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第22話 大金ゲット!
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「いやぁ、すまなかったね。傭兵屋だっていうからさ……本当にすまなかった」
「いえ、モードゥスさんが悪いわけじゃないですよ。アイツ等が悪いんです。それに、お金は無事だったんでしょう?」
あぁ、とモードゥスさんは袋の中身を確認する。その中には大量のセルリアン金貨。黄金に輝くそれは、1枚で10万セルもする。
「全部が売れたわけじゃないが、ざっと7億セルはある。これだけあれば、上等な屋敷が建てられるぞ」
「助かりました。引き続き残りもお願いします。あと追加もいいですかね?」
「もう追加かね。こちらも儲からせて貰っているし、全然構わないよ。それじゃ、ここで待っているよ」
袋を持って、俺は小部屋へ。
◆
「アウルムさん。おはようございます」
丁度起きたらしいフルクが丁寧な挨拶をくれた。
「おはよ。マルガは?」
「まだ寝てますね。お疲れだったみたいです。でもそろそろ起きて来る頃かなと」
昨日のダンジョン攻略で疲労が蓄積していたようだな。まあ、そんな急ぐほどでもないし、のんびり行こう。
「そうか。ああ、そうそう。モードゥスさんが来てるんだよ。で、この袋を貰った」
「その袋気になっていたんです。なんですそれ?」
テーブルにドサッと置き、フルクに中身を見て貰う。すると直ぐに驚いて、慌てた。
「ここここ、これって全部金貨ですよね!? すごい額じゃないですか……もしかして、売り上げが?」
「そ。7億セルだってさ」
「な、7億……凄い額じゃないですか! 本当に国が出来ちゃいますよ。アウルムさん凄いです!」
「いや、俺だけの力じゃないよ。フルクも手伝ってくれたじゃないか~。だから、今回のに関しては二人の力さ」
そう、昔の仲間のように『誰かの手柄』とかじゃなくて、二人の手柄なんだ。俺とフルクが協力して得た大金なのだ。
「まず家でも建てますか……?」
「フルクがそうしたいのなら、俺はそれに応えるよ」
「い、いえ……! わたし、差し出がましい発言を……」
「いや、それは違う。二人で――いや、マルガも含めた三人でこれから国を作っていくんだ。フルクの意見も貴重だ、なんでも言ってくれ」
なんだか落ち着かない素振りを見せるフルクは、ひとまず椅子に座った。
「――はぁ、その……わたし、そういうのに疎いといいますか。あんまり欲もなくて……アウルムさんと一緒にいられれば嬉しいかなって」
恥ずかしそうにそんな告白じみた事を言われ、俺は顔を赤くする。……まさか、欲がないなんて。さすが聖女様……。
「わ、分かった。じゃあ国の事は任せろ。でも、フルクにも報酬はあるべきだ。そうだな、料理が得意なんだから、キッチンとか料理器具とか揃えるよ」
「本当ですか!? 嬉しいですっ」
満面の笑みで言われ、俺はとうとうフルクと顔を合わせられなくなった。……その花のような笑顔はズルすぎる……。
◆
モードゥスさんに新たにゲットしたアイテムを託した。
「こりゃまた凄いな、かなりの額になるだろうね。また売り上げたらこちらへ来るよ。じゃあ、また――」
馬に乗ってモードゥスさんは帝国へ戻った。
彼が言うには、今回も億は期待していいとの事。どんどん資金を作って、領地を改良していかないとな。とりあえず、今は7億セルの資金がある。
「これを元手にまずは家かな」
となると、建築スキルを持つ職人を雇う必要があるな。カエレスエィス帝国か――それとも、メディオクリタース共和国で探すか。
確か共和国に有名な職人がいたはず。
そいつを頼ろう。
◇◆◇◆◇
ネムスの森に不気味な影が接近してきていた。
『――――グゥゥゥゥゥッ』
「いえ、モードゥスさんが悪いわけじゃないですよ。アイツ等が悪いんです。それに、お金は無事だったんでしょう?」
あぁ、とモードゥスさんは袋の中身を確認する。その中には大量のセルリアン金貨。黄金に輝くそれは、1枚で10万セルもする。
「全部が売れたわけじゃないが、ざっと7億セルはある。これだけあれば、上等な屋敷が建てられるぞ」
「助かりました。引き続き残りもお願いします。あと追加もいいですかね?」
「もう追加かね。こちらも儲からせて貰っているし、全然構わないよ。それじゃ、ここで待っているよ」
袋を持って、俺は小部屋へ。
◆
「アウルムさん。おはようございます」
丁度起きたらしいフルクが丁寧な挨拶をくれた。
「おはよ。マルガは?」
「まだ寝てますね。お疲れだったみたいです。でもそろそろ起きて来る頃かなと」
昨日のダンジョン攻略で疲労が蓄積していたようだな。まあ、そんな急ぐほどでもないし、のんびり行こう。
「そうか。ああ、そうそう。モードゥスさんが来てるんだよ。で、この袋を貰った」
「その袋気になっていたんです。なんですそれ?」
テーブルにドサッと置き、フルクに中身を見て貰う。すると直ぐに驚いて、慌てた。
「ここここ、これって全部金貨ですよね!? すごい額じゃないですか……もしかして、売り上げが?」
「そ。7億セルだってさ」
「な、7億……凄い額じゃないですか! 本当に国が出来ちゃいますよ。アウルムさん凄いです!」
「いや、俺だけの力じゃないよ。フルクも手伝ってくれたじゃないか~。だから、今回のに関しては二人の力さ」
そう、昔の仲間のように『誰かの手柄』とかじゃなくて、二人の手柄なんだ。俺とフルクが協力して得た大金なのだ。
「まず家でも建てますか……?」
「フルクがそうしたいのなら、俺はそれに応えるよ」
「い、いえ……! わたし、差し出がましい発言を……」
「いや、それは違う。二人で――いや、マルガも含めた三人でこれから国を作っていくんだ。フルクの意見も貴重だ、なんでも言ってくれ」
なんだか落ち着かない素振りを見せるフルクは、ひとまず椅子に座った。
「――はぁ、その……わたし、そういうのに疎いといいますか。あんまり欲もなくて……アウルムさんと一緒にいられれば嬉しいかなって」
恥ずかしそうにそんな告白じみた事を言われ、俺は顔を赤くする。……まさか、欲がないなんて。さすが聖女様……。
「わ、分かった。じゃあ国の事は任せろ。でも、フルクにも報酬はあるべきだ。そうだな、料理が得意なんだから、キッチンとか料理器具とか揃えるよ」
「本当ですか!? 嬉しいですっ」
満面の笑みで言われ、俺はとうとうフルクと顔を合わせられなくなった。……その花のような笑顔はズルすぎる……。
◆
モードゥスさんに新たにゲットしたアイテムを託した。
「こりゃまた凄いな、かなりの額になるだろうね。また売り上げたらこちらへ来るよ。じゃあ、また――」
馬に乗ってモードゥスさんは帝国へ戻った。
彼が言うには、今回も億は期待していいとの事。どんどん資金を作って、領地を改良していかないとな。とりあえず、今は7億セルの資金がある。
「これを元手にまずは家かな」
となると、建築スキルを持つ職人を雇う必要があるな。カエレスエィス帝国か――それとも、メディオクリタース共和国で探すか。
確か共和国に有名な職人がいたはず。
そいつを頼ろう。
◇◆◇◆◇
ネムスの森に不気味な影が接近してきていた。
『――――グゥゥゥゥゥッ』
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