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元騎士の大技スキル『ソニックブーム』
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ディミトリーは「ラスティ、お前は行方不明になったシベリウスを助けに来ると思ったさ」と不敵に笑う。
「当たり前だろう」
「私とクラウスは、偶然にもこの大穴を見つけた。だが、シベリウスが噂を聞きつけ……ポーションダンジョンと仮称をつけて先遣隊を送ってきやがった」
その偶然によって本物のクラウスとディミトリーが見つかった――というわけだ。で、シベリウスはあの通り、捕らえられてしまったと。
「そうか。騎士たちはどうした?」
「さあな。気づいたら消えちまってたよ……!」
と、ディミトリーはまたしてもニヤニヤと笑う。いちいち不快なヤツだ。
仲間の騎士は恐らく、あのさっきのオークオブザデッドに殺されたか。シベリウスの言う罠とはそのことだろう。
だが、オークは俺が倒した。もう罠なんてないはず。
「さぁて、世界聖書を戴こうか」
スコルの方へ向かうクラウス。俺は当然、シグチュールで庇い静止した。
「やめろ!」
「ふっ。では、一対一に合意だな。ディミトリー! 邪魔をするなよ!」
そう叫ぶクラウス。
遠くで肩をすくめるディミトリーは「はいはい」と返事を返していた。いや、あの感じだと妨害してきそうな気しかしないけどな。
まあいい、クラウスがサシを望むなら俺は構わない。
ただ、俺は剣の腕はそこそこ。一方のクラウスは“元騎士”だ。剣技においては、向こうの方が上だろう。
剣だけでは勝てない。
ならば、無人島開発スキルも駆使していかねば。
身構えていると、クラウスの方から飛び出してきた。
「ラスティ、貴様程度ではこの俺は倒せん!」
防御姿勢の俺のシグチュールにクラウスの剣が落ちてくる。重い一撃に、俺は腕が痺れた。
な、なんて馬鹿力だ……!
いや、これがコイツの基本的な筋力なんだ。
本気を出される前に片付けねば。
「無人島開発スキル『鋼鉄チェーン』!」
なにもない空間からチェーンが現れ、クラウスを捕縛しようとするが――ヤツは剣を巧みに操り全てを弾き飛ばした。
「やはり、その珍妙なスキルを使ったな!」
「……知っていたか」
「当然。ラスティ、お前のスキルは把握済みなんだよ」
距離を取り、剣に青いオーラを纏わせるクラウス。なにかのスキルだ! 危険を感じ、スコル達を守る形で距離を取る。
「大丈夫です、ラスティ様。スコル様はこの自分が命に代えてでも守りますので」
「……分かった! エドゥ、スコルは任せたぞ」
信じるしかない。いや、信じている!
大賢者エドゥアルトの言葉を。
だから俺はディミトリーの方へ走った。全速力で。
「くっ、ラスティ! この私を巻き込む気か!」
「それが手っ取り早いだろうが!」
そんな間にもクラウスは何度も“斬撃”を飛ばしてきた。しかもバカデカい斬撃だ。
地面をえぐってくる刃の形をした何か。
俺は回避して回避しまくった。
くそっ、いくつ飛ばしてくる気だ、あの野郎!
「そら、そらそらッ!! 俺の『ソニックブーム』をとくと味わえ!」
[ソニックブーム]
[攻撃スキル]
[詳細]
風属性の斬撃攻撃。
強烈な風は剣の刃よりも切れ味がある。建物すら真っ二つにできる。
風属性攻撃力 +10000%。
使用者のレベルによっては威力が大幅にアップする。
スキル詳細が現れた。ということは、エドゥの仕事だ。おかげでスキルの特性を理解できた。……なるほどね、これは厄介だな。
だが、内容が分かった以上は対策のしようがある。
「ひ、ひぃぃぃ……」
腰を抜かしているディミトリー。どうやら運よく斬撃が当たらなかったようだ。本当に運のいいやつめ。
コイツはどうでもいいとして、クラウスだ。
今度はこっちの番だ!
「当たり前だろう」
「私とクラウスは、偶然にもこの大穴を見つけた。だが、シベリウスが噂を聞きつけ……ポーションダンジョンと仮称をつけて先遣隊を送ってきやがった」
その偶然によって本物のクラウスとディミトリーが見つかった――というわけだ。で、シベリウスはあの通り、捕らえられてしまったと。
「そうか。騎士たちはどうした?」
「さあな。気づいたら消えちまってたよ……!」
と、ディミトリーはまたしてもニヤニヤと笑う。いちいち不快なヤツだ。
仲間の騎士は恐らく、あのさっきのオークオブザデッドに殺されたか。シベリウスの言う罠とはそのことだろう。
だが、オークは俺が倒した。もう罠なんてないはず。
「さぁて、世界聖書を戴こうか」
スコルの方へ向かうクラウス。俺は当然、シグチュールで庇い静止した。
「やめろ!」
「ふっ。では、一対一に合意だな。ディミトリー! 邪魔をするなよ!」
そう叫ぶクラウス。
遠くで肩をすくめるディミトリーは「はいはい」と返事を返していた。いや、あの感じだと妨害してきそうな気しかしないけどな。
まあいい、クラウスがサシを望むなら俺は構わない。
ただ、俺は剣の腕はそこそこ。一方のクラウスは“元騎士”だ。剣技においては、向こうの方が上だろう。
剣だけでは勝てない。
ならば、無人島開発スキルも駆使していかねば。
身構えていると、クラウスの方から飛び出してきた。
「ラスティ、貴様程度ではこの俺は倒せん!」
防御姿勢の俺のシグチュールにクラウスの剣が落ちてくる。重い一撃に、俺は腕が痺れた。
な、なんて馬鹿力だ……!
いや、これがコイツの基本的な筋力なんだ。
本気を出される前に片付けねば。
「無人島開発スキル『鋼鉄チェーン』!」
なにもない空間からチェーンが現れ、クラウスを捕縛しようとするが――ヤツは剣を巧みに操り全てを弾き飛ばした。
「やはり、その珍妙なスキルを使ったな!」
「……知っていたか」
「当然。ラスティ、お前のスキルは把握済みなんだよ」
距離を取り、剣に青いオーラを纏わせるクラウス。なにかのスキルだ! 危険を感じ、スコル達を守る形で距離を取る。
「大丈夫です、ラスティ様。スコル様はこの自分が命に代えてでも守りますので」
「……分かった! エドゥ、スコルは任せたぞ」
信じるしかない。いや、信じている!
大賢者エドゥアルトの言葉を。
だから俺はディミトリーの方へ走った。全速力で。
「くっ、ラスティ! この私を巻き込む気か!」
「それが手っ取り早いだろうが!」
そんな間にもクラウスは何度も“斬撃”を飛ばしてきた。しかもバカデカい斬撃だ。
地面をえぐってくる刃の形をした何か。
俺は回避して回避しまくった。
くそっ、いくつ飛ばしてくる気だ、あの野郎!
「そら、そらそらッ!! 俺の『ソニックブーム』をとくと味わえ!」
[ソニックブーム]
[攻撃スキル]
[詳細]
風属性の斬撃攻撃。
強烈な風は剣の刃よりも切れ味がある。建物すら真っ二つにできる。
風属性攻撃力 +10000%。
使用者のレベルによっては威力が大幅にアップする。
スキル詳細が現れた。ということは、エドゥの仕事だ。おかげでスキルの特性を理解できた。……なるほどね、これは厄介だな。
だが、内容が分かった以上は対策のしようがある。
「ひ、ひぃぃぃ……」
腰を抜かしているディミトリー。どうやら運よく斬撃が当たらなかったようだ。本当に運のいいやつめ。
コイツはどうでもいいとして、クラウスだ。
今度はこっちの番だ!
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