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新たなる皇帝誕生
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無事に『ドヴォルザーク帝国』へ帰還した。
そのまま世界ギルドを目指す。
邪魔が入ることもなく、すんなりと到着した。俺はすぐに受付嬢に報告。
第二試練である三種の神器収集を報告。
「はい、間違いなく『ルサルカ』、『イズアール』、『オラトリオ』でございますね」
「これで俺は“皇帝”になれるのか?」
「おめでとうございます。本日よりあなたが“皇帝陛下”にございます」
案外アッサリだった。でも、周囲はかなり沸いた。
「おおおおおおおお! ついに!!」「聖戦が終わったのか!」「え! 元第三皇子ラスティが皇帝に?」「マジかよ……!」「えー、もう終わったの……」「聖戦の勝者はラスティか」「俺はてっきりグランツだと思ったんだがな」「いや、マルクスだろ」「まあ、無難でいいんじゃねーの」「一応、ラスティは島国ラルゴの主だしさ」「これで帝国も安泰かねえ」「さあ、どうだろう」「貴族制度が撤廃されるといいがな」「そうだそうだ、搾取ばかりだ」「まあ、おめでとさん」「いいじゃん、若くて」「私は好みだけどねっ」「いいなあ、皇帝かぁ」「これからどうなるんだ?」
などなど、なんだかんだ注目度抜群だった。
スコルたちも俺を讃ええてくれた。
でも、俺は本当は皇帝になるつもりはなかったんだ。そう、だからこそ――。
「「ちょっと待ったァ!!」」
なんか意義を唱えるヤツが現れた。な、なんだ……!?」
そこには見覚えのある顔が二人。
――って、元第一皇子ワーグナー、元第二皇子ブラームスじゃないか! 馬鹿兄貴たちだった。そういえば、すっかり忘れていたな。
「なんだよ、兄貴たち」
ワーグナーは「ラスティ、この戦いはまだ終わっちゃいない」と言った。続いてブラームスも不敵に笑い「皇帝は俺たちがなる」と言い出した。なんだそりゃ!?
もちろん、周囲からはブーイングが。
「ふざっけんな!!」「ワーグナーとブラームス!? 最悪じゃねーか!」「ねーよ!!」「帰れ帰れ!!」「まだラスティの方がマシだ!!」「ありえねえ!!」「コイツ等が皇帝になったらドヴォルザーク帝国はおしまいだ!!」「そうだ! 二人が皇子の時だって最低なことしまくってたじゃん!」「ずっと大工やってろ、ドアホ!」「そうだそうだ!」「消えろ!」
さすがに二人は嫌われていた。
群衆の言う通り、皇子時代にやりたい放題やっていたからなぁ。俺の島国ラルゴにも度々攻撃しに来ていたし。
それに、性格の悪さは俺は昔から知っているわけでして……。
改心したかと思ったが、こんな最後になって皇帝の座を狙ってきたか。
「うるせえ、雑魚共!!」
「そうだ、ワーグナーの言う通り。愚民どもは所詮、愚民!」
うわ、ひでぇ言いよう。
それだから支持は得られないのだ。
てか、周囲の民がめっちゃ怒ってるぞ。
「兄貴たち、今更俺と戦って勝てると思っているのか?」
俺は妖刀テレジアを向けた。すると、さすがにその存在を知っているようで、二人とも顔を顰めていた。
「「うげっ! テレジア!!」」
なんだ、知っているのか。
妖刀は変化してテレジアに。
「――やれやれですね。ラスティ様、この二人のことは真に受けない方がよろしいかと」
「どういう意味だ?」
「聖戦は終わったのです。なのでワーグナーもブラームスもただ漁夫の利を得ようとしているだけ。でも、あなたとグランツの戦いが凄すぎて介入できなかったようですけどね」
なんだ、兄貴たちも城塞都市に隠れ潜んでいたのかよ。
「どうすればいい」
「簡単なことです。あなたはもうすでに“皇帝”なのです。ただ、追放とつぶやけば彼らを強制的に追放できるわけなのです」
島国ラルゴと同じ理屈か。
「う~ん、どうしようかな」
「ラスティ、私は元老院議長代理として進言しますが、彼らは排除した方が今後の為かと」
「なぜだ」
「コイツ等はグランツに“ある話”を持ちかけていたんですよ」
そうテレジアは、兄貴たちを睨んでいた。……おっと、これは気になる話だな。
「言ってみろ」
「魔王復活計画です。そこの聖女スコルから世界聖書を奪い、冥界の封印を解くという、そんな夢物語です」
な、なんだって……。
魔王復活計画だと!?
確かに『世界聖書』と『魔王』には関係があったな。だが、親父が使ったのは『破壊の書』だったか。そう、偽物だった。
なら、本物で果たして魔王の復活可能なのか?
――いや、出来るから二人は計画を企てたんだ。
「おい、クソ兄貴たち! 魔王復活って本当なんだな」
俺は問い詰める。すると二人とも笑っていた。
「……ははは。ラスティ、俺たちがただ大工してると思ったか!?」
「そうだ。僕らはお前への復讐をずっと考えていたんだ」
やっぱりかよ。
結局この二人は何も変わっちゃいなかったんだな。残念だよ。
「そうか。で、どうする?」
改めて問うとワーグナーが悪魔のような表情で語った。
「このドヴォルザーク帝国を……世界を破壊してやる。人類残らず絶滅させるんだ! それで俺たちの復讐は終――」
「追放だ、バカ」
俺はワーグナーを飛ばした。
「ワーグナーの兄貴がああああああ!! ラスティ、てめええええ!!」
ブラームスがブチギレて向かってくるが、当然俺は「追放」をつぶやく。……シュンと掻き消え、二人ともどこかへ飛ばされた。
……ふぅ、これで終わったな。
そのまま世界ギルドを目指す。
邪魔が入ることもなく、すんなりと到着した。俺はすぐに受付嬢に報告。
第二試練である三種の神器収集を報告。
「はい、間違いなく『ルサルカ』、『イズアール』、『オラトリオ』でございますね」
「これで俺は“皇帝”になれるのか?」
「おめでとうございます。本日よりあなたが“皇帝陛下”にございます」
案外アッサリだった。でも、周囲はかなり沸いた。
「おおおおおおおお! ついに!!」「聖戦が終わったのか!」「え! 元第三皇子ラスティが皇帝に?」「マジかよ……!」「えー、もう終わったの……」「聖戦の勝者はラスティか」「俺はてっきりグランツだと思ったんだがな」「いや、マルクスだろ」「まあ、無難でいいんじゃねーの」「一応、ラスティは島国ラルゴの主だしさ」「これで帝国も安泰かねえ」「さあ、どうだろう」「貴族制度が撤廃されるといいがな」「そうだそうだ、搾取ばかりだ」「まあ、おめでとさん」「いいじゃん、若くて」「私は好みだけどねっ」「いいなあ、皇帝かぁ」「これからどうなるんだ?」
などなど、なんだかんだ注目度抜群だった。
スコルたちも俺を讃ええてくれた。
でも、俺は本当は皇帝になるつもりはなかったんだ。そう、だからこそ――。
「「ちょっと待ったァ!!」」
なんか意義を唱えるヤツが現れた。な、なんだ……!?」
そこには見覚えのある顔が二人。
――って、元第一皇子ワーグナー、元第二皇子ブラームスじゃないか! 馬鹿兄貴たちだった。そういえば、すっかり忘れていたな。
「なんだよ、兄貴たち」
ワーグナーは「ラスティ、この戦いはまだ終わっちゃいない」と言った。続いてブラームスも不敵に笑い「皇帝は俺たちがなる」と言い出した。なんだそりゃ!?
もちろん、周囲からはブーイングが。
「ふざっけんな!!」「ワーグナーとブラームス!? 最悪じゃねーか!」「ねーよ!!」「帰れ帰れ!!」「まだラスティの方がマシだ!!」「ありえねえ!!」「コイツ等が皇帝になったらドヴォルザーク帝国はおしまいだ!!」「そうだ! 二人が皇子の時だって最低なことしまくってたじゃん!」「ずっと大工やってろ、ドアホ!」「そうだそうだ!」「消えろ!」
さすがに二人は嫌われていた。
群衆の言う通り、皇子時代にやりたい放題やっていたからなぁ。俺の島国ラルゴにも度々攻撃しに来ていたし。
それに、性格の悪さは俺は昔から知っているわけでして……。
改心したかと思ったが、こんな最後になって皇帝の座を狙ってきたか。
「うるせえ、雑魚共!!」
「そうだ、ワーグナーの言う通り。愚民どもは所詮、愚民!」
うわ、ひでぇ言いよう。
それだから支持は得られないのだ。
てか、周囲の民がめっちゃ怒ってるぞ。
「兄貴たち、今更俺と戦って勝てると思っているのか?」
俺は妖刀テレジアを向けた。すると、さすがにその存在を知っているようで、二人とも顔を顰めていた。
「「うげっ! テレジア!!」」
なんだ、知っているのか。
妖刀は変化してテレジアに。
「――やれやれですね。ラスティ様、この二人のことは真に受けない方がよろしいかと」
「どういう意味だ?」
「聖戦は終わったのです。なのでワーグナーもブラームスもただ漁夫の利を得ようとしているだけ。でも、あなたとグランツの戦いが凄すぎて介入できなかったようですけどね」
なんだ、兄貴たちも城塞都市に隠れ潜んでいたのかよ。
「どうすればいい」
「簡単なことです。あなたはもうすでに“皇帝”なのです。ただ、追放とつぶやけば彼らを強制的に追放できるわけなのです」
島国ラルゴと同じ理屈か。
「う~ん、どうしようかな」
「ラスティ、私は元老院議長代理として進言しますが、彼らは排除した方が今後の為かと」
「なぜだ」
「コイツ等はグランツに“ある話”を持ちかけていたんですよ」
そうテレジアは、兄貴たちを睨んでいた。……おっと、これは気になる話だな。
「言ってみろ」
「魔王復活計画です。そこの聖女スコルから世界聖書を奪い、冥界の封印を解くという、そんな夢物語です」
な、なんだって……。
魔王復活計画だと!?
確かに『世界聖書』と『魔王』には関係があったな。だが、親父が使ったのは『破壊の書』だったか。そう、偽物だった。
なら、本物で果たして魔王の復活可能なのか?
――いや、出来るから二人は計画を企てたんだ。
「おい、クソ兄貴たち! 魔王復活って本当なんだな」
俺は問い詰める。すると二人とも笑っていた。
「……ははは。ラスティ、俺たちがただ大工してると思ったか!?」
「そうだ。僕らはお前への復讐をずっと考えていたんだ」
やっぱりかよ。
結局この二人は何も変わっちゃいなかったんだな。残念だよ。
「そうか。で、どうする?」
改めて問うとワーグナーが悪魔のような表情で語った。
「このドヴォルザーク帝国を……世界を破壊してやる。人類残らず絶滅させるんだ! それで俺たちの復讐は終――」
「追放だ、バカ」
俺はワーグナーを飛ばした。
「ワーグナーの兄貴がああああああ!! ラスティ、てめええええ!!」
ブラームスがブチギレて向かってくるが、当然俺は「追放」をつぶやく。……シュンと掻き消え、二人ともどこかへ飛ばされた。
……ふぅ、これで終わったな。
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