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上級監督官が未知のダンジョンで行方不明
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スコルと共に風呂を堪能し、その後は『世界ギルド』へ。
ドヴォルザーク帝国の中央広場付近にある建物。そこへ向かった。
ギルドの前は相変わらず冒険者であふれていた。いや、恐らくは偽クラウスとディミトリーの討伐クエストに人が殺到しているんだろうな。
みんな満足そうな表情を浮かべて帰る人が多い。
手元には『ヴォルムゼル銀貨』が見受けられる。
ほー、結構撃破されているようだな。
つか、偽者自体もかなりの数がいそうだな。
世界ギルドの中へ入って適当な受付嬢を探す。
「盛り上がってるなぁ~」
「そうですね、ラスティさん。みなさん、がんばっているみたいです」
あらゆるギルド、パーティがお祭り騒ぎでワイワイしている。まさか、こんな楽しそうな光景が見られるとは。逆にクラウスとディミトリーには感謝かもしれんな。
受付窓口へ向かうと、エルフ族の若い受付嬢がいた。へえ、珍しい。
「ご利用ありがとうございます。わたくし、エイシャと申します。ご用件をお伺いいたしま――って、皇帝陛下!?」
エルフ族の受付嬢エイシャは、ビビってしまっていた。そんな青ざめなくても。
「や、やあ。ちょっと討伐について聞きたくてね」
「もしかして、偽クラウス議員とディミトリー議員のことです?」
「そうそう。今、順調かい?」
すると、エイシャは太陽のような満面の笑みで「ええ、とても! おかげで世界ギルドも手数料で儲かっていますから!」
なるほどね、討伐手数料を取っているから世界ギルドも懐が潤うわけだな。
それなら良かった。
俺としても、世界ギルドが発展してくれる方が助かる。
うんうんと納得していると、今度はスコルがエイシャに質問していた。
「あの、エイシャさん」
「はい、なんでしょう?」
「本物の議員さんは見つかっていないのでしょうか?」
「そうですね。今のところこれといった情報はありませんね」
大量の偽者ばかり見つかっているという。そこまで数を増やしていたとはな……。こりゃ、探し出すのは相当苦労しそうだな
新たな情報が入ったら教えて欲しいとエイシャに頼み、俺たちは世界ギルドを後にした。
◆
スターバトマーテル城へ戻ると、大広間にエドゥの姿が。それとストレルカにハヴァマールもいた。戻っていたんだな。
「みんな、お疲れ様!」
労いの言葉を三人に投げる。
まず、ハヴァマールが俺に飛びついてきた。
「兄上~! 大変だったのだー!」
俺の胸の中で頬をスリスリとしてくる。子猫みたいで可愛い奴だ。
次にストレルカは俺の左手を握ってきた。
「わたくし、ラスティ様の為にがんばって参りました」
「よくやってくれた、ストレルカ」
「は、はいっ! 貢献できて嬉しく思いますっ」
本当に嬉しそうに微笑むストレルカだが、疲れも見えた。二人ともクタクタのようだな。休ませてあげよう。
「ハヴァマールとストレルカは、ゆっくり休むといい」
二人とも「そうする」と言って大広間から去っていく。……さて、エドゥに聞かねばならない。
視線を察したエドゥは報告を始めた。
「本物の気配は完全に消えています」
「ふむ。見つけ出すのは難しいわけだな?」
こくんと頷くエドゥ。
大賢者である彼女がそう言うのだから、相当な難易度なのだろう。そもそも、偽者が大量に出回りすぎだ。
そこまでの魔力があったということか。
いや、だけど“限度”ってモンがあるだろう。
魔力は無限あるわけではない。
回復アイテムを使ってにいるにしろ、それでも限界はあるはず。
「ですが、気になる場所があります」
「気になる場所?」
「はい。そこはドヴォルザーク帝国の付近にある“未知のダンジョン”です」
「ほお?」
「上級監督官のシベリウスが視察へ行ったそうですが、行方不明です」
「――はい?」
まてまて。
シベリウスが行方不明!?
そういえば、姿がまったく見えないと思ったら……そんなことになっていたのかよ。
ったく、仕方ないな。探しに行ってやるか。
ドヴォルザーク帝国の中央広場付近にある建物。そこへ向かった。
ギルドの前は相変わらず冒険者であふれていた。いや、恐らくは偽クラウスとディミトリーの討伐クエストに人が殺到しているんだろうな。
みんな満足そうな表情を浮かべて帰る人が多い。
手元には『ヴォルムゼル銀貨』が見受けられる。
ほー、結構撃破されているようだな。
つか、偽者自体もかなりの数がいそうだな。
世界ギルドの中へ入って適当な受付嬢を探す。
「盛り上がってるなぁ~」
「そうですね、ラスティさん。みなさん、がんばっているみたいです」
あらゆるギルド、パーティがお祭り騒ぎでワイワイしている。まさか、こんな楽しそうな光景が見られるとは。逆にクラウスとディミトリーには感謝かもしれんな。
受付窓口へ向かうと、エルフ族の若い受付嬢がいた。へえ、珍しい。
「ご利用ありがとうございます。わたくし、エイシャと申します。ご用件をお伺いいたしま――って、皇帝陛下!?」
エルフ族の受付嬢エイシャは、ビビってしまっていた。そんな青ざめなくても。
「や、やあ。ちょっと討伐について聞きたくてね」
「もしかして、偽クラウス議員とディミトリー議員のことです?」
「そうそう。今、順調かい?」
すると、エイシャは太陽のような満面の笑みで「ええ、とても! おかげで世界ギルドも手数料で儲かっていますから!」
なるほどね、討伐手数料を取っているから世界ギルドも懐が潤うわけだな。
それなら良かった。
俺としても、世界ギルドが発展してくれる方が助かる。
うんうんと納得していると、今度はスコルがエイシャに質問していた。
「あの、エイシャさん」
「はい、なんでしょう?」
「本物の議員さんは見つかっていないのでしょうか?」
「そうですね。今のところこれといった情報はありませんね」
大量の偽者ばかり見つかっているという。そこまで数を増やしていたとはな……。こりゃ、探し出すのは相当苦労しそうだな
新たな情報が入ったら教えて欲しいとエイシャに頼み、俺たちは世界ギルドを後にした。
◆
スターバトマーテル城へ戻ると、大広間にエドゥの姿が。それとストレルカにハヴァマールもいた。戻っていたんだな。
「みんな、お疲れ様!」
労いの言葉を三人に投げる。
まず、ハヴァマールが俺に飛びついてきた。
「兄上~! 大変だったのだー!」
俺の胸の中で頬をスリスリとしてくる。子猫みたいで可愛い奴だ。
次にストレルカは俺の左手を握ってきた。
「わたくし、ラスティ様の為にがんばって参りました」
「よくやってくれた、ストレルカ」
「は、はいっ! 貢献できて嬉しく思いますっ」
本当に嬉しそうに微笑むストレルカだが、疲れも見えた。二人ともクタクタのようだな。休ませてあげよう。
「ハヴァマールとストレルカは、ゆっくり休むといい」
二人とも「そうする」と言って大広間から去っていく。……さて、エドゥに聞かねばならない。
視線を察したエドゥは報告を始めた。
「本物の気配は完全に消えています」
「ふむ。見つけ出すのは難しいわけだな?」
こくんと頷くエドゥ。
大賢者である彼女がそう言うのだから、相当な難易度なのだろう。そもそも、偽者が大量に出回りすぎだ。
そこまでの魔力があったということか。
いや、だけど“限度”ってモンがあるだろう。
魔力は無限あるわけではない。
回復アイテムを使ってにいるにしろ、それでも限界はあるはず。
「ですが、気になる場所があります」
「気になる場所?」
「はい。そこはドヴォルザーク帝国の付近にある“未知のダンジョン”です」
「ほお?」
「上級監督官のシベリウスが視察へ行ったそうですが、行方不明です」
「――はい?」
まてまて。
シベリウスが行方不明!?
そういえば、姿がまったく見えないと思ったら……そんなことになっていたのかよ。
ったく、仕方ないな。探しに行ってやるか。
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