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城塞都市コーラングレの破壊王

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 俺の魔法攻撃は一瞬でフスの野郎に命中。
 ヤツは建物を突き抜け、吹き飛んだ。
 シュネーヴァイスは、高火力であり高速度で打ち出されるので回避が難しい。

「畳みかける」

 俺はその場から駆けていく。
 もちろん、建設も続けて木造住宅を増設。
 これでマルクスの妨害は防げた。

 フスがぶっ倒れている現場まで建設を続け、俺はヤツを見つけた。


「…………ぐっ」


 ダメージを受けているのか、仰向けで倒れていた。
 思ったより効果抜群ってところか。
 さすが女神のスキル。


「降参するなら今の内だぞ、フス」
「……誰が。今のは油断しただけだ」


 すたっと起き上がり、俺をにらむフス。
 おー、怒っているな。

「諦めるつもりはないのか」
「あるわけないだろう! ラスティとか言ったな。貴様は本当に死にたいらしいな」

 ブチギレたのか、フスは手を構えた。
 英傑召喚をするつもりのようだが、俺は容赦なく妨害した。

「シュネーヴァイス!」
「ぎゃああああああああああ!!」

 フスはまたも吹き飛ぶ。
 今度も大ダメージを追い、どこかに倒れた。
 スコルの世界聖書ウルガタから魔力が供給され続ける限り、俺はスキルを乱発し放題だ。これならフスを追い詰められるぞ。

 そして、俺は何度も、何度もフスに攻撃を与えた。


「これで、どうだッ!!」
「やめ、やめろおおおおおおおおおおおおおお!!」


 もはや、一方的な戦いになっていた。
 だがこれでコイツを倒せるなら楽でいい。
 そう楽観的に思っていたが。


「……!?」


 フスは辛うじて召喚を決めていた。
 シャドウゴーレムを盾にしていた。


「あ……甘く見るなよ、人間! 私はサモンマスターだ。詠唱さえ間に合えば召喚できる。これでお前を地獄に叩き落せるな……」


 しまった。このままでは!
 いや、それよりも早く俺はフスを倒す……!

 シャドウゴーレムを飛び越え、俺はフスを――。


「間に合ええええッ!!」
「フハハハッ! 遅い、遅すぎだああああああああ!! 英傑召喚!!」


 シャドウゴーレムが粉々になると共に、床に大魔法陣が出現。
 こ、これは……まさか。
 本当に英傑を召喚できるというのか。
 それによってルドミラたちは敗北したという。

 いったい、なにが出てくるんだ……?

 注視していると魔法陣から――。


『…………』


 こ、こいつは……なんだ?
 黒いマントに身を包む巨漢。
 渋い貴族のような成りで威圧的。
 白目を剥き、けれどそのオーラは英傑そのものだった。


「紹介しよう。その男は、かつて城塞都市コーラングレの王だった男。ヨセフ・コーラングレという“破壊王”だ。他の国を徹底的に破壊することで知られ、無慈悲で冷血だった」

「なに……」

「だが、彼はやりすぎた。民の暴動により城塞都市は破壊されまくった。最期は処刑されてしまった。だが、私の“英傑召喚”に加わった。ヨセフはあまりに反英雄的に有名で、名の知れた男だったからな」

 それでフスの手に堕ちたというわけか。
 いや、もともと悪だろうから、余計に召喚に応じやすい形となったのか。

 警戒しているとヨセフは自ら魔法陣を出し、その中から人影を取り出していた。


『…………』


 その人物たちに俺は驚いた。

 ルドミラ!
 エドゥにテオドールまで……!


 みんなズタボロにやられ、倒れていた。
 ……ま、まさか死んでいないだろうな!?


「切り札を使うことになるとはな。ラスティ、御覧の通りルドミラたちは私の英傑召喚・ヨセフが捕らえていたのだよ。……ああ、安心しろ。今のところは半殺しにしてある」

「てめええええええええ!!」

「ははははは!! いい顔だ。その顔が見たかった!」


 悪魔のように笑うフス。
 いや、コイツは悪魔だ!!

 俺の大切な仲間を……よくも!!


「フス、お前を倒す」
「その前にヨセフを倒せたらな! まあ、無理だと思うがな!!」


 許さねえ。仲間を傷つける奴は絶対に許さん。
 反英雄だ? 知るか!

 俺は久しぶりにブチギレた。
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