無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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銀髪のギルドの受付嬢

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 シックザールの捜索がはじまった。
 ドヴォルザーク帝国中のみんなが強力してくれる。これなら直ぐ見つかるだろうか。

 しかし、相手は別の世界からやってきた特殊な力を持つ男。
 ナハトによれば、強大な力を持つという。

 確かに戦闘時は、凄まじい能力を発揮していた。多分、隠しているスキルがまだあるはず。


「俺、スコル、ルドミラのチーム。スケルツォ、ナハト、テオドールのチームで別れよう」


 チームリーダーをスケルツォに一任すると、彼女は頭を下げた。このチーム分けなら問題ないだろう。


「ラスティ様、我々は帝国の外周を回ります。そして、少しずつ外側から中へ」
「解かった。こっちは中からだ」
「そうして挟み撃ちに致しましょう」


 素晴らしい作戦だ。さすが、スケルツォ。ただ、シックザールがまだ帝国内にいる場合に限るが。

 ひとまず、いるかどうかだけでも確認せねば。
 ヤツの気配は何故か追えないからな。


 ◆


 ドヴォルザーク帝国の街中へ。
 ルドミラが先頭に立ち、俺とスコルの護衛を兼ねてくれた。

「ありがとうございます、ルドミラさん」
「いいのですよ、スコル様。これが私の任務ですから」

 頼もしい限りだ。
 今回ばかりは俺だけではスコルを守れないかもしれないからな。

 ――とはいえ。
 刀形態のテレジアがいるし、大丈夫かもしれない……?

 未だに人型になろうとしないけど。


「まずは世界ギルドで情報を得るぞ」
「そうですね。人通りの多いあの場所なら何かしら情報がありそうです」


 と、ルドミラは世界ギルドの方向へ足を向けた。
 目撃者くらいはいるかもしれないからな。

 道を真っ直ぐに歩き、ついに見えてきた。

 世界ギルドの前は、変わらず活気があって冒険者だらけ。これだけいれば、一人くらいは何か見ているはずだ。

 俺は壁に背を預けている若い男冒険者に話しかけた。

「君、ちょっといいかい」
「ん~? ――って、へ、陛下ァ!?」

 さすがに俺の顔を知っているか。てかま、元々は第三皇子だったし……。最近では聖戦で皇帝になったわけだからな。


「どこでもいい、銀髪の中年男性を見なかったか? 元の名前はアレグロ枢機卿。今はシックザールという名前だ」

「ああ、あの話題の枢機卿ですか……。さあ、見てませんね」
「そうか。ありがとう」


 こうなったら受付嬢に聞く方が早そうだ。
 ギルドの受付嬢トレニアさんの同僚がいるはず。

 世界ギルドの中へ入ると、冒険者の対応に追われている受付嬢の姿があった。……忙しそうだなぁ。


「どうしますか、ラスティさん」
「スコルとルドミラは、ここで待っていてくれ」
「解かりました!」


 こりゃ、並ぶしかないだろう。割り込むのも悪いし。
 きちんと列に並び、順番を待った。
 皇帝といえどズルはいけない。

 少しすると番が回ってきた。

 受付嬢は、銀髪のとても可愛らしい少女だった。受付嬢にしては若すぎるというか……いや、トレニアさんも十分に若いけど。

 にしても神々しいような。雰囲気だけならスコルに似ている。
 でも、彼女はエルフではない。人間だ。


「ようこそ、世界ギルドへ。なんでもお申し付け下さい」
「え、あー…。アレグロ枢機卿……シックザールのことは伝わっているかな?」

 シックザールのことを話すと、銀髪の受付嬢は少し困惑したような表情を見せ、けれど頷いた。

「はい。世界ギルドにも情報が共有されております」
「そうか。目撃情報が欲しい」

「今のところ二件ございます」


 たった二件か。
 しかも、一件はシックザールとは無関係な格闘家の話だった。誰だよ、見間違えたヤツ。


「それで、もう一件の方は?」
「お昼過ぎにですが、銀色の渦を見たという冒険者がいました」

「……! それだ!」


 その銀色の渦は、シックザールの移動魔法で間違いない。アレで高速移動しているんだ。

「ドヴォルザーク帝国の外側を目指していたとか」
「逃げる気だな。ありがとう、受付嬢さん!」

「……あの」

「ん?」

「陛下、ですよね」
「あ、ああ。それがどうした?」

「ラスティ様なら……あの方を……」


 声が小さくて聞き取れなかった。……なにを言っているんだ?
 うーん、急いでいるしなぁ。
 でも、気になるから聞こうとしたが――。


「ちょっと早くしてくれよ」


 と、後ろの冒険者に押されて列から押し出され、聞くに聞けなくなった。お、おい……まあいいか。

 なんだか気になる視線を送ってくるなぁ。


「どうでしたか?」
「ルドミラ、帝国の外だ。ヤツはもしかしたら、スケルツォたちと戦っているかもしれない」

「なるほど、では急がねばですね」
「ああ!」


 受付嬢の情報が確かなら戦闘が始まっている可能性がかなり高い。
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