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勇者の反撃
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「お前、俺の仲間を、住人達を“封印”したのか」
問うとシックザールは不敵に笑い、ゆっくりと歩きながら口を開いた。
「そうだ。赤い聖書の存在はもう知っているのだろう」
「やっぱり! そんなモンを使いやがって!」
「この世界にくる前の……別の世界で手に入れた世界聖書さ。名を『赤色閃光の聖書』という」
スキルはたったひとつで『封印』のみらしい。
その力を使い、ナハトやテオドール、ラルゴの住人を封印したようだ。
「卑怯な!」
「安心しろ、ラスティ。知っての通り、世界聖書を使用する際に膨大な魔力が必要となる」
つまり、住人をある程度封印して魔力が枯渇に近いということか。なら、倒すチャンスではないだろうか。
そのことを察知したのはルドミラも同様だった。
「シックザール!」
「やる気か、ルドミラ。……やめておけ。お前程度の騎士では私は倒せぬよ」
「勇者を舐めるなッ!」
覚醒アマデウスを振るうルドミラだったが、シックザールは華麗に回避していた。なんて野郎だ、素早いな!
元々の身体能力も高いのだろうが、恐らくは世界聖書の恩恵も受けているはず。倒すのには苦労しそうだ。
「封印されなくてよかったな、ルドミラ!」
「黙れ、シックザール。お前のような輩は魔王と同じ! 世界の秩序を乱す者は倒す……!」
珍しく怒るルドミラは二連、三連撃と攻撃を繰り返す。
凄まじいスピードだが、シックザールの回避力はさらに上回っていた。野郎、どんな強化をしているんだ。
以前、戦った時はそこまで機敏ではなかったはず。
だが、今は明らかに違う。
「こっちも強化しましょう!」
スコルは支援スキル『キリエ』と『グローリア』を俺とルドミラに施した。これにより、能力が大幅にアップ。攻撃速度や移動速度もアップ。
今やほとんどのスキルレベルがマックスなので、スコルの支援を貰えればかなり強化される。
その通り、ルドミラの動きが変わった。
「てやああッ!」
「……ッ! おのれ、聖女のスキルか! しかし、これでも私も“枢機卿”という立場を預かっていたのだよ。キリエとグローリアくらい使えるさ!!」
シックザールも自身に支援スキルを付与。
くそっ、さすがに聖央教会に所属していただけあって、スキルを習得していたか!
しかも、シックザールは白銀の剣と盾を生成していた。まずいな。
「なッ!」
「驚いたか、ルドミラ。これが私の本当の姿であり、力なのだよ」
剣で攻撃してくるかと思いきや、まさかの盾でルドミラを鳩尾にダメージを与えていた。
「……っ!」
おい、まさか!
ルドミラが負けた……?
「所詮、女の勇者などこの程度」
「……フッ、油断したなシックザール」
「なに?」
よく見るとルドミラは、シックザールの盾を左手で掴んでいた。
「貴様……!」
「最近の私は慢心ばかりしていました。だから、モラヴィアニと戦った時は敗北してしまった。だけど、今はもう違うのです」
左手に魔力を込めるルドミラ。おぉ、反撃開始だな!
「くッ、ルドミラ貴様……」
「お前に怒りの一撃を与える! くらえ、オーディール!!」
[オーディール]
[効果]
十字状の破壊的な聖属性攻撃を放つ。
聖属性攻撃力 + 50000%。
使用者によって威力が変化する。
敵の魔力を10%消失させる。
十字の閃光が広がり爆発するとシックザールは吹っ飛んでいた。へえ、ルドミラのやつ、こんな取って置きを残していたとはな!
やるじゃないか!
問うとシックザールは不敵に笑い、ゆっくりと歩きながら口を開いた。
「そうだ。赤い聖書の存在はもう知っているのだろう」
「やっぱり! そんなモンを使いやがって!」
「この世界にくる前の……別の世界で手に入れた世界聖書さ。名を『赤色閃光の聖書』という」
スキルはたったひとつで『封印』のみらしい。
その力を使い、ナハトやテオドール、ラルゴの住人を封印したようだ。
「卑怯な!」
「安心しろ、ラスティ。知っての通り、世界聖書を使用する際に膨大な魔力が必要となる」
つまり、住人をある程度封印して魔力が枯渇に近いということか。なら、倒すチャンスではないだろうか。
そのことを察知したのはルドミラも同様だった。
「シックザール!」
「やる気か、ルドミラ。……やめておけ。お前程度の騎士では私は倒せぬよ」
「勇者を舐めるなッ!」
覚醒アマデウスを振るうルドミラだったが、シックザールは華麗に回避していた。なんて野郎だ、素早いな!
元々の身体能力も高いのだろうが、恐らくは世界聖書の恩恵も受けているはず。倒すのには苦労しそうだ。
「封印されなくてよかったな、ルドミラ!」
「黙れ、シックザール。お前のような輩は魔王と同じ! 世界の秩序を乱す者は倒す……!」
珍しく怒るルドミラは二連、三連撃と攻撃を繰り返す。
凄まじいスピードだが、シックザールの回避力はさらに上回っていた。野郎、どんな強化をしているんだ。
以前、戦った時はそこまで機敏ではなかったはず。
だが、今は明らかに違う。
「こっちも強化しましょう!」
スコルは支援スキル『キリエ』と『グローリア』を俺とルドミラに施した。これにより、能力が大幅にアップ。攻撃速度や移動速度もアップ。
今やほとんどのスキルレベルがマックスなので、スコルの支援を貰えればかなり強化される。
その通り、ルドミラの動きが変わった。
「てやああッ!」
「……ッ! おのれ、聖女のスキルか! しかし、これでも私も“枢機卿”という立場を預かっていたのだよ。キリエとグローリアくらい使えるさ!!」
シックザールも自身に支援スキルを付与。
くそっ、さすがに聖央教会に所属していただけあって、スキルを習得していたか!
しかも、シックザールは白銀の剣と盾を生成していた。まずいな。
「なッ!」
「驚いたか、ルドミラ。これが私の本当の姿であり、力なのだよ」
剣で攻撃してくるかと思いきや、まさかの盾でルドミラを鳩尾にダメージを与えていた。
「……っ!」
おい、まさか!
ルドミラが負けた……?
「所詮、女の勇者などこの程度」
「……フッ、油断したなシックザール」
「なに?」
よく見るとルドミラは、シックザールの盾を左手で掴んでいた。
「貴様……!」
「最近の私は慢心ばかりしていました。だから、モラヴィアニと戦った時は敗北してしまった。だけど、今はもう違うのです」
左手に魔力を込めるルドミラ。おぉ、反撃開始だな!
「くッ、ルドミラ貴様……」
「お前に怒りの一撃を与える! くらえ、オーディール!!」
[オーディール]
[効果]
十字状の破壊的な聖属性攻撃を放つ。
聖属性攻撃力 + 50000%。
使用者によって威力が変化する。
敵の魔力を10%消失させる。
十字の閃光が広がり爆発するとシックザールは吹っ飛んでいた。へえ、ルドミラのやつ、こんな取って置きを残していたとはな!
やるじゃないか!
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