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帝国に集う『聖戦』の参加者たち
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冒険者ギルドに到着。
外は相変わらず混雑しており、スタッフ各々が転移作業に追われていた。建物内では対処しきれないというわけか。
俺たちはトレニアさんが専属で対応してくれる。
「ご利用ありがとうございます、ラスティ様」
「さっそく頼むよ」
「分かりました。では、ワープポータルを展開いたします」
光の柱が出現した。
この中へ飛び込めば一瞬でドヴォルザーク帝国だ。
「ついにか……」
「お気をつけて」
「ありがとう、トレニアさん」
「いえいえ。お帰りの際は世界ギルドをご利用くださいませ」
「ああ、そうするよ」
俺はワープポータルへ飛び込んだ。
続いてスコルやハヴァマール、そしてストレルカ。グランツもついてきた。当然か。
◆
光を抜けると、その先は『ドヴォルザーク帝国』の噴水広場だった。
カーニバルかと見間違えるほどに混雑しており、ほぼ缶詰状態。
まてまて、こんなに聖戦の参加者がいるのかよ……!
「わぁ……ラスティさん。なんですか、この人混み!」
「スコル、俺のそばから離れるなよ」
「は、はい……」
それから直ぐにハヴァマールとストレルカも到着。
「うぉ!? なんなのだ、これは!」
「迷子にならないよう気をつけろよ、ハヴァマール」
「人の波にさらわれそうなのだ……。兄上、手を握ってくれなのだ」
ハヴァマールが一番背が低いし、見失う可能性が高い。
手を握ってやろうと思ったけど肩車の方がいいかもしれない。
「ハヴァマール、肩に乗るか?」
「んなッ! 兄上、まさか肩車を……!?」
頬を赤くするハヴァマール。しかし、まんざらでもない顔をしていた。いや、やっぱりよそう……。
「手にしておく」
「そんな~!」
期待していたのかよ。
いや、そんな場合ではないな。
次にストレルカだ。
「な、なんという熱気なのでしょう……」
「ストレルカ、はぐれないよう気をつけて」
「は、はいっ」
最後にグランツだが、姿がなかった。もうどこかへ消えたのか? まあいいや、アイツはもう敵だ。俺たちは俺たちでやるだけだ。
……さて、まずは落ち着ける場所を探したいな。
どこかいい場所はないものか。
「……あ。そうだ! ストレルカの家はどうかな」
「わたくしの家ですか。でも、お父様が……」
そうだった。
ゲルンスハイム帝領伯とは、少しだけ気まずいんだよな。けど、今は事情が事情だ。きっと分かってくれるはず。
「大丈夫。俺が説得するよ」
「ラスティ様がそこまでおっしゃるなら……」
ストレルカは複雑そうな表情をしていたが、決心してくれた。決まりだな。
人混みを抜けてストレルカの屋敷を目指す。
中央噴水広場からは、少し距離がある。
階段を上がって城の方角を目指す。
少しだけ往来が減ったが、それでも多い。いったい、どれだけ参加するんだ。
こんなにも皇帝になりたい人が世の中にいたとはな。
ようやくストレルカの屋敷が見えてきた。
ここまで来ると人の往来も減少。
貴族しかいない。
「こちらです」
ストレルカの後をついていく。
門を通り、そのまま玄関まで歩いて――到着。久しぶりに来たな。
直後、扉が開いて中から人が飛びでてきた。
な、なんだ……!?
「ストレルカ! ストレルカ!!」
あれはゲルンスハイム帝領伯だ。まさか、ストレルカの帰宅を予知していたのか。
帝領伯は、ストレルカを抱きしめて泣いていた。
「お、お父様……恥ずかしいのでやめてください……」
「なにを言う、我が娘ストレルカ。ずっと家に帰ってこないから心配したのだぞ。もう、島国ラルゴに戻る必要はない。お見合いもしなくていい! お前は自由だ」
「いえ、わたくしの身も心もラスティ様のものです」
ストレルカはハッキリ断言した。
殺意の眼差しで睨まれる俺。
めちゃくちゃ怖いんですけど……。
「ゲルンスハイム帝領伯、ちょっと話をよろしいでしょうか」
「……うむぅ。今や島国ラルゴの主である君の話を断れるはずもない。いいだろう、中へ入りたまえ」
なんとか話を聞いてもらえそうだ。
妙な空気の中、ハヴァマールが心配そうに声を漏らした。
「兄上、大丈夫なのだ?」
「ああ、上手くやるさ」
「がんばるのだ」
そう、今はがんばるしかない。
この聖戦を終わらせる為にも。
外は相変わらず混雑しており、スタッフ各々が転移作業に追われていた。建物内では対処しきれないというわけか。
俺たちはトレニアさんが専属で対応してくれる。
「ご利用ありがとうございます、ラスティ様」
「さっそく頼むよ」
「分かりました。では、ワープポータルを展開いたします」
光の柱が出現した。
この中へ飛び込めば一瞬でドヴォルザーク帝国だ。
「ついにか……」
「お気をつけて」
「ありがとう、トレニアさん」
「いえいえ。お帰りの際は世界ギルドをご利用くださいませ」
「ああ、そうするよ」
俺はワープポータルへ飛び込んだ。
続いてスコルやハヴァマール、そしてストレルカ。グランツもついてきた。当然か。
◆
光を抜けると、その先は『ドヴォルザーク帝国』の噴水広場だった。
カーニバルかと見間違えるほどに混雑しており、ほぼ缶詰状態。
まてまて、こんなに聖戦の参加者がいるのかよ……!
「わぁ……ラスティさん。なんですか、この人混み!」
「スコル、俺のそばから離れるなよ」
「は、はい……」
それから直ぐにハヴァマールとストレルカも到着。
「うぉ!? なんなのだ、これは!」
「迷子にならないよう気をつけろよ、ハヴァマール」
「人の波にさらわれそうなのだ……。兄上、手を握ってくれなのだ」
ハヴァマールが一番背が低いし、見失う可能性が高い。
手を握ってやろうと思ったけど肩車の方がいいかもしれない。
「ハヴァマール、肩に乗るか?」
「んなッ! 兄上、まさか肩車を……!?」
頬を赤くするハヴァマール。しかし、まんざらでもない顔をしていた。いや、やっぱりよそう……。
「手にしておく」
「そんな~!」
期待していたのかよ。
いや、そんな場合ではないな。
次にストレルカだ。
「な、なんという熱気なのでしょう……」
「ストレルカ、はぐれないよう気をつけて」
「は、はいっ」
最後にグランツだが、姿がなかった。もうどこかへ消えたのか? まあいいや、アイツはもう敵だ。俺たちは俺たちでやるだけだ。
……さて、まずは落ち着ける場所を探したいな。
どこかいい場所はないものか。
「……あ。そうだ! ストレルカの家はどうかな」
「わたくしの家ですか。でも、お父様が……」
そうだった。
ゲルンスハイム帝領伯とは、少しだけ気まずいんだよな。けど、今は事情が事情だ。きっと分かってくれるはず。
「大丈夫。俺が説得するよ」
「ラスティ様がそこまでおっしゃるなら……」
ストレルカは複雑そうな表情をしていたが、決心してくれた。決まりだな。
人混みを抜けてストレルカの屋敷を目指す。
中央噴水広場からは、少し距離がある。
階段を上がって城の方角を目指す。
少しだけ往来が減ったが、それでも多い。いったい、どれだけ参加するんだ。
こんなにも皇帝になりたい人が世の中にいたとはな。
ようやくストレルカの屋敷が見えてきた。
ここまで来ると人の往来も減少。
貴族しかいない。
「こちらです」
ストレルカの後をついていく。
門を通り、そのまま玄関まで歩いて――到着。久しぶりに来たな。
直後、扉が開いて中から人が飛びでてきた。
な、なんだ……!?
「ストレルカ! ストレルカ!!」
あれはゲルンスハイム帝領伯だ。まさか、ストレルカの帰宅を予知していたのか。
帝領伯は、ストレルカを抱きしめて泣いていた。
「お、お父様……恥ずかしいのでやめてください……」
「なにを言う、我が娘ストレルカ。ずっと家に帰ってこないから心配したのだぞ。もう、島国ラルゴに戻る必要はない。お見合いもしなくていい! お前は自由だ」
「いえ、わたくしの身も心もラスティ様のものです」
ストレルカはハッキリ断言した。
殺意の眼差しで睨まれる俺。
めちゃくちゃ怖いんですけど……。
「ゲルンスハイム帝領伯、ちょっと話をよろしいでしょうか」
「……うむぅ。今や島国ラルゴの主である君の話を断れるはずもない。いいだろう、中へ入りたまえ」
なんとか話を聞いてもらえそうだ。
妙な空気の中、ハヴァマールが心配そうに声を漏らした。
「兄上、大丈夫なのだ?」
「ああ、上手くやるさ」
「がんばるのだ」
そう、今はがんばるしかない。
この聖戦を終わらせる為にも。
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