無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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異国ヤマト出身・女侍(弓使い)の武器召喚

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 スコルの淹れてくれた紅茶を飲み干し、俺は一息ついた。
 みんなも落ち着いたようだ。

「あの、ラスティ様。こんなにのんびりしていてよろしいのでしょうか?」

 ストレルカがカップを片付けながら言った。

「ここまでずっと戦闘続きだったし、少しは休憩しないとね」
「なるほど、お気遣い感謝します」

 少しするとリアンとマインドが俺の元にやって来た。
 リアンは相変わらず仮面をしている。それとマインドも目隠しをしている。なので素顔が分からないが雰囲気で察した。
 二人とも俺になにか言いたげだ。

「どうした?」
「マインドが礼を言いたいそうだ」
「そうか」

 俺はマインドに視線を向ける。すると照れくさそうにしていた。
 そういえば性別が不明なんだけど、たぶん、女の子……だよな。

「……ありがとうございました」
「気にしなくていいさ」

 彼女は顔を真っ赤にして、リアンの背後に隠れた。へえ、可愛いな。
 直後、プリーストのボルトが現れ、なぜか鈍器メイスを向けられた。


「それ以上は許しませんよ~」


 顔がオークのように怖いなっ!
 どうやら、ボルトはマインドに好意を寄せているようだな。そう悟った。

 しばらくして、ようやく出発となった。


「兄上……」
「どうした、ハヴァマール。深刻な顔をして」
「嫌な予感がするのだ」
「嫌な予感?」
「うむ。なんだか邪悪な気配を感じるような……」
「マルクスか?」
「いや、正体は分からぬ。警戒はしておくべきなのだ」
「分かった」


 ハヴァマールがそういうのだから間違いない。
 この先には間違いなく『神器』と『古代魔導兵器インドラ』がある。それを狙う残りの聖戦参加者。それと元老院議長のマルクス。

 俺たちの仲間であるルドミラたちが先行しているはず。

 そろそろ向かってみるか。

 どうやら、この城塞都市コーラングレは思った以上に広いらしい。
 ほぼ廃墟ではあるけれど城塞の名に相応しい堅牢な作り。迷宮のように奥が続いている。

 足を踏み外さないよう進む。
 スコルが一番心配なので、俺は手を貸した。

「ありがとうございます、ラスティさん」
「足元に気をつけて。瓦礫が多いからな」
「はいっ」

 それにしても、ここは迷路だな。
 ところどころに高い壁や辛うじて残っている建物のせいか、前進するのに苦労する。こんな歩きづらいと先へ進むのは大変だ。

 城塞都市に入って約十分ほど。
 そこで俺は微かな気配を感じた。

 ……こ、これは確かにハヴァマールに言う通りの邪悪な気配だ。でも、あまりに微量すぎて常人では感知できないレベル。

 立ち尽くしていると俺の横を弓使いの人が通り過ぎた。そういえば、この女性の名前はまだ知らないな。

「拙者はサカモトだ」
「サ、サカモト? それって異国の名……」
「そう、拙者は異国と呼ばれている『ヤマト』の出身。弓使いではあるが、性格には女侍だ」

 ああ、だから侍っぽい衣装なんだ。
 異国の人と出会うのはこれが初めてではない。
 以前、ヤスツナという男と対面しているし、戦っている。
 女性は初めて会うかな。

「へえ、かっこいいな」
「いや、とんでもない。こう見えて刀を振るうのがヘタクソでな。ならばと、弓使いに“くらすちぇんじ”し、矢の代わりに刀を射るようになったのだ」

 そんな経緯が!
 失礼だが、なんだか若干ポンコツ侍の片鱗がっ! 口が裂けても言えないけど。
 でも、刀を射るだなんて逆に器用というか、ある意味天才かもしれないぞ。

「戦闘時は驚いたよ。でも、刀じゃコスパが悪くないか?」
「そうでもない。刀は武器召喚で生成しているから、魔力さえあれば何本でも生み出せる」

 そういう仕組みか。
 などと納得していると、サカモトは弓を構えた。


「どうした?」
「この先に魔物の気配を感じる。拙者に任せるがいい」


 そうか、サカモトも気配を感じ取っていたのか。モンスターがいるなら、彼女にあぶりだしてもらうか。
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