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謎のパティシエ現る。美味すぎるケーキに舌鼓を打つ
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城へ戻り、スコルたちを探した。
しかし、みんな出払っているようで気配を感じない。
「どうやら、みなさん用事でお忙しいようですね」
エドゥも同じく気配を感じ取ったようで、そう言った。確かに、疎らだ。
どうしたものかと考えていると、アルフレッドがやってきた。
「おかえりなさいませ、ラスティ様。エドゥ様」
「よう、アルフレッド。みんなは?」
「みなさまお出掛け中でございます」
「やっぱりそうか」
しばらく城で待つしかないかな。
仕方ないので、エドゥを連れて食堂でのんびり過ごす。
紅茶を飲んだり、甘いお菓子を食べたりして、みんなを待った。
少し経ってやっとスコルとハヴァマールが帰ってきた。
「ただいまです、ラスティさん!」
「ただいまなのだ、兄上~」
二人とも何か買ってきたようだった。
「それはいったい?」
「ああ、これはですね……ケーキなんです!」
「お、おぉ! 街にケーキなんて売ってるんだな」
「はい。最近、すっごく有名なパティシエさんがお店を開いたようなのです」
有名なパティシエだって?
それは知らなかったなぁ。
「兄上、その顔は知らなかったって顔だな」
「その通りだよ、ハヴァマール。で、その有名人って?」
「う~む、あの方はなんというか……。うむむ」
なんか言い辛そうというか、困った顔をするハヴァマール。なんでそんな詰まるかな?
「あの方って、どんな方だよ?」
「それは……」
歯切れの悪い。
こうなったらスコルだ。
「なあ、スコル。パティシエさんって?」
「あの方ですね! ……はい、あの方です」
「だから名前とか……」
「それが、難しい名前で……覚えられないんです」
悲し気に悔しそうにするスコル。まてまて、そんな変な名前なのだろうか。
まあいいや、いずれ会うこともあるだろう。
その時を待とう。
「分かった。それより、話しもあるしケーキを食べながら、どうだい?」
「賛成です! みなさんも招きましょう」
決まったところで、しばらく仲間を待った。
ストレルカとテオドールが合流。
来れない人は後ほど食べてもらうことにした。
「まあ、これはとても美味しそうなケーキですね!」
「ストレルカ。このケーキを買ってきたのはスコルとハヴァマールだ」
「そうなのですね。この島国ラルゴに、こんな目を楽しませてくれるケーキがあるとは知りませんでした」
確かに、ホールケーキでイチゴの盛り付けが凄い豪華だ。クリームも満載。ブルーベリーなどフルーツ類もふんだんに使われている。
「どうぞ、ストレルカさん」
スコルがケーキを切り分けてくれた。
「いや~、これは驚いたよ。ラスティ」
「テオドール、ケーキは好きか?」
「ああ、私の大好物でね。ケーキは帝国での贅沢品。滅多に食べられない」
そういえば、そうだ。
ケーキは貴族の間でしか食べれない高級スイーツ。それがこんな風に流通するようになるなんて、そのパティシエさんとは、よっぽどの腕というか……元ドヴォルザーク帝国の住民だったのかもしれない。
席につき、さっそくケーキを味わう。
フォークで一口サイズを刺し、口の中へ……うまっ! クリームとイチゴの融合……甘酸っぱくて完璧。トロっと溶けてしまう食感。口内で消えてなくなった。
俺は第三皇子時代、よくケーキを口にしたが、あの当時の食感を思い出した。
そうだ、これはあの時のケーキにそっくりだ!
「こりゃ、美味い!」
みんなも大満足していた。
「はい、ラスティさん。このケーキ、とても美味しいです!」
「そうだよな、スコル。これを食べていると聖戦なんて忘れちゃうな」
なんて俺が冗談交じりに言うと、ハヴァマールが物凄い勢いで立ち上がった。
「あぁっ!!」
「ど、どうした。ハヴァマール……」
「兄上、あのパティシエさんのことなのだ!!」
「急に意味分からんぞ。ちゃんと話してくれ」
「そ、そうなのだ。うん、さっきは悪かったのだ。パティシエさんと聖戦のことで話があるのだ」
なんだって?
関連することなのか……。
しかし、みんな出払っているようで気配を感じない。
「どうやら、みなさん用事でお忙しいようですね」
エドゥも同じく気配を感じ取ったようで、そう言った。確かに、疎らだ。
どうしたものかと考えていると、アルフレッドがやってきた。
「おかえりなさいませ、ラスティ様。エドゥ様」
「よう、アルフレッド。みんなは?」
「みなさまお出掛け中でございます」
「やっぱりそうか」
しばらく城で待つしかないかな。
仕方ないので、エドゥを連れて食堂でのんびり過ごす。
紅茶を飲んだり、甘いお菓子を食べたりして、みんなを待った。
少し経ってやっとスコルとハヴァマールが帰ってきた。
「ただいまです、ラスティさん!」
「ただいまなのだ、兄上~」
二人とも何か買ってきたようだった。
「それはいったい?」
「ああ、これはですね……ケーキなんです!」
「お、おぉ! 街にケーキなんて売ってるんだな」
「はい。最近、すっごく有名なパティシエさんがお店を開いたようなのです」
有名なパティシエだって?
それは知らなかったなぁ。
「兄上、その顔は知らなかったって顔だな」
「その通りだよ、ハヴァマール。で、その有名人って?」
「う~む、あの方はなんというか……。うむむ」
なんか言い辛そうというか、困った顔をするハヴァマール。なんでそんな詰まるかな?
「あの方って、どんな方だよ?」
「それは……」
歯切れの悪い。
こうなったらスコルだ。
「なあ、スコル。パティシエさんって?」
「あの方ですね! ……はい、あの方です」
「だから名前とか……」
「それが、難しい名前で……覚えられないんです」
悲し気に悔しそうにするスコル。まてまて、そんな変な名前なのだろうか。
まあいいや、いずれ会うこともあるだろう。
その時を待とう。
「分かった。それより、話しもあるしケーキを食べながら、どうだい?」
「賛成です! みなさんも招きましょう」
決まったところで、しばらく仲間を待った。
ストレルカとテオドールが合流。
来れない人は後ほど食べてもらうことにした。
「まあ、これはとても美味しそうなケーキですね!」
「ストレルカ。このケーキを買ってきたのはスコルとハヴァマールだ」
「そうなのですね。この島国ラルゴに、こんな目を楽しませてくれるケーキがあるとは知りませんでした」
確かに、ホールケーキでイチゴの盛り付けが凄い豪華だ。クリームも満載。ブルーベリーなどフルーツ類もふんだんに使われている。
「どうぞ、ストレルカさん」
スコルがケーキを切り分けてくれた。
「いや~、これは驚いたよ。ラスティ」
「テオドール、ケーキは好きか?」
「ああ、私の大好物でね。ケーキは帝国での贅沢品。滅多に食べられない」
そういえば、そうだ。
ケーキは貴族の間でしか食べれない高級スイーツ。それがこんな風に流通するようになるなんて、そのパティシエさんとは、よっぽどの腕というか……元ドヴォルザーク帝国の住民だったのかもしれない。
席につき、さっそくケーキを味わう。
フォークで一口サイズを刺し、口の中へ……うまっ! クリームとイチゴの融合……甘酸っぱくて完璧。トロっと溶けてしまう食感。口内で消えてなくなった。
俺は第三皇子時代、よくケーキを口にしたが、あの当時の食感を思い出した。
そうだ、これはあの時のケーキにそっくりだ!
「こりゃ、美味い!」
みんなも大満足していた。
「はい、ラスティさん。このケーキ、とても美味しいです!」
「そうだよな、スコル。これを食べていると聖戦なんて忘れちゃうな」
なんて俺が冗談交じりに言うと、ハヴァマールが物凄い勢いで立ち上がった。
「あぁっ!!」
「ど、どうした。ハヴァマール……」
「兄上、あのパティシエさんのことなのだ!!」
「急に意味分からんぞ。ちゃんと話してくれ」
「そ、そうなのだ。うん、さっきは悪かったのだ。パティシエさんと聖戦のことで話があるのだ」
なんだって?
関連することなのか……。
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