無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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魔力回復ポーション甲

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 勇者として、いにしえのモンスターを自分の手で倒しておきたのだろう。
 黄金の槌を振るうルドミラは、ミドガルズオルムに強烈な一撃を浴びせていた。

 大蛇の体がへこむ。
 あんなバカ堅そうなのに、大穴を開ける勢いで打撃を加えていた。……すげえな。


「さすがミドガルズオルム。そう簡単には倒せませんね」


 猛攻を加えてきたルドミラが、地面に着地。俺たちの付近に降り立ち、そうつぶやいた。


「大丈夫か、ルドミラ!」
「ええ。昔と違い、覚醒アマデウスが大幅に強化されていますから、きっと勝てます」

「解かった。がんばれよ!」


 応援している間にもミドガルズオルムは、デッドリーブレスという猛毒を吐いてきた。なんて蛇だ……!
 あの巨体で岩のような毒を吐いてくるとは、なんて恐ろしい。

 デッドリーブレスは、かすかにドヴォルザークの外壁に付着して融解をはじめていた。……ウソだろ。外壁がドロドロになっているぞ。

 アレは毒だけでなく、融解成分も含まれているのか。


 気づけばルドミラは、かなり空高く飛んでいた。
 あんなハイジャンプして大丈夫なのか!?


「てやああああああああああ……!」


 かなり魔力を込めていた。
 一撃で決める気だな!


「こりゃルドミラの本気が落ちてくる。ちと離れるぞ、スコル」
「え、ええ……?」


 スケルツォを抱え、現場から少し離れた。
 直後にはルドミラは必殺スキルを叩き落していた。


 あの黄金の閃光は間違いない――!



「ガグンラーズ!!!」



 やはり、一撃必殺の大技。
 凄まじいスピードから壊滅的な威力を与える奥義。
 ミドガルズオルムは、ガグンラーズの一撃で体が真っ二つになっていた。

 そのまま大穴の奈落へ堕ちていく。

 よし、なんとか食い止めてくれたな!

 全ての魔力を使い果たしたルドミラは、なんとか地面に着地して俺の元へ。


「お疲れ、ルドミラ」
「……今回は討伐に成功しました」

「ありがとう。これでドヴォルザーク帝国の平和は少し守られた」
「そうですね。問題のシックザールをなんとかせねば」

「ああ。ここから先は俺に任せろ」
「申し訳ないです。魔力がゼロです」

「解かってるさ。でも、魔力回復ポーションくらいはあるぜ」
「おぉ……!」


 出発前にテオドールが大量にくれたからな。


[魔力回復ポーション甲]
[効果]
 魔力を超大幅に回復する。
 しばらくの間、魔力回復速度アップ!


 しかも、新型の改良ポーションだ。さすがトリプルジョブの男テオドール。

 ルドミラは魔力回復ポーション甲を飲んで魔力を回復した。



「これで動けるな?」
「はい。ありがとうざいます」



 スコルの手当を受けて少し回復していた。意識があるようなので、俺は改めて聞いた。


「さて、スケルツォ。どうやってやられた?」
「……シックザールは……特殊な世界聖書ウルガタを所持していました。その効果に敗れたわけです」

白銀の世界聖書アルゲントゥムか?」

「いえ。あれは……赤い聖書だったはず」

「赤い、だと?」


 シックザールめ、まだ隠し持っているのか。ということは以前は本気ではなかった……? さっきのスケルツォとはガチで戦ってところかな。

 ナハトとテオドールの封印も、その聖書の力なのだろうか。


 なんにせよ、仲間を失った。これは痛手だ。


「……シックザールは、この先に向かいました。追えば間に合うかも」
「ああ、少し帝国を離れる。任せたぞ」
「解かりました」


 このまま追うしかない。シックザールを倒すために!
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