から手が出るほど欲しいんです」
「だよなぁ……」
静観していると、さっそく入札が始まった。次々に金額が入って、高騰していく。気づけばもう『1000万セル』に到達していた。早いな。
「も、もう1000万セルです」
「そうだな、フルク。でも、俺たちは2億の予算があるからな。なぁにまだ慌てる時じゃないさ」
もうちょい見守る。
「1500!」「1800!」「2000!」……「3000!」「5000!」……「1億だァ!!」……ついに1億を超えた。まだまだ上がる。まずいな。
「1.2億!」
『1.2億、1.2億セルでございます!!! さぁ、まだ入札する方はおりますか!』
あの1.2億セルで入札した男……さっき、オークを蹴り飛ばした男か。なにやら紳士服でビシッと決めている。何者だ?
とりあえず、ここから俺とあの男の勝負ってワケだ。いいぜ、競り落としてやる。
「1.3億!」
『出ました、1.3億!』
「「「「「おぉぉぉぉぉ!!!」」」」」
さすがの金額に会場もヒートアップしていく。
「なら、私は1.4億だ」
「俺は1.5億!」
「1.6億!!」
「1.7億!!」
入札バトルが白熱する。会場はその度に沸き立ち、熱気が半端なかった。もうお祭り状態だ。だけどな、俺が勝つ。
「1.8億だ!!!」
あの男、まだいけるのか。
「くっ……。なら。1.9億!!」
これでギリギリ。次に金額を提示されたら、俺は終わりだ……!
祈っていると、会場は静寂に包まれていた。
あの男、さすがにこれ以上は出せないらしい。
「……」
そして、
『1.9億セル! 1.9億セルにて落札です!!』
「すげえええええッ!」「マジかよ」「アイテムボックス拡張ってそんな価値があるのか……」「俺、スキル探してみるかな」「まぁあれは滅多に入手できんからな」「一攫千金を夢見て俺は度に出る!」「くそう、落札したかったなぁ」「冒険が楽になるからなー」
とまぁ、様々な感想が飛び交っていた。
「や、やりましたね、アウルムさん!」
「主様、おめでとうございます!」
フルクとマルガから祝福を受け、俺も喜んだ。これで【アイテムボックス拡張】をゲットだ。EXダンジョン攻略も進めやすくなった。
「あの、アウルムさん……あれって、EXダンジョンでしか入手できない、SSS級の魔剣とかですよね。あっちの杖とか見たことありますよ」
フルクも違和感を感じたのだろう、出品されるアイテムに疑念を抱いていた。というか、明らかにあれはウチのダンジョンから流れ出たモノだ。
「――つまり、モードゥスさんが共和国のこの会場に出品していると?」
今度はマルガがそう推察した。
言われてみれば、モードゥスさんの方からオークションを進めてきた。だとすれば、この会場にお願いしている可能性はある。
とはいえ、きちんと金に換えてくれているのなら問題はない。見ている限り、ちゃんと売れているようだし……驚きの金額で落札されていた。
「この分なら、今日だけでも数億セルか」
もちろん、他のダンジョンから入手されたものとかもある。そして、お目当てのスキルがついに出品された。
『え~、次は世界的に高い需要が高まっております、このスキル! なんとなんと【アイテムボックス拡張】でございまーす!』
司会の男が宝石を出す。
あれこそスキルだ。
使用すれば、スキルを覚えられる。
「「「「おおおおおッ」」」」」
会場もざわざわとなって、熱気が上がる。
拡張狙いが多いのか?
「主様、アイテムボックス拡張はなかなかお目に掛かれないんですよ。だから、みんな喉から手が出るほど欲しいんです」
「だよなぁ……」
静観していると、さっそく入札が始まった。次々に金額が入って、高騰していく。気づけばもう『1000万セル』に到達していた。早いな。
「も、もう1000万セルです」
「そうだな、フルク。でも、俺たちは2億の予算があるからな。なぁにまだ慌てる時じゃないさ」
もうちょい見守る。
「1500!」「1800!」「2000!」……「3000!」「5000!」……「1億だァ!!」……ついに1億を超えた。まだまだ上がる。まずいな。
「1.2億!」
『1.2億、1.2億セルでございます!!! さぁ、まだ入札する方はおりますか!』
あの1.2億セルで入札した男……さっき、オークを蹴り飛ばした男か。なにやら紳士服でビシッと決めている。何者だ?
とりあえず、ここから俺とあの男の勝負ってワケだ。いいぜ、競り落としてやる。
「1.3億!」
『出ました、1.3億!』
「「「「「おぉぉぉぉぉ!!!」」」」」
さすがの金額に会場もヒートアップしていく。
「なら、私は1.4億だ」
「俺は1.5億!」
「1.6億!!」
「1.7億!!」
入札バトルが白熱する。会場はその度に沸き立ち、熱気が半端なかった。もうお祭り状態だ。だけどな、俺が勝つ。
「1.8億だ!!!」
あの男、まだいけるのか。
「くっ……。なら。1.9億!!」
これでギリギリ。次に金額を提示されたら、俺は終わりだ……!
祈っていると、会場は静寂に包まれていた。
あの男、さすがにこれ以上は出せないらしい。
「……」
そして、
『1.9億セル! 1.9億セルにて落札です!!』
「すげえええええッ!」「マジかよ」「アイテムボックス拡張ってそんな価値があるのか……」「俺、スキル探してみるかな」「まぁあれは滅多に入手できんからな」「一攫千金を夢見て俺は度に出る!」「くそう、落札したかったなぁ」「冒険が楽になるからなー」
とまぁ、様々な感想が飛び交っていた。
「や、やりましたね、アウルムさん!」
「主様、おめでとうございます!」
フルクとマルガから祝福を受け、俺も喜んだ。これで【アイテムボックス拡張】をゲットだ。EXダンジョン攻略も進めやすくなった。
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