無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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新約・世界聖書の在り処

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 ポーションダンジョンから帰還して三日後。
 城内でまったり過ごす日々。

 クラウスとディミトリーは相変わらず、牢の中。奴らは今日にでも裁かれる。罪を重ねすぎたので、大監獄行きとなるだろうな。

 一方、シベリウスは回復した。
 歩き回れるほどに元気になり、業務に戻っていた。よかった、アイツはアルフレッドの息子でもあるからな。
 それにドヴォルザーク帝国の上級監督官として頑張って貰わねば困るのだ。

 などと、ここ数日のことを思い返しているとルドミラとナハトが大広間やってきた。……珍しい客だな。


「お久しぶりです、ラスティくん。――いえ、陛下」
「ルドミラ、普通に呼んでくれって。その方が親しみがあっていい」
「そ、そうですか。解かりました」

 それに、ルドミラから陛下と呼ばれるのも違和感あるし。

「それで、ナハトを連れてどうした?」
「はい。彼から話があるそうです」
「へえ?」

 ナハトは魔剣こそ携えていたが、殺気はなく落ち着いていた。さすがに城内で事を構える気はなさそうだ。しかし、魔剣を所持して来るとは。ルドミラがついているから大丈夫だと思うが。

「新約・世界聖書ウルガタの所在が分かった」
「なに……?」

「ラスティ、今回の件……クラウスとディミトリーの共謀ではない」
「どういうことだ?」


 あの二人の計画ではなかったということか? しかし、アイツらはアレグロ枢機卿を暗殺したし、そのことも認めている。更に帝国を乗っ取ろうとした。様々な計画を立てていたようだったが……。

 共謀ではない?

「新約版を所持する者を発見したんだ」
「誰だ?」

「モラヴィアニという女議員だ」

「なんだって!?」


 モラヴィアニ議員だと? あの美人が? 信じられんな。


「離れていたから分からなかったが、俺には分かるんだ」


 どうやら、ナハトはここ数日ずっと元老院を監視していたようだ。近づいてモラヴィアニ議員が新約版を持っていると確信したらしい。


「どうして解かる?」


 そう俺が聞くと、ルドミラが答えてくれた。


「ナハトには『トレジャーハンド』がありますので、その力です」
「つまり、どういうこと?」

「彼の金の宝箱から取り出す装備は全てSSS級です。ですので、世界聖書ウルガタを感知するような効果を持つ装備があっても不思議ではないのです」


 ――そういうことね。
 確かに、ナハトの全身はSSS級装備でまみれている。というか、100%だな。ハッキリ言ってバケモノだ。
 普通の冒険者なら目の前にした瞬間に逃げ出すレベル。


「そういうことだ。俺はモラヴィアニを討つ」
「討つって……。言っておくが、議員だぞ!」

「違う。このドヴォルザーク帝国を乗っ取ろうとする真の悪者だ。そして、俺の“大切なもの”を奪った犯人で間違いない……!」


 怒りをにじませるナハト。
 コイツの大切なもの……?
 そういえば、以前にもそんなことを言っていたような。

 ……まってくれ。

 モラヴィアニが真犯人だって?
 そんな簡単に受け入れられない。
 彼女は協力的だったし、島国ラルゴにも来てくれたぞ。


 クソ……確かめるしかないのか!
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