チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗

文字の大きさ
上 下
25 / 101

第25話 メディオクリタース共和国

しおりを挟む
 アベオの葉を使い『メディオクリタース共和国』へ向かった。国の前に到着し、目の前にある大橋を渡り歩いていく。


「冒険者が多いな」

「もしかして、共和国は初めてです?」


 マルガから突っ込まれ、俺は頷く。そう、俺は共和国へは初めて来た。基本的に魔王の大幹部討伐にあっちこっち回っていたからな。共和国に関しては大幹部の支配も何故か無かったしな。


「ああ、初見だよ。――にしても本当に多いな。商人とか踊り子とかエルフもいるし」

「わたしもビックリです!」


「そうか。フルクも初めてか?」

「はいっ。共和国は初めてですよ~。こんな広くて大きい国だったんですね。帝国と変わらない街並み。お城とかあって、でもデザインとか違うんですね」


 キョロキョロと見渡すフルク。
 その気持ちは分かる。初めて訪れる土地というものは、テンションが上がるものだ。俺でさえ、このドキドキ感はたまらん。


「さて、さっそくだが建築スキルの使える職人を探す。噂に聞いただけなんで、俺も詳しい事は知らないけどな」


 ――というわけで、俺は冒険の基本である聞き込みをしてみた。適当に歩いているおっさんに話を聞く。


「あぁ、その建築家なら有名だよ。モエニア将軍だろう」

「しょ、将軍?」

「ああ、共和国の将軍さ。建築も趣味でやってとるらしい。ほら、あの変な城があるだろう。あそこが将軍のお店さ」


 おっさんの指さす方向には、城があった。確かに変な城だった。……なんだろう、色もピンクとちょっとおかしい。


「ありがとう。向かってみるよ」


 ◆


 城の名は『アウラ』といった。


「ここが将軍さんのお城なんですね。なんだか可愛いです」

 城の前で立ち尽くすフルクは、目を輝かせていた。ピンクの外壁だし、女子人気は高いかもな。

 一方のマルガもちょっと見惚れていた。


「……あらまあ、変わっていますね」



 さっそく三人で城の中へ。
 城内は本当に城となっていて、豪華な玄関に迎えられた。レッドカーペットがどこまでも続いている。シャンデリアも派手だ。



「お邪魔しまーす。モエニア将軍おられませんか~?」



 カタンと扉の音がして、二階の奥から人が現れた。あの金髪ショートヘアの……女性!? が、モエニア将軍?


 彼女は派手な赤いドレスに身を包み、こちらを見下ろしていた。嘘、女だったのかよ。



「――――貴様がもしや、第二勇者・セクンドスか!!」




 なんか凄いにらまれてる。



「って、俺? 違いますよ。俺は元勇者のアウルム・キルクルスです。家を作って欲しくて訪ねて来たんですよ」


とぼけるな! お前の邪悪な心を視れば分かる――とぅ!」



 モエニア将軍は二階から飛び降りてきた。


「うわぁ……!」

「お前が第二勇者・セクンドスのはず。私をだまそうなど……騙そうなど……。あれ……お主、セクンドスではないのか」


 やっと気づいたらしい。
 それにしても――この将軍、すげぇ美人だ。


「言ったでしょう、俺はアウルムです」

「……む、その後ろにおる方は聖女・フルクトゥアト様か。そちらはグラティア辺境伯ではないか。お主、本当何者だ?」


「だから言ったでしょう。元勇者だって」


 おでこを手で押さえる将軍は、あちゃ~と顔をしかめる。今の、完全に勢いだったのか。


「そうか……それはすまぬ。実は、第二勇者・セクンドスのヤツが結婚を申し込んできてな。そこに愛はなく、明らかな政略を感じたのだよ。それを鬱陶しく思っていた。だから、すまぬ」


 ペコリと丁寧に謝罪してくれる。
 悪い人ではなさそうだな。

 というか、第二勇者・セクンドスなにやってんだよ……。まさか共和国の将軍に求婚していたとはなぁ……。


「良ければ、それも含めて話をどうでしょうか?」
「本当か! 助かる。ではこちらへ案内しよう」


 華麗にきびすを返すモエニア将軍。
 どうやら、ついて来いという事らしい。


 俺とフルク、マルガはその背中を追った。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~

うみ
ファンタジー
 恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。  いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。  モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。  そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。  モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。  その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。  稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。 『箱を開けるモ』 「餌は待てと言ってるだろうに」  とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります

桜井正宗
ファンタジー
 無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。  突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。  銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。  聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。  大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

処理中です...