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魔法解除スキル『ディスペル』
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ハヴァマールの分析が完了した。
予想通り、この辺りには魔法が仕掛けらていたようだ。
人を迷わす『ループの魔法』だ。
しかし、なぜそんな魔法がこんなところに。
城塞都市コーラングレへ簡単に入れないようにするためだろうか。
それもそうか。
あの場所には古代魔導兵器が設置されているんだ。それを隠すために、こんな魔法を。
「解除できるか?」
俺は、ハヴァマールに聞いた。
すると「できる」とうなずいた。
「本当か!」
「ただし、余の魔力を使い切ることになりそうだ。これだけの規模だからな」
となると、ここでループの魔法を解除すればハヴァマールは戦えないということか。……仕方ないか。
「分かった。やってくれ」
「了解なのだ」
ハヴァマールは右手を伸ばし、なにかのスキルを発動した。
巨大な光が湖に広がり、そして割れるような音が響く。……解除されたようだな。
「今のはなんでしょう……?」
不思議そうに周囲をみつめるスコル。
疑問に対してハヴァマールは説明してくれた。
「今のは魔法解除の“ディスペル”なのだ。まあ、あまりの魔力消費量に余のディスペルはレベルも低く、一度しか使えぬが」
確か、通常は賢者かソーサラーが覚えるスキルだ。
それを習得しているとは、さすが雷神。
だが、おかげで先へ進むことが可能となった。
「城塞都市コーラングレへ行けるんだな」
「これ以上のトラップがなければ。兄上、気をつけるのだ」
「ああ」
また船を進めていく。
今度はループするような気配もなく、段々と要塞らしき景色が見えてきた。……おぉ、本当にたどり着けそうだぞ。
しかし、俺はそこで異様な魔力を探知した。
同様にストレルカも察したようで叫んでいた。
「ラスティ様! 船です。敵船らしき船が追ってきます!」
「……なッ!」
まさかこのループが解除されるのを待っていたのか。
おそらく『聖戦』の参加者だ。
神器を求めてついてきたか……!
横についてくる船。俺たちより小さい船……というか、ボートに近い。小さな船に二人の男女の姿があった。あれは間違いない。世界ギルドで見た顔だ。
聖戦の参加者だ。
あんな木船なのに、この船の速度についてこれるとは。
どちらかの魔法スキルだろうな。
ということは、ストレルカに匹敵する水属性魔法か精霊使いか。
「ど、どうしましょう……」
「うろたえるな、スコル。向こうはまだこちらに危害を加えてきたわけじゃない。けど、警戒はしておくんだ。もし何かあれば聖戦参加者である俺が対処する」
そうだ、これは聖戦でもあるのだ。
そろそろ対人があっても、おかしくはない時期だ。
ボートの動きを注視していると、男の方が動き始めた。ということは、女の方が船を操っているのか。
「ループを解除してくれてありがとよ!! この先に神器があるんだろ!!」
「やっぱり神器が目的か!」
「ああ、そうだ。悪いがお前たちより先にコーラングレへ入らせてもらう! くらうがいいッ!」
男は杖を召喚してこちらに向けてきた。
野郎、魔法使い系か!!
魔法陣が宙に現れ、そこから赤い炎が放出された。その塊は一瞬でこちらに向かってきた。……やべぇ!
俺はすぐにゲイルチュールを召喚して、敵の魔法スキルを弾いた。
今のは火属性攻撃のファイアーボールってところか。かなりの威力だった。直撃していれば、この船は木っ端みじんだっただろう。
「あぶねえだろうが!」
「吹き飛ばすつもりで撃ったのさ。今度は外さんぞ」
「させるか。その前に沈め!」
俺は無人島開発スキルの罠『落石』を強制発動して、無数の石を落とした。
ガラガラと敵の小舟に石の雨が落ちていく。
「きゃ、きゃあ!? 石が、なぜ石が降ってくるの!!」
「ぐあっ!? ミリア、速度を落とせ」
二人は急速に速度を落としていく。
とりあえず妨害は防げた。
だが、これしきで諦める二人ではないだろう。
「あとはお任せを、ラスティ様」
ストレルカは船を操りながらも、大魔法のタイダルウェーブを発動。湖で大津波が発生してそれが押し寄せていく。これであの二人は脱落だろう。
「「ぎゃああああああああああ!!」
直後、断末魔が聞こえた。
まあ、湖だし死にはしないだろう。
魔法使いのようだし、自分たちでなんとかするはず。
さて、これでようやく城塞都市コーラングレに到着だ――!
予想通り、この辺りには魔法が仕掛けらていたようだ。
人を迷わす『ループの魔法』だ。
しかし、なぜそんな魔法がこんなところに。
城塞都市コーラングレへ簡単に入れないようにするためだろうか。
それもそうか。
あの場所には古代魔導兵器が設置されているんだ。それを隠すために、こんな魔法を。
「解除できるか?」
俺は、ハヴァマールに聞いた。
すると「できる」とうなずいた。
「本当か!」
「ただし、余の魔力を使い切ることになりそうだ。これだけの規模だからな」
となると、ここでループの魔法を解除すればハヴァマールは戦えないということか。……仕方ないか。
「分かった。やってくれ」
「了解なのだ」
ハヴァマールは右手を伸ばし、なにかのスキルを発動した。
巨大な光が湖に広がり、そして割れるような音が響く。……解除されたようだな。
「今のはなんでしょう……?」
不思議そうに周囲をみつめるスコル。
疑問に対してハヴァマールは説明してくれた。
「今のは魔法解除の“ディスペル”なのだ。まあ、あまりの魔力消費量に余のディスペルはレベルも低く、一度しか使えぬが」
確か、通常は賢者かソーサラーが覚えるスキルだ。
それを習得しているとは、さすが雷神。
だが、おかげで先へ進むことが可能となった。
「城塞都市コーラングレへ行けるんだな」
「これ以上のトラップがなければ。兄上、気をつけるのだ」
「ああ」
また船を進めていく。
今度はループするような気配もなく、段々と要塞らしき景色が見えてきた。……おぉ、本当にたどり着けそうだぞ。
しかし、俺はそこで異様な魔力を探知した。
同様にストレルカも察したようで叫んでいた。
「ラスティ様! 船です。敵船らしき船が追ってきます!」
「……なッ!」
まさかこのループが解除されるのを待っていたのか。
おそらく『聖戦』の参加者だ。
神器を求めてついてきたか……!
横についてくる船。俺たちより小さい船……というか、ボートに近い。小さな船に二人の男女の姿があった。あれは間違いない。世界ギルドで見た顔だ。
聖戦の参加者だ。
あんな木船なのに、この船の速度についてこれるとは。
どちらかの魔法スキルだろうな。
ということは、ストレルカに匹敵する水属性魔法か精霊使いか。
「ど、どうしましょう……」
「うろたえるな、スコル。向こうはまだこちらに危害を加えてきたわけじゃない。けど、警戒はしておくんだ。もし何かあれば聖戦参加者である俺が対処する」
そうだ、これは聖戦でもあるのだ。
そろそろ対人があっても、おかしくはない時期だ。
ボートの動きを注視していると、男の方が動き始めた。ということは、女の方が船を操っているのか。
「ループを解除してくれてありがとよ!! この先に神器があるんだろ!!」
「やっぱり神器が目的か!」
「ああ、そうだ。悪いがお前たちより先にコーラングレへ入らせてもらう! くらうがいいッ!」
男は杖を召喚してこちらに向けてきた。
野郎、魔法使い系か!!
魔法陣が宙に現れ、そこから赤い炎が放出された。その塊は一瞬でこちらに向かってきた。……やべぇ!
俺はすぐにゲイルチュールを召喚して、敵の魔法スキルを弾いた。
今のは火属性攻撃のファイアーボールってところか。かなりの威力だった。直撃していれば、この船は木っ端みじんだっただろう。
「あぶねえだろうが!」
「吹き飛ばすつもりで撃ったのさ。今度は外さんぞ」
「させるか。その前に沈め!」
俺は無人島開発スキルの罠『落石』を強制発動して、無数の石を落とした。
ガラガラと敵の小舟に石の雨が落ちていく。
「きゃ、きゃあ!? 石が、なぜ石が降ってくるの!!」
「ぐあっ!? ミリア、速度を落とせ」
二人は急速に速度を落としていく。
とりあえず妨害は防げた。
だが、これしきで諦める二人ではないだろう。
「あとはお任せを、ラスティ様」
ストレルカは船を操りながらも、大魔法のタイダルウェーブを発動。湖で大津波が発生してそれが押し寄せていく。これであの二人は脱落だろう。
「「ぎゃああああああああああ!!」
直後、断末魔が聞こえた。
まあ、湖だし死にはしないだろう。
魔法使いのようだし、自分たちでなんとかするはず。
さて、これでようやく城塞都市コーラングレに到着だ――!
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