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エルフ語で書かれた『ゴールドダンジョン』の謎
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「世界聖書、そんなモノがあるから……!」
ナハトという少年は俺に襲い掛かってくるかと思いきや、スコルの世界聖書を狙っていた。もちろん、させるわけがなかった。
ゲイルチュールでナハトの魔剣を受け止めた。
「なんだ、この程度か」
「慢心したなラスティ」
「なに……?」
「地獄の業火ッ!!」
魔剣ヘルシャフトから黒い炎があふれ出てくる。このまま大爆発を起こすタイプのスキルか――!
ピンチかと思われたが、ルドミラが黙っていなかった。
「なにをしているのです、愚か者!」
黄金の槌『覚醒アマデウス』をナハトの頭上に落とす。ボコォとトンデモナイ音が響いて、彼は地面にメリ込んだ。……うわ、容赦ねえなルドミラのヤツ。
「ぐぼふぁぁ!?!?」
背後からの不意打ちだったから、さすがのナハトも避けきれなかった。というか、あのルドミラの超高速攻撃を回避できるとも思えないが。
「ナイス、ルドミラ」
「いえ。陛下をお守りするのが我が使命でありますから」
「しかし、このナハトをどうするかね」
「大丈夫です。彼から木材をいただきますので」
「いいのか? 俺やスコルのことを恨んでいるような感じだったが」
「ご安心を。ナハトはとても優秀ですが、剣はまだまだです。それに――」
「それに?」
「いえ、今は民の家を建て直す方が優先です」
ルドミラは、気絶してぶっ倒れているナハトを拾い『塔』の中へ。俺もスコルもついていく。
「あの方、心配です……」
「襲われそうになったのにスコルは、あのナハトを気にかけるんだな」
「その、ちょっと怖かったですけど、あの方には事情があるんだと思います」
そうだな。ナハトは世界聖書にこだわっているように思えた。もしかして、なにか因縁のようなものがあるのかもしれない。詳しくは目覚めたら聞こう。
塔の中は“普通の家”が広がっていた。
こ、これは……どこにでもある民家と変わらないぞ。俺が島国ラルゴに建てたような一般市民向けの家に近い。
これが塔だって? 信じられんな。
「どういうカラクリなんだ、これは」
「ラスティくん。ナハトはキコリですが、特殊な能力を持っているんですよ」
「ほう?」
「ダンジョン開発スキルです」
「マジか……そりゃ凄いな。普通、賢者にしか扱えないスキルだったような」
「その通りですが、彼のスキルは少し違うのです。詳しいことは本人から聞いてください」
気になるな。でも、それでこんな塔を作れたわけか。
リビングに入ってルドミラは、ナハトをソファに寝かせた。目をぐるぐる回しているところを見ると、あれはしばらく起きないな。
「この塔のダンジョンとやら見てみようかな」
「ナハトが目覚めるまでは、それがいいでしょう。面倒は見ていますので、ラスティくんとスコル様は行ってみてください」
どうやら階段を上がればダンジョンらしい。そうだな、少しだけ覗いてみるか。
「行こうか、スコル」
「はいっ。支援とか回復は任せてくださいね」
二人きりでダンジョン攻略。こんな風に冒険のように出るとか、いつぶりだろうなぁ。それこそ、無人島時代以来だろうか。
俺もダンジョンを作ろうと考えていたし、参考になる。
どんなダンジョンなのか視察といこうか。
リビングを出て通路を奥へ進む。巨大な扉が見えてきた。
「これか」
「ゴールドダンジョンって書かれていますね」
看板を読み解くスコルだが、俺には読めなかった。……これってエルフ語だよな? なぜ、あの人間族のナハトがエルフ語を。いや、人間でもエルフ語を読めたり話せたりする者はいるけどさ。あの少年が?
「よし、入ってみるか」
「は、はい……!」
スコルを背後に歩かせ、俺は先陣を切る。
扉を開け、ゴールドダンジョンへ進入した。そこには驚くべき光景が広がっていた。
なんだこりゃ……こんなモノをどうやって開発したんだ? これがダンジョンって、信じらねえ!
ナハトという少年は俺に襲い掛かってくるかと思いきや、スコルの世界聖書を狙っていた。もちろん、させるわけがなかった。
ゲイルチュールでナハトの魔剣を受け止めた。
「なんだ、この程度か」
「慢心したなラスティ」
「なに……?」
「地獄の業火ッ!!」
魔剣ヘルシャフトから黒い炎があふれ出てくる。このまま大爆発を起こすタイプのスキルか――!
ピンチかと思われたが、ルドミラが黙っていなかった。
「なにをしているのです、愚か者!」
黄金の槌『覚醒アマデウス』をナハトの頭上に落とす。ボコォとトンデモナイ音が響いて、彼は地面にメリ込んだ。……うわ、容赦ねえなルドミラのヤツ。
「ぐぼふぁぁ!?!?」
背後からの不意打ちだったから、さすがのナハトも避けきれなかった。というか、あのルドミラの超高速攻撃を回避できるとも思えないが。
「ナイス、ルドミラ」
「いえ。陛下をお守りするのが我が使命でありますから」
「しかし、このナハトをどうするかね」
「大丈夫です。彼から木材をいただきますので」
「いいのか? 俺やスコルのことを恨んでいるような感じだったが」
「ご安心を。ナハトはとても優秀ですが、剣はまだまだです。それに――」
「それに?」
「いえ、今は民の家を建て直す方が優先です」
ルドミラは、気絶してぶっ倒れているナハトを拾い『塔』の中へ。俺もスコルもついていく。
「あの方、心配です……」
「襲われそうになったのにスコルは、あのナハトを気にかけるんだな」
「その、ちょっと怖かったですけど、あの方には事情があるんだと思います」
そうだな。ナハトは世界聖書にこだわっているように思えた。もしかして、なにか因縁のようなものがあるのかもしれない。詳しくは目覚めたら聞こう。
塔の中は“普通の家”が広がっていた。
こ、これは……どこにでもある民家と変わらないぞ。俺が島国ラルゴに建てたような一般市民向けの家に近い。
これが塔だって? 信じられんな。
「どういうカラクリなんだ、これは」
「ラスティくん。ナハトはキコリですが、特殊な能力を持っているんですよ」
「ほう?」
「ダンジョン開発スキルです」
「マジか……そりゃ凄いな。普通、賢者にしか扱えないスキルだったような」
「その通りですが、彼のスキルは少し違うのです。詳しいことは本人から聞いてください」
気になるな。でも、それでこんな塔を作れたわけか。
リビングに入ってルドミラは、ナハトをソファに寝かせた。目をぐるぐる回しているところを見ると、あれはしばらく起きないな。
「この塔のダンジョンとやら見てみようかな」
「ナハトが目覚めるまでは、それがいいでしょう。面倒は見ていますので、ラスティくんとスコル様は行ってみてください」
どうやら階段を上がればダンジョンらしい。そうだな、少しだけ覗いてみるか。
「行こうか、スコル」
「はいっ。支援とか回復は任せてくださいね」
二人きりでダンジョン攻略。こんな風に冒険のように出るとか、いつぶりだろうなぁ。それこそ、無人島時代以来だろうか。
俺もダンジョンを作ろうと考えていたし、参考になる。
どんなダンジョンなのか視察といこうか。
リビングを出て通路を奥へ進む。巨大な扉が見えてきた。
「これか」
「ゴールドダンジョンって書かれていますね」
看板を読み解くスコルだが、俺には読めなかった。……これってエルフ語だよな? なぜ、あの人間族のナハトがエルフ語を。いや、人間でもエルフ語を読めたり話せたりする者はいるけどさ。あの少年が?
「よし、入ってみるか」
「は、はい……!」
スコルを背後に歩かせ、俺は先陣を切る。
扉を開け、ゴールドダンジョンへ進入した。そこには驚くべき光景が広がっていた。
なんだこりゃ……こんなモノをどうやって開発したんだ? これがダンジョンって、信じらねえ!
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