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大切な人を取り戻せ!! 支配竜ドミネータードラゴン討伐
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俺の放った『エンデュランス』は、グランツを飲み込み――ただでさえ廃墟である城塞都市コーラングレを荒野に変えつつ、光が遠くへ消えていった。
エンデュランスはとてつもない規模の大出力の物理および魔法スキル。
一度放てば止めることは不可能であり、絶対なのだ。
「…………終わったのか」
ボロボロになっていたイズアールがそうつぶやいた。
「イズアール、お前大丈夫かよ!?」
「私のことは気にするな。ケガは軽微だし、回復ポーションで体力は回復した」
それにしては服が派手に裂けているが大丈夫か。イズアールの無事を確認し、俺は改めてグランツの気配を追った。
……フム、なにも感じない。倒したようだな。
「終わった」
「ラスティ、我々の勝利ということでいいのか」
「いや、あとはあのドラゴンを倒さないと」
ルサルカさんとその母親を救出しないと終わりではない。あとイズアールの父親も。
「あの超危険な『ドミネータードラゴン』か……。ヤツは一筋縄ではいかんぞ」
はじめて耳にするドラゴンの名だ。
確かに今までのドラゴンよりもかなり図体もデカく、狂暴そうだ。しかも、グランツを倒した途端、ヤツは殺気を倍増させていた。
今にも空から俺の方に襲い掛かってきそうだ。
『…………グルゥゥゥゥ……』
直後、モンスターの情報が目の前に現れた。
[ドミネータードラゴン]
[属性:光]
[種族:ドラゴン]
[詳細]
東西南北の“東”の頂点に立つドラゴンである。世界に一体しか確認されていない。このドラゴンの放つ『ドミネーターブレス』はあらゆる物質を崩壊させる因子を持つ。
決してペットにはできないドラゴン。
こ、これはハヴァマールの『モンスター解析』スキル!
ということは――。
「お待たせなのだ、兄上!」
「ハヴァマール! みんな! 戻って来たか!」
エドゥの転移で帰ってきていた。スコルやストレルカ、ルドミラたちの姿もあった。良かった、みんな無事だ。
「ラスティさん、ご無事ですか!」
「ああ、スコル。こっちは平気だ。……まあ、ちょっと死にかけたけど」
「え……! どういうことです!?」
不安気に俺を見つめるスコル。ちょっと泣きそうになっているので、俺は釈明した。
「――というわけで、一度だけ冥界に行った」
「そこでお父様に会ったのですね……」
「そうだ。ドヴォルザーク帝国の元皇帝のね」
魔王に勧誘されたことも話した。特に元勇者であるルドミラは驚いていた。
「そ、それは本当ですか……ラスティくん」
「本当だ。親父は俺に支配者になれと、そう言った。でも断ったよ。冥界をぶっ壊してこっちへ戻ってこれたんだ。どういう理屈か分からんけどね」
「ともあれ無事でよかったです。あなたに死んでもらわれては、私だけでなく全員が悲しみますから……!」
「しかし、聖戦は終わったかもしれんが……あの『ドミネータードラゴン』をなんとかしないとな」
「ならば、みんなで協力しましょう!」
「そうだな。それしかない」
全員の残りの力を合わせればきっと勝てる。
もうこんな戦いは終わらせるんだ。
「お待ちを、ラスティ様」
「エドゥ、どうした?」
「ドミネータードラゴンを倒すのは不可能です」
「なに!? それはマジか」
「ええ。ドミネーターブレスを浴びれば、全員お陀仏ですよ」
「……それは困るな」
「ですので、ここは火力を押さえた古代魔導兵器インドラを使うしかないかと」
「え……? 古代魔導兵器を?」
「はい。前に破壊した場所にあったんです。元通りになっていたんですよ。だから、元老院議長マルクスは使えたのでしょうね」
そういうことか。しかし、いくら火力を抑えたとしても大量破壊兵器を使えばマルクスと同じになる。平和の為とはいえな。
俺は正直、インドラの使用には反対だった。
けれど、そうも言っていられないのが実情である。
仕方ない、のか。
『――やれやれですね』
「!? こ、この声……お前、生きていたのか」
俺の隣に出現するテレジア。びっくりした。転移してくるとは。
「グランツはどうした?」
「彼は聖戦に敗北しました。死んではいませんが、目を覚ますことはしばらくありません。なので、勝者であるあなたに下ることに決めました」
そういうことか。元老院議長の息子グランツに協力していたが、気が変わったということか。……妙に信用ならんぞ。ついさっきまで“敵”だったし。
「信じろと?」
「はい。私を……『妖刀テレジア』を使ってください」
「お前を!?」
「そうです。妖刀の力ならドミネータードラゴンを倒せます」
驚いている間にもデレジアは形を変え『妖刀』に変身した。地面に突き刺さった刀を俺は……取った。
今、迷っている暇はないよな!
『グルルルルルルルゥ……!!』
ドミネータードラゴンは俺の殺気に感づいたのか、ブレスを放ってきた。……やっべ、アレを食らえば俺たちは一瞬で塵になるのかよ。ヤバすぎだろ!!
もうやるしかない。
俺は『妖刀』に赤と青の煉獄の炎を纏わせる。
ブレスに対し、俺は奥義スキルを穿つ!
「いけえええええッ! 第六天魔王煉獄殺!!!」
最後の予備魔力も全力全開へ――。
これで終わりだッ!
エンデュランスはとてつもない規模の大出力の物理および魔法スキル。
一度放てば止めることは不可能であり、絶対なのだ。
「…………終わったのか」
ボロボロになっていたイズアールがそうつぶやいた。
「イズアール、お前大丈夫かよ!?」
「私のことは気にするな。ケガは軽微だし、回復ポーションで体力は回復した」
それにしては服が派手に裂けているが大丈夫か。イズアールの無事を確認し、俺は改めてグランツの気配を追った。
……フム、なにも感じない。倒したようだな。
「終わった」
「ラスティ、我々の勝利ということでいいのか」
「いや、あとはあのドラゴンを倒さないと」
ルサルカさんとその母親を救出しないと終わりではない。あとイズアールの父親も。
「あの超危険な『ドミネータードラゴン』か……。ヤツは一筋縄ではいかんぞ」
はじめて耳にするドラゴンの名だ。
確かに今までのドラゴンよりもかなり図体もデカく、狂暴そうだ。しかも、グランツを倒した途端、ヤツは殺気を倍増させていた。
今にも空から俺の方に襲い掛かってきそうだ。
『…………グルゥゥゥゥ……』
直後、モンスターの情報が目の前に現れた。
[ドミネータードラゴン]
[属性:光]
[種族:ドラゴン]
[詳細]
東西南北の“東”の頂点に立つドラゴンである。世界に一体しか確認されていない。このドラゴンの放つ『ドミネーターブレス』はあらゆる物質を崩壊させる因子を持つ。
決してペットにはできないドラゴン。
こ、これはハヴァマールの『モンスター解析』スキル!
ということは――。
「お待たせなのだ、兄上!」
「ハヴァマール! みんな! 戻って来たか!」
エドゥの転移で帰ってきていた。スコルやストレルカ、ルドミラたちの姿もあった。良かった、みんな無事だ。
「ラスティさん、ご無事ですか!」
「ああ、スコル。こっちは平気だ。……まあ、ちょっと死にかけたけど」
「え……! どういうことです!?」
不安気に俺を見つめるスコル。ちょっと泣きそうになっているので、俺は釈明した。
「――というわけで、一度だけ冥界に行った」
「そこでお父様に会ったのですね……」
「そうだ。ドヴォルザーク帝国の元皇帝のね」
魔王に勧誘されたことも話した。特に元勇者であるルドミラは驚いていた。
「そ、それは本当ですか……ラスティくん」
「本当だ。親父は俺に支配者になれと、そう言った。でも断ったよ。冥界をぶっ壊してこっちへ戻ってこれたんだ。どういう理屈か分からんけどね」
「ともあれ無事でよかったです。あなたに死んでもらわれては、私だけでなく全員が悲しみますから……!」
「しかし、聖戦は終わったかもしれんが……あの『ドミネータードラゴン』をなんとかしないとな」
「ならば、みんなで協力しましょう!」
「そうだな。それしかない」
全員の残りの力を合わせればきっと勝てる。
もうこんな戦いは終わらせるんだ。
「お待ちを、ラスティ様」
「エドゥ、どうした?」
「ドミネータードラゴンを倒すのは不可能です」
「なに!? それはマジか」
「ええ。ドミネーターブレスを浴びれば、全員お陀仏ですよ」
「……それは困るな」
「ですので、ここは火力を押さえた古代魔導兵器インドラを使うしかないかと」
「え……? 古代魔導兵器を?」
「はい。前に破壊した場所にあったんです。元通りになっていたんですよ。だから、元老院議長マルクスは使えたのでしょうね」
そういうことか。しかし、いくら火力を抑えたとしても大量破壊兵器を使えばマルクスと同じになる。平和の為とはいえな。
俺は正直、インドラの使用には反対だった。
けれど、そうも言っていられないのが実情である。
仕方ない、のか。
『――やれやれですね』
「!? こ、この声……お前、生きていたのか」
俺の隣に出現するテレジア。びっくりした。転移してくるとは。
「グランツはどうした?」
「彼は聖戦に敗北しました。死んではいませんが、目を覚ますことはしばらくありません。なので、勝者であるあなたに下ることに決めました」
そういうことか。元老院議長の息子グランツに協力していたが、気が変わったということか。……妙に信用ならんぞ。ついさっきまで“敵”だったし。
「信じろと?」
「はい。私を……『妖刀テレジア』を使ってください」
「お前を!?」
「そうです。妖刀の力ならドミネータードラゴンを倒せます」
驚いている間にもデレジアは形を変え『妖刀』に変身した。地面に突き刺さった刀を俺は……取った。
今、迷っている暇はないよな!
『グルルルルルルルゥ……!!』
ドミネータードラゴンは俺の殺気に感づいたのか、ブレスを放ってきた。……やっべ、アレを食らえば俺たちは一瞬で塵になるのかよ。ヤバすぎだろ!!
もうやるしかない。
俺は『妖刀』に赤と青の煉獄の炎を纏わせる。
ブレスに対し、俺は奥義スキルを穿つ!
「いけえええええッ! 第六天魔王煉獄殺!!!」
最後の予備魔力も全力全開へ――。
これで終わりだッ!
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