無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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レイドボス『グレートバイソン』

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 小休止して、俺は家の家具を増やしていく。
 家の周辺に畑も作ってみた。
 それほど滞在する予定はないけれど、この辺境地だから自給自足も出来るようにしておかねば。
 この拠点を何かあった場合の緊急避難先にするのもアリだし、別荘にしてもいいかもしれない。

 もし帝国側から文句を言われたら誰かに使って貰うのもいい。きっと誰か喜んで使ってくれるはずさ。


「――ふぅ、こんなところか」
「露天風呂まで作っていただき、ありがとうございます」

 スコルが嬉しそうに俺の手を握る。

「やっぱり、露天風呂は外せないよな!」
「はいっ。で、でも……混浴なんですね」

 顔を赤くして気にするスコル。

「いや、そんなつもりはなかった。交代でいいかなって」
「えっ、ラスティさんも一緒がいいです!」
「なッ! だ、ダメだよ。恥ずかしいし……」
「気にしないでください!」
「気にするよォ!?」

 つい変な声が出てしまう俺。
 スコルだけでも耐えられるか怪しいのに、加えてハヴァマールとストレルカと共にするとか、倒れちゃうって。
 みんな可愛くて美人だからな。スタイルも良いし。

 最近はどんどん可愛いに磨きがかかっている気がする。なんでだろう。

「どうしたんですか?」
「あー…。いや、なんでも――」

 ない、と答えようとしたその時。

 周囲が騒がしくなった。



『ドドドドドドドドドドドドドド…………!!!』



 な、なんだこの足音のような。
 まさかモンスターの足音か!?

 急いで様子を見に行くと、草原を駆ける大きなモンスターの姿があった。


[グレートバイソン]
[属性:地]
[種族:獣人族]
[詳細]
ドヴォルザーク帝国の辺境地に棲むレイドボス。
大型ウシ属モンスター。
凶悪な為、ギルドおよびパーティ単位での攻略を推奨。
地属性魔法『アースクエイク』で壊滅的なダメージを受ける場合がある。


「え、ラスティさん……あの大きいモンスター…」
「あ、ああ。レイドボスだ。俺も始めて見た」


 通常レイドボスは、ダンジョンの奥深くだとか辺境地に棲息する。ああ、そうか。ここは“辺境地”だったな。

 いきなりヤバいモンスターが登場するとはな。

 召喚武器・ゲイルチュールを構え、俺は向かった。

 このままではこの家の方向に突っ込まれるからだ。


「ラスティ様、あれはいったい……!」


 突如、ストレルカの声がした。
 いったいどこから……?

 屋根の上だ!


「ストレルカ、なぜ屋根の上に!?」
「魔法使いは高いところを好むのですよ」

 なぜかドヤ顔で優雅に紅茶を啜るストレルカ。

「え!?」
「もっとも、わたくしは召喚士サモナーですけれど」

「まあいいや。ストレルカ! レイドボスのグレートバイソンが襲ってきた!」

「お任せあれ。――さあ、わたくしの命に従い、その力を示すのです。大精霊オケアノスよ……!」

 巨大な魔法陣が地面に展開し、それから現れる海の大精霊。相変わらず無駄にイケメンの筋肉モリモリマッチョメンだ。どうやら、ストレルカのイメージがそうさせているらしい。ああいうのがタイプなのか……!?

 オケアノスは、素早く向かっていき大魔法のタイダルウェーブを放つ。
 大津波が襲うが、グレートバイソンは飛び跳ねた。

 って、あんな巨体でジャンプできるのかよ……!

「マジか!」
「え!」
「ウソッ!?」

 俺もスコルも、そしてストレルカも驚愕した。
 おいおい、二階建ての家ほどあるモンスターだぞ。あんな身軽に跳べるものなのか?

 次はどうするべきか思考していると、なにか声が聞こえた。


『……やれやれ。いきなり攻撃とはな……』


「!? グレートバイソンが喋った!?」


『やはり人間とは凶暴で醜悪なのか。ならば聖戦を止めねばならぬかもな』


 な、なぜ聖戦のことを!
 このモンスターはいったい何者なんだ……?
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