無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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最新の世界マップ

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 スコル、ルドミラを連れて帝国を離れていく。
 シックザールを追えるか正直微妙なところ。あの白銀の渦で移動されていれば……追いつけないだろうな。
 しかし、諦めるわけにもいかない。

「スコル。アイツの気配を探れないか? 例えば、世界聖書ウルガタで」
「そうですね。あの方も世界聖書ウルガタを所持していますので、もしかしたら位置の特定とかできるかも」


 ヤツは、白銀の世界聖書アルゲントゥムと赤い聖書を持っているようだからな。スコルの世界聖書ウルガタなら追えるかもしれない。


「どうだ?」
「そういえば、強制召喚フォースサモンがありました。これを使ってみます!」


 ああ、強制召喚フォースサモンか。以前、クラウスとディミトリーを召喚したっけな。結局、偽者だったけど。
 でも、これでシックザールを呼べれば、こっちのものだ。

 しばらくしてスコルは首を横に振った。


「どうした?」
「ダメです。世界聖書ウルガタの所有者には無効化されるようです」

「なんてこった。そこまで万能ってわけでもないんだな」
「ごめんなさい……」

「いや、スコルが悪いわけではない」


 方角を頼りに草原フィールドを突き進む。ハッキリ言って見つけ出せるか自信はない。このまま徒労に終わる可能性の方が高いだろう。


「ラスティくん。これ以上の追跡は……」

 ルドミラはここで戻った方がいいと表情を硬くした。そうだな、結構歩いたし……この辺りで戻らないと大変ではある。

 ――いや、大丈夫だ。


 スコルの世界聖書ウルガタにあるスキル『ハイパードライブ』なら、どこへでも転移できる。
 それをルドミラに説明すると納得した。


「というわけだ。先へ進む分には問題ない」
「なるほど。スコル様はいつの間にやら大聖女になられていたのですね……!」


 大袈裟だなぁと思いつつも、そういえば世界聖書ウルガタのスキルもほぼ全て解放されているんだよな。最強といえば最強だ。
 ただ、スキルの使用には膨大な魔力が必要らしく、すぐに枯渇こかつするとスコル談。


「……ルドミラさん、わたしまだまだですぅ……」
「そんなことはありません。胸を張ってください、スコル様」

「が、がんばります……」


 歩いていると、冒険者パーティに出くわした。丁度いい、聞いてみるか。


「そこの冒険者。ちょっと話を聞きたい」
「僕ですか。なんでしょ?」

「この辺りで“白銀の渦”を見なかったか? 多分、空を飛んでいたと思うけど」


 男の冒険者にそう聞くと、彼は目撃していたようだった。


「ああ、あれかい。この先の“海”へ消えていったよ」
「なに……海の方へ?」

「凄い渦だったが、あれはなんだったんだ? ドラゴンか?」
「――いや。助かったよ、ありがとう。これは礼のベルリオーズ金貨だ」
「き、金貨ぁ!?」


 十分すぎる情報だったからな。
 そうか、シックザールはすでに海を出ていたか。


「どうしますか、ラスティくん。船が無ければ無理です」
「ここまでだな」


 しかし、どこへ向かったんだ?
 アテもなく適当に向かったのか、それとも塔を建てる算段がついているのか。
 とにかく一度、ドヴォルザーク帝国へ戻って――。


 ふと、冒険者たちの会話が聞こえた。



「そや、この海の向こうて『島国ラルゴ』じゃねえの」
「最近、世界マップを手に入れたが――そうだな!」


 と、俺はその会話を耳にして心臓が止まりそうになった。


 島国ラルゴ……だって?


「お、おい。それは本当か!」
「ああ。最新の世界マップだからな。向いた方角にどんな国があるか示してくれるのさ」

 そんな便利になっているのか、マップ。
 見せて貰うと、このまま真っ直ぐ向かうと『島国ラルゴ』で間違いなかった。

 ……まさか、シックザールは俺の島に塔を建てる気なのか……!


「ラスティさん!」
「……ああ、スコル。すぐにハイパードライブで転移してくれないか」

「もちろんです。ルドミラさんもわたしに掴まって下さい」


 大至急で『島国ラルゴ』へ戻る――!
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