無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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女神の大魔法

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 ジャイアントツリーは、俺の存在を認識した。
 ターゲットにされ、敵認定を受けたのだ。モンスターにとってそれは当たり前で自然の行動。
 俺も敵の攻撃に備えて武器を構えて突撃していく。

 テイムする方法なんて分からん。
 けど、アイツを弱らせて従えるくらいできるかもしれない。やってみる価値はあるだろう。
 それに万が一があっても、きっとスコルやみんながなんとかしてくれる。俺はそう信じている。


『――――ズゥゥゥ』


 木々の軋む音が苦しそうに響く。
 大樹は激しく揺れ、太い枝を器用に使いその手を伸ばしてきた。


「……ッ! この枝、伸びるのか!」


 ゲイルチュールの先端を使い、攻撃を弾いていく。
 だが、想像しているよりも遥かに重い打撃に腕が痺れた。……マジか。

 さすがボスモンスターといったところか。
 正直、舐めていた。
 かといって諦めるつもりもない。

 数十メートルはある大樹に向けて、俺は再び突撃する。
 しかし、ジャイアントツリーは枝を複数も伸ばして襲い掛かってきた。ちょ、多すぎだろ、それは――!


「ラ、ラスティさん!!」


 背後でスコルの叫ぶ声がした。


「大丈夫だ! これしき!」


 俺は、己の武器を素早くシグチュールに変化させ、そのまま専用スキルである『シュネーヴァイス』を放った!

 聖剣であるシグチュールの刃から放たれる聖属性攻撃。
 聖なる白き光は砲撃となってジャイアントツリーに激突する。


『グオオオオオオオオオオォォォ…………!』


 確実に大ダメージを与えた。
 さすが女神の大魔法シュネーヴァイス。

 ズシンと地面に倒れていくジャイアントツリー。地響きを鳴らし、そして沈黙した。


「よし!」
「すごいな、ラスティ」


 遠くで見守っているイズアールが感心していた。そんな尊敬のまなざしを向けられると照れるというか。

 でも、まだ勝負が終わったわけではない。

 あのモンスターをテイムできないのなら従えねば!


「強引にでも……!」


 もう一度突撃しようとしたが、そこで声が響いた。


『――まて。雷神の息子よ』
「……!? なんだ? いや、まさかジャイアントツリーのテレパシーなのか」

『そうだ。貴様の力は理解できた。まさかシュネーヴァイスを扱える者がこの世にいようとはな……驚いたぞ』

「え……どういうことだ?」

『それは18000年前に存在したという女神の力だ。間違いない』


 そ、そんな前に女神が存在していたことの方が驚きだよ。
 いや……それよりもまさかジャイアントツリーが話しかけてくるとは。これは乗せてもらうことも出来るかもしれないな。
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