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最新の世界マップ
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スコル、ルドミラを連れて帝国を離れていく。
シックザールを追えるか正直微妙なところ。あの白銀の渦で移動されていれば……追いつけないだろうな。
しかし、諦めるわけにもいかない。
「スコル。アイツの気配を探れないか? 例えば、世界聖書で」
「そうですね。あの方も世界聖書を所持していますので、もしかしたら位置の特定とかできるかも」
ヤツは、白銀の世界聖書と赤い聖書を持っているようだからな。スコルの世界聖書なら追えるかもしれない。
「どうだ?」
「そういえば、強制召喚がありました。これを使ってみます!」
ああ、強制召喚か。以前、クラウスとディミトリーを召喚したっけな。結局、偽者だったけど。
でも、これでシックザールを呼べれば、こっちのものだ。
しばらくしてスコルは首を横に振った。
「どうした?」
「ダメです。世界聖書の所有者には無効化されるようです」
「なんてこった。そこまで万能ってわけでもないんだな」
「ごめんなさい……」
「いや、スコルが悪いわけではない」
方角を頼りに草原フィールドを突き進む。ハッキリ言って見つけ出せるか自信はない。このまま徒労に終わる可能性の方が高いだろう。
「ラスティくん。これ以上の追跡は……」
ルドミラはここで戻った方がいいと表情を硬くした。そうだな、結構歩いたし……この辺りで戻らないと大変ではある。
――いや、大丈夫だ。
スコルの世界聖書にあるスキル『ハイパードライブ』なら、どこへでも転移できる。
それをルドミラに説明すると納得した。
「というわけだ。先へ進む分には問題ない」
「なるほど。スコル様はいつの間にやら大聖女になられていたのですね……!」
大袈裟だなぁと思いつつも、そういえば世界聖書のスキルもほぼ全て解放されているんだよな。最強といえば最強だ。
ただ、スキルの使用には膨大な魔力が必要らしく、すぐに枯渇するとスコル談。
「……ルドミラさん、わたしまだまだですぅ……」
「そんなことはありません。胸を張ってください、スコル様」
「が、がんばります……」
歩いていると、冒険者パーティに出くわした。丁度いい、聞いてみるか。
「そこの冒険者。ちょっと話を聞きたい」
「僕ですか。なんでしょ?」
「この辺りで“白銀の渦”を見なかったか? 多分、空を飛んでいたと思うけど」
男の冒険者にそう聞くと、彼は目撃していたようだった。
「ああ、あれかい。この先の“海”へ消えていったよ」
「なに……海の方へ?」
「凄い渦だったが、あれはなんだったんだ? ドラゴンか?」
「――いや。助かったよ、ありがとう。これは礼のベルリオーズ金貨だ」
「き、金貨ぁ!?」
十分すぎる情報だったからな。
そうか、シックザールはすでに海を出ていたか。
「どうしますか、ラスティくん。船が無ければ無理です」
「ここまでだな」
しかし、どこへ向かったんだ?
アテもなく適当に向かったのか、それとも塔を建てる算段がついているのか。
とにかく一度、ドヴォルザーク帝国へ戻って――。
ふと、冒険者たちの会話が聞こえた。
「そや、この海の向こうて『島国ラルゴ』じゃねえの」
「最近、世界マップを手に入れたが――そうだな!」
と、俺はその会話を耳にして心臓が止まりそうになった。
島国ラルゴ……だって?
「お、おい。それは本当か!」
「ああ。最新の世界マップだからな。向いた方角にどんな国があるか示してくれるのさ」
そんな便利になっているのか、マップ。
見せて貰うと、このまま真っ直ぐ向かうと『島国ラルゴ』で間違いなかった。
……まさか、シックザールは俺の島に塔を建てる気なのか……!
「ラスティさん!」
「……ああ、スコル。すぐにハイパードライブで転移してくれないか」
「もちろんです。ルドミラさんもわたしに掴まって下さい」
大至急で『島国ラルゴ』へ戻る――!
シックザールを追えるか正直微妙なところ。あの白銀の渦で移動されていれば……追いつけないだろうな。
しかし、諦めるわけにもいかない。
「スコル。アイツの気配を探れないか? 例えば、世界聖書で」
「そうですね。あの方も世界聖書を所持していますので、もしかしたら位置の特定とかできるかも」
ヤツは、白銀の世界聖書と赤い聖書を持っているようだからな。スコルの世界聖書なら追えるかもしれない。
「どうだ?」
「そういえば、強制召喚がありました。これを使ってみます!」
ああ、強制召喚か。以前、クラウスとディミトリーを召喚したっけな。結局、偽者だったけど。
でも、これでシックザールを呼べれば、こっちのものだ。
しばらくしてスコルは首を横に振った。
「どうした?」
「ダメです。世界聖書の所有者には無効化されるようです」
「なんてこった。そこまで万能ってわけでもないんだな」
「ごめんなさい……」
「いや、スコルが悪いわけではない」
方角を頼りに草原フィールドを突き進む。ハッキリ言って見つけ出せるか自信はない。このまま徒労に終わる可能性の方が高いだろう。
「ラスティくん。これ以上の追跡は……」
ルドミラはここで戻った方がいいと表情を硬くした。そうだな、結構歩いたし……この辺りで戻らないと大変ではある。
――いや、大丈夫だ。
スコルの世界聖書にあるスキル『ハイパードライブ』なら、どこへでも転移できる。
それをルドミラに説明すると納得した。
「というわけだ。先へ進む分には問題ない」
「なるほど。スコル様はいつの間にやら大聖女になられていたのですね……!」
大袈裟だなぁと思いつつも、そういえば世界聖書のスキルもほぼ全て解放されているんだよな。最強といえば最強だ。
ただ、スキルの使用には膨大な魔力が必要らしく、すぐに枯渇するとスコル談。
「……ルドミラさん、わたしまだまだですぅ……」
「そんなことはありません。胸を張ってください、スコル様」
「が、がんばります……」
歩いていると、冒険者パーティに出くわした。丁度いい、聞いてみるか。
「そこの冒険者。ちょっと話を聞きたい」
「僕ですか。なんでしょ?」
「この辺りで“白銀の渦”を見なかったか? 多分、空を飛んでいたと思うけど」
男の冒険者にそう聞くと、彼は目撃していたようだった。
「ああ、あれかい。この先の“海”へ消えていったよ」
「なに……海の方へ?」
「凄い渦だったが、あれはなんだったんだ? ドラゴンか?」
「――いや。助かったよ、ありがとう。これは礼のベルリオーズ金貨だ」
「き、金貨ぁ!?」
十分すぎる情報だったからな。
そうか、シックザールはすでに海を出ていたか。
「どうしますか、ラスティくん。船が無ければ無理です」
「ここまでだな」
しかし、どこへ向かったんだ?
アテもなく適当に向かったのか、それとも塔を建てる算段がついているのか。
とにかく一度、ドヴォルザーク帝国へ戻って――。
ふと、冒険者たちの会話が聞こえた。
「そや、この海の向こうて『島国ラルゴ』じゃねえの」
「最近、世界マップを手に入れたが――そうだな!」
と、俺はその会話を耳にして心臓が止まりそうになった。
島国ラルゴ……だって?
「お、おい。それは本当か!」
「ああ。最新の世界マップだからな。向いた方角にどんな国があるか示してくれるのさ」
そんな便利になっているのか、マップ。
見せて貰うと、このまま真っ直ぐ向かうと『島国ラルゴ』で間違いなかった。
……まさか、シックザールは俺の島に塔を建てる気なのか……!
「ラスティさん!」
「……ああ、スコル。すぐにハイパードライブで転移してくれないか」
「もちろんです。ルドミラさんもわたしに掴まって下さい」
大至急で『島国ラルゴ』へ戻る――!
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