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上級監督官シベリウス
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聖戦はついに始まった。
冒険者は一斉に走り出してメテオドラゴンの巣を目指していく。まるで軍隊の移動のようだ。
だが、普通に歩いて向かっては日が暮れる
賢い連中は徒歩ではなく、別のルートを使っているようだ。
俺もショートカットがあると睨んでいた。
「兄上、歩いて行くのは賢くない」
「ハヴァマールも気づいたか」
「うむ。馬車でも一日は掛かるのだ」
そうか、ハヴァマールはメテオドラゴンあの生息地を知っているんだな。
「となるとワープポータルかな」
「いや、聖戦の影響で転移魔法は“使用禁止”にされるのだ」
「マジか」
「うむ。となると飛行が早い」
「飛行って……飛べないだろう」
「んや、方法がいくつかある。でも、確実なのは……」
なぜか騎士団の方を向くハヴァマール。ま、まさか……!
俺は察した。
レオポルド騎士団には『ドラゴン部隊』も存在する。
おいおい、まさか借りるのか。
ドラゴンを討伐しに行くのに、よりによってドラゴンに乗っていくとは。
妙な感情の中、ストレルカが手を叩いた。
「名案だと思います! わたくしも騎士団には顔が利きますし、交渉してもよいかと」
「ふむぅ、そうだな。ストレルカの力も借りるか」
いやけど、まてよ。
そうだ、こんな時こそ上級監督官のシベリウスに会って話すべきだ。そもそも、アイツがしっかりしないから元老院が調子に乗っているんだ。
帝国の状況も知りたいし、いったんシベリウスのところへ向かおう。
「兄上、どうしたのだ?」
「ああ……ハヴァマール。ちなみに、ドラゴンで片道何時間だ?」
「一時間も掛からないのだ」
「なるほどね。よし、じゃあ、まずはシベリウスを捕まえる」
「親友を頼るのだな」
「そういうこと」
となると、そうだな。ここはさっそく、ストレルカに動いてもらうか。
視線を向けると彼女は察してくれた。
「わたくしにお任せを。シベリウス様の居場所は聞いておりますので」
「分かった。呼んできてくれ」
「はい。では、少々お待ちを」
ストレルカは、城方面へ向かった。
俺がそっちへ行けないから助かる。
しばらくは待とう。
◆
三十分ほどしてストレルカとシベリウスがやって来た。
「ついに聖戦に参加しに来たか、ラスティ」
「久しぶりだな、シベリウス」
「まあな」
シベリウスは、上級監督官らしい豪勢な服やアクセサリーで着飾っている。けど、顔は疲れているようだな。
「この僕に用だって?」
「そうなんだ、シベリウス。レオポルド騎士団のドラゴンを借りたい」
「なるほど。ドラゴンに乗ってメテオドラゴンを討伐しに行くんだな」
「なんだ知っていたのか」
「ここへ来る前にストレルカ嬢から聞いたのさ」
話していたのか。それは話が早くて助かるけど。
「シベリウス、頼む」
「……仕方ないな」
「いいのか!?」
「ああ。親友のお前の頼みとあれば断る理由はない」
「ありがとう!」
「それに、元老院が気に食わなくてね」
「ああ……やっぱり、そうなのか」
「マルクスがどんどん勢力を伸ばしている。このままでは帝国はヤツに乗っ取られるだろう」
「マジか」
「可能性は十分にある。だからこそ、ラスティに力を貸す」
俺はシベリウスを握手を交わす。
こんな時、頼れる親友がいて助かった。
冒険者は一斉に走り出してメテオドラゴンの巣を目指していく。まるで軍隊の移動のようだ。
だが、普通に歩いて向かっては日が暮れる
賢い連中は徒歩ではなく、別のルートを使っているようだ。
俺もショートカットがあると睨んでいた。
「兄上、歩いて行くのは賢くない」
「ハヴァマールも気づいたか」
「うむ。馬車でも一日は掛かるのだ」
そうか、ハヴァマールはメテオドラゴンあの生息地を知っているんだな。
「となるとワープポータルかな」
「いや、聖戦の影響で転移魔法は“使用禁止”にされるのだ」
「マジか」
「うむ。となると飛行が早い」
「飛行って……飛べないだろう」
「んや、方法がいくつかある。でも、確実なのは……」
なぜか騎士団の方を向くハヴァマール。ま、まさか……!
俺は察した。
レオポルド騎士団には『ドラゴン部隊』も存在する。
おいおい、まさか借りるのか。
ドラゴンを討伐しに行くのに、よりによってドラゴンに乗っていくとは。
妙な感情の中、ストレルカが手を叩いた。
「名案だと思います! わたくしも騎士団には顔が利きますし、交渉してもよいかと」
「ふむぅ、そうだな。ストレルカの力も借りるか」
いやけど、まてよ。
そうだ、こんな時こそ上級監督官のシベリウスに会って話すべきだ。そもそも、アイツがしっかりしないから元老院が調子に乗っているんだ。
帝国の状況も知りたいし、いったんシベリウスのところへ向かおう。
「兄上、どうしたのだ?」
「ああ……ハヴァマール。ちなみに、ドラゴンで片道何時間だ?」
「一時間も掛からないのだ」
「なるほどね。よし、じゃあ、まずはシベリウスを捕まえる」
「親友を頼るのだな」
「そういうこと」
となると、そうだな。ここはさっそく、ストレルカに動いてもらうか。
視線を向けると彼女は察してくれた。
「わたくしにお任せを。シベリウス様の居場所は聞いておりますので」
「分かった。呼んできてくれ」
「はい。では、少々お待ちを」
ストレルカは、城方面へ向かった。
俺がそっちへ行けないから助かる。
しばらくは待とう。
◆
三十分ほどしてストレルカとシベリウスがやって来た。
「ついに聖戦に参加しに来たか、ラスティ」
「久しぶりだな、シベリウス」
「まあな」
シベリウスは、上級監督官らしい豪勢な服やアクセサリーで着飾っている。けど、顔は疲れているようだな。
「この僕に用だって?」
「そうなんだ、シベリウス。レオポルド騎士団のドラゴンを借りたい」
「なるほど。ドラゴンに乗ってメテオドラゴンを討伐しに行くんだな」
「なんだ知っていたのか」
「ここへ来る前にストレルカ嬢から聞いたのさ」
話していたのか。それは話が早くて助かるけど。
「シベリウス、頼む」
「……仕方ないな」
「いいのか!?」
「ああ。親友のお前の頼みとあれば断る理由はない」
「ありがとう!」
「それに、元老院が気に食わなくてね」
「ああ……やっぱり、そうなのか」
「マルクスがどんどん勢力を伸ばしている。このままでは帝国はヤツに乗っ取られるだろう」
「マジか」
「可能性は十分にある。だからこそ、ラスティに力を貸す」
俺はシベリウスを握手を交わす。
こんな時、頼れる親友がいて助かった。
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