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譲り受けた魔剣
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ナハトは背を向け、元老院へ向かうと歩き始めた。だが、ルドミラが止めた。
「勝手は許しませんよ、ナハト」
「団長……しかし!」
ふぅ、助かったな。部外者であるナハトが魔剣で暴れられたら大事だぞ。
いくらモラヴィアニが怪しいとはいえな。
「なりません。これは命令です」
「なぜ! あの女が俺のアイファを!!」
アイファ……?
もしかして、ナハトの“大切なもの”それは人なのか。
そうか、スコルを見つめていた理由って……。
同じ『聖女』ってことなのか。
エドゥは言っていた。
ナハトは別の世界の住人だと。もし、そのアイファという人が奪われた――つまり、連れ去られたのなら……ナハトがここにいる理由も納得がいく。
「分かっています。新約・世界聖書を取り戻せばいいのでしょう」
「ああ、だからこそ俺が倒す」
「解かりました」
ルドミラは、そう言いながらもナハトに腹パンしていた。拳が彼の鳩尾にメリ込んでいた。
油断していたナハトは混乱しながらも――気絶。
「…………が、は」
倒れた。
って、ルドミラのヤツ容赦なさすぎだろう。
「大丈夫なのか、ルドミラ」
「はい、ラスティくん。彼はこうでもしないと止まりませんから」
「なるほどね。で、モラヴィアニをどうする?」
「もちろん、問い詰めます。我らの問題は我らで解決すべきでしょう」
ナハトのそばで腰を下ろすルドミラは、彼の『魔剣』を取った。そして、それを俺の方へ献上した。寄越すのかよ、それを。
別に欲しくもないのだが……。
「どうしてそれを?」
「ナハトの分まで戦って欲しいのです」
「俺が?」
「私が勝手に動くわけには参りませんので」
そういうことか。
このままではナハトが可哀想でもあるな。大切な人……か。そうだな、俺だってスコルを奪われたら気が狂う。必死になるわな。
「いいだろう。その魔剣ヘルシャフト譲り受ける」
「ありがとうございます。彼が目を覚ました時に事情は説明しておきますので」
「解かった」
ルドミラは、ナハトを抱えてどこかへ向かう。あとのことは彼女に任せよう。
少しするとスコルとハヴァマールが合流。
「ラスティさん。おはようございます」
「おはよ、スコル」
挨拶をしている間にも、ハヴァマールが俺に飛びついてきた。
「兄上、おはよ~なのだ」
「おう、おはよう」
俺は、二人にナハトの件を話した。
終始驚きながらもモラヴィアニがまさか敵であるかもしれないことにショックを隠し切れないようだった。俺もだよ。あの優しそうな人が……今でも信じられん。
「その、ルドミラさんはモラヴィアニ議員に会いに行ったのでしょうか?」
と、スコルに言われて俺はハッとなった。
って、まてまて。
こんなボ~っとしている場合じゃなかった!
ルドミラは『問い詰めます』と言っていた。
まさか、ナハトを抱えたまま元老院へ向かったんじゃ……!
「二人とも、急いでいくぞ!」
「「え!?」」
スコルとハヴァマールは動揺していたが、俺は連れて元老院を目指した。
「勝手は許しませんよ、ナハト」
「団長……しかし!」
ふぅ、助かったな。部外者であるナハトが魔剣で暴れられたら大事だぞ。
いくらモラヴィアニが怪しいとはいえな。
「なりません。これは命令です」
「なぜ! あの女が俺のアイファを!!」
アイファ……?
もしかして、ナハトの“大切なもの”それは人なのか。
そうか、スコルを見つめていた理由って……。
同じ『聖女』ってことなのか。
エドゥは言っていた。
ナハトは別の世界の住人だと。もし、そのアイファという人が奪われた――つまり、連れ去られたのなら……ナハトがここにいる理由も納得がいく。
「分かっています。新約・世界聖書を取り戻せばいいのでしょう」
「ああ、だからこそ俺が倒す」
「解かりました」
ルドミラは、そう言いながらもナハトに腹パンしていた。拳が彼の鳩尾にメリ込んでいた。
油断していたナハトは混乱しながらも――気絶。
「…………が、は」
倒れた。
って、ルドミラのヤツ容赦なさすぎだろう。
「大丈夫なのか、ルドミラ」
「はい、ラスティくん。彼はこうでもしないと止まりませんから」
「なるほどね。で、モラヴィアニをどうする?」
「もちろん、問い詰めます。我らの問題は我らで解決すべきでしょう」
ナハトのそばで腰を下ろすルドミラは、彼の『魔剣』を取った。そして、それを俺の方へ献上した。寄越すのかよ、それを。
別に欲しくもないのだが……。
「どうしてそれを?」
「ナハトの分まで戦って欲しいのです」
「俺が?」
「私が勝手に動くわけには参りませんので」
そういうことか。
このままではナハトが可哀想でもあるな。大切な人……か。そうだな、俺だってスコルを奪われたら気が狂う。必死になるわな。
「いいだろう。その魔剣ヘルシャフト譲り受ける」
「ありがとうございます。彼が目を覚ました時に事情は説明しておきますので」
「解かった」
ルドミラは、ナハトを抱えてどこかへ向かう。あとのことは彼女に任せよう。
少しするとスコルとハヴァマールが合流。
「ラスティさん。おはようございます」
「おはよ、スコル」
挨拶をしている間にも、ハヴァマールが俺に飛びついてきた。
「兄上、おはよ~なのだ」
「おう、おはよう」
俺は、二人にナハトの件を話した。
終始驚きながらもモラヴィアニがまさか敵であるかもしれないことにショックを隠し切れないようだった。俺もだよ。あの優しそうな人が……今でも信じられん。
「その、ルドミラさんはモラヴィアニ議員に会いに行ったのでしょうか?」
と、スコルに言われて俺はハッとなった。
って、まてまて。
こんなボ~っとしている場合じゃなかった!
ルドミラは『問い詰めます』と言っていた。
まさか、ナハトを抱えたまま元老院へ向かったんじゃ……!
「二人とも、急いでいくぞ!」
「「え!?」」
スコルとハヴァマールは動揺していたが、俺は連れて元老院を目指した。
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