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ついに現れた“本物”
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行方不明になっていたシベリウスは、そこにいた。
よかった、とりあえず生きていて。けど、罠だって……?
「どういうことだ、シベリウス!」
「クラウスとディミトリーは……」
なにかを必死に訴えているが聞こえない。耳を澄まそうとしても、オークオブザデッドが大斧を俺の目の前に叩き落してきた。
『ズンッ!』
地面が揺れるほどの衝撃。地面は大きな亀裂ができ、その攻撃力を物語っていた。……くっ、シベリウスの救出は後だ。
今はこのオークオブザデッドの討伐に専念せねば――!
遠距離でホーリーアークを飛ばすスコル。けれど、決定打にはなっていない。聖女の力でもダメなら俺がなんとかするしかないな。
猛スピードで突撃し、シグチュールの刃を振るってオークオブザデッドの腹を斬った。
「このォ!!」
『グゥゥゥ……!』
手ごたえは僅か。
やはり、不死のボスモンスターだけあって厄介だな。ライトニングボルトとサンダーボルトも加えていくが――ダメだ。
ならばこれしかないか!
「聖槍グングニル!!」
幸い、ここは『ポーションダンジョン』だ。魔力の回復なら何とかなるさ――!
フルパワーでグングニルを投げつけた。
近距離だったから、一瞬で到達する。オークオブザデッドの頭部を破壊。ヤツはそのままぶっ倒れた。
ズンッと倒壊するように崩れ、オークオブザデッドは塵となりはじめていた。
「わぁ! ラスティさん、やりましたね!」
エドゥに守られるスコルは、ピョンピョン飛び跳ねて自分のことのように喜ぶ。よかった、二人とも無事だな。
「ああ! 次はシベリウスだ」
すぐに助けに行こうとするが“地面”から見知った顔が現れた。
先ほどのオークオブザデッドが召喚されたように、底からクラウスとディミトリーが姿を現したんだ。
「そんなところにいたのか!」
二人は不敵に笑い、俺を認識した。
「ラスティ、久しぶりだな」
「クラウス、お前は“本物”か……?」
「そうとも。こんなダンジョンに身を潜めるハメになったのだぞ。お前のせいでな!」
おそらく、クラウスは俺が発令した『世界討伐』に怒っているのだろう。ディミトリーも同様に「ニセモノはほとんどが狩り尽くされた……」と嘆いていた。
どうやらコイツ等は本物らしいな!
ここで捕縛すれば今度こそ事件解決だ。
シグチュールを再び召喚し、俺は構えた。
「クラウス! まずはシベリウスを解放しろ!」
「上級監督官は人質だ。そう安々と自由にしてなるものか。――それより、騎士の決闘に則り一対一で勝負しないか?」
そう提案するクラウス。確かにこの男はレオポルド騎士団の元騎士。一応、騎士としての矜持はあるようだな。
早くも鞘から剣を抜き片手で構えるクラウス。
「いいだろう。お前を倒し、元老院を正す!」
「ふん。元老院などどうでもよい。それより……」
クラウスは、俺の背後にいるスコルに視線を向けた。……まさか!
「てめえ!」
「気づいたか、ラスティ。そうだ、俺の目的は最初からその聖女。これは『世界聖書』を奪う為の計画だったのだよ……!!」
そういうことかよ!
けどな、スコルには指一本触れさせやしないッ!! 絶対にだ!!
よかった、とりあえず生きていて。けど、罠だって……?
「どういうことだ、シベリウス!」
「クラウスとディミトリーは……」
なにかを必死に訴えているが聞こえない。耳を澄まそうとしても、オークオブザデッドが大斧を俺の目の前に叩き落してきた。
『ズンッ!』
地面が揺れるほどの衝撃。地面は大きな亀裂ができ、その攻撃力を物語っていた。……くっ、シベリウスの救出は後だ。
今はこのオークオブザデッドの討伐に専念せねば――!
遠距離でホーリーアークを飛ばすスコル。けれど、決定打にはなっていない。聖女の力でもダメなら俺がなんとかするしかないな。
猛スピードで突撃し、シグチュールの刃を振るってオークオブザデッドの腹を斬った。
「このォ!!」
『グゥゥゥ……!』
手ごたえは僅か。
やはり、不死のボスモンスターだけあって厄介だな。ライトニングボルトとサンダーボルトも加えていくが――ダメだ。
ならばこれしかないか!
「聖槍グングニル!!」
幸い、ここは『ポーションダンジョン』だ。魔力の回復なら何とかなるさ――!
フルパワーでグングニルを投げつけた。
近距離だったから、一瞬で到達する。オークオブザデッドの頭部を破壊。ヤツはそのままぶっ倒れた。
ズンッと倒壊するように崩れ、オークオブザデッドは塵となりはじめていた。
「わぁ! ラスティさん、やりましたね!」
エドゥに守られるスコルは、ピョンピョン飛び跳ねて自分のことのように喜ぶ。よかった、二人とも無事だな。
「ああ! 次はシベリウスだ」
すぐに助けに行こうとするが“地面”から見知った顔が現れた。
先ほどのオークオブザデッドが召喚されたように、底からクラウスとディミトリーが姿を現したんだ。
「そんなところにいたのか!」
二人は不敵に笑い、俺を認識した。
「ラスティ、久しぶりだな」
「クラウス、お前は“本物”か……?」
「そうとも。こんなダンジョンに身を潜めるハメになったのだぞ。お前のせいでな!」
おそらく、クラウスは俺が発令した『世界討伐』に怒っているのだろう。ディミトリーも同様に「ニセモノはほとんどが狩り尽くされた……」と嘆いていた。
どうやらコイツ等は本物らしいな!
ここで捕縛すれば今度こそ事件解決だ。
シグチュールを再び召喚し、俺は構えた。
「クラウス! まずはシベリウスを解放しろ!」
「上級監督官は人質だ。そう安々と自由にしてなるものか。――それより、騎士の決闘に則り一対一で勝負しないか?」
そう提案するクラウス。確かにこの男はレオポルド騎士団の元騎士。一応、騎士としての矜持はあるようだな。
早くも鞘から剣を抜き片手で構えるクラウス。
「いいだろう。お前を倒し、元老院を正す!」
「ふん。元老院などどうでもよい。それより……」
クラウスは、俺の背後にいるスコルに視線を向けた。……まさか!
「てめえ!」
「気づいたか、ラスティ。そうだ、俺の目的は最初からその聖女。これは『世界聖書』を奪う為の計画だったのだよ……!!」
そういうことかよ!
けどな、スコルには指一本触れさせやしないッ!! 絶対にだ!!
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