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S級クラスの妖刀
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浜辺に倒れているグランツは直ぐに立ち上がり、バスタードソードを構えた。回復が早いな。
「ドヴォルザーク帝国に帰れ!」
「断る。それに決めた。この島国ラルゴを更地にしてやるとな!」
コイツ、今度は魔王みたいなことを言いやがった。
もう完全に聖戦とは関係がない。
これはただの侵略でしかない。
「そうか、よく分かった。グランツ、お前はこの島国ラルゴから追放する」
「おっと、そうはいかねえ!」
グランツは気づいたのか、海の方へジャンプして宙に浮いていた。
俺は今、島国ラルゴの主としての権限を使った。
だが、グランツが『追放』されることはなかった。
通常、追放を宣言すると対象はどこかへ強制転移される。しかし、グランツは咄嗟の判断で海の方角へ飛び“重力”使って浮遊していた。
あれの意味するところは俺も察していた。
「お前……」
「そう、私は今、島国ラルゴの外にいる。どうやら、領空にはなっていなかったようだな」
……しまった。
領土と領海までは『無人島開発スキル』で設定されている。だが、領空までは手が回っていなかった。
そもそも、領空侵犯なんて滅多に起こるものでもなかった。
だから、領空に関しては手つかずのままだったのだ。
「なら、お前を叩きとし、気絶させて送り返してやる」
「この重力使いの私を叩き落とす? 不可能だ」
浮きながらも、グランツはバスタードソードでグラビティを放つ。あんな芸当も可能なのか。
確かに、重力は見えなくて厄介なスキルだ。だが、微量の魔力を感じる。俺はその僅かな歪みを頼りに回避しつつも、反撃。ヴェラチュールをブン投げた。
「おりゃっ!」
「くッ……!」
俺の反撃に焦るグランツ。
しかし、辛うじて重力スキルで俺のヴェラチュールを止めた。惜しい……!
「そう簡単には命中しないか」
「あ、当たり前だ……! だが、今のは少し焦った」
「じゃあ、もうお前に勝ち目はないな。出ていけ」
「そうはいかん。私の辞書に諦めるという言葉はないのだからな!」
そこまでしてラルゴを認めない気か。
追放しようにも浮かれていてはな……。
となると気絶させてでも追い出さないと。
ゲイルチュールを再召喚して、俺は再び構えた。グランツはバスタードソードをおさめて、今度は腰に帯刀している“刀”を抜いた。本気ってことか。
「この刀を使うことになろうとはな」
「それがどうした」
「これは我が家に代々伝わる神器にして宝刀。今まで使っていたバスタードソードとは比べ物にならない魔力を持つ」
「そうか。その前に叩き潰してやる」
「お前はなにも分かっていない、ラスティ」
「なに!?」
鞘から刀を抜くグランツ。
刃がギラギラと妖しい光を放ち、禍々しい魔力を帯び始めた。……ありゃ、妖刀かよ。
「かつての強いドヴォルザーク帝国を取り戻すために、私はお前を倒す」
「そりゃ、魔王が乗っ取っていた邪悪な帝国ってことだぞ」
「そんなことは百も承知。あの栄光こそ、現在に必要。このままでは帝国は衰退の一途を辿るだけ……ならば、聖戦でこの私が皇帝になるしかあるまい!」
「お前みたいな危険なヤツを皇帝にしてたまるか!」
止めねばならない。
ラルゴや帝国の為にも!
「もうこの私を止めることは不可能だ」
刀を構えるグランツは、魔力は爆発させた。……な、なんて力だ。
悪魔にも似た力を感じる。
いったい、何なんだアレは!
「ラスティ様、お気をつけて。あの刀は恐らく妖刀の中でもSクラスに相当する武器です」
エドゥが何かを読み取ったのか、そう教えてくれた。
Sクラスって、おいおい……そんなレアリティの武器なのかよ、アレは。
なぜそんなモノが元老院議長の息子に……。
「ドヴォルザーク帝国に帰れ!」
「断る。それに決めた。この島国ラルゴを更地にしてやるとな!」
コイツ、今度は魔王みたいなことを言いやがった。
もう完全に聖戦とは関係がない。
これはただの侵略でしかない。
「そうか、よく分かった。グランツ、お前はこの島国ラルゴから追放する」
「おっと、そうはいかねえ!」
グランツは気づいたのか、海の方へジャンプして宙に浮いていた。
俺は今、島国ラルゴの主としての権限を使った。
だが、グランツが『追放』されることはなかった。
通常、追放を宣言すると対象はどこかへ強制転移される。しかし、グランツは咄嗟の判断で海の方角へ飛び“重力”使って浮遊していた。
あれの意味するところは俺も察していた。
「お前……」
「そう、私は今、島国ラルゴの外にいる。どうやら、領空にはなっていなかったようだな」
……しまった。
領土と領海までは『無人島開発スキル』で設定されている。だが、領空までは手が回っていなかった。
そもそも、領空侵犯なんて滅多に起こるものでもなかった。
だから、領空に関しては手つかずのままだったのだ。
「なら、お前を叩きとし、気絶させて送り返してやる」
「この重力使いの私を叩き落とす? 不可能だ」
浮きながらも、グランツはバスタードソードでグラビティを放つ。あんな芸当も可能なのか。
確かに、重力は見えなくて厄介なスキルだ。だが、微量の魔力を感じる。俺はその僅かな歪みを頼りに回避しつつも、反撃。ヴェラチュールをブン投げた。
「おりゃっ!」
「くッ……!」
俺の反撃に焦るグランツ。
しかし、辛うじて重力スキルで俺のヴェラチュールを止めた。惜しい……!
「そう簡単には命中しないか」
「あ、当たり前だ……! だが、今のは少し焦った」
「じゃあ、もうお前に勝ち目はないな。出ていけ」
「そうはいかん。私の辞書に諦めるという言葉はないのだからな!」
そこまでしてラルゴを認めない気か。
追放しようにも浮かれていてはな……。
となると気絶させてでも追い出さないと。
ゲイルチュールを再召喚して、俺は再び構えた。グランツはバスタードソードをおさめて、今度は腰に帯刀している“刀”を抜いた。本気ってことか。
「この刀を使うことになろうとはな」
「それがどうした」
「これは我が家に代々伝わる神器にして宝刀。今まで使っていたバスタードソードとは比べ物にならない魔力を持つ」
「そうか。その前に叩き潰してやる」
「お前はなにも分かっていない、ラスティ」
「なに!?」
鞘から刀を抜くグランツ。
刃がギラギラと妖しい光を放ち、禍々しい魔力を帯び始めた。……ありゃ、妖刀かよ。
「かつての強いドヴォルザーク帝国を取り戻すために、私はお前を倒す」
「そりゃ、魔王が乗っ取っていた邪悪な帝国ってことだぞ」
「そんなことは百も承知。あの栄光こそ、現在に必要。このままでは帝国は衰退の一途を辿るだけ……ならば、聖戦でこの私が皇帝になるしかあるまい!」
「お前みたいな危険なヤツを皇帝にしてたまるか!」
止めねばならない。
ラルゴや帝国の為にも!
「もうこの私を止めることは不可能だ」
刀を構えるグランツは、魔力は爆発させた。……な、なんて力だ。
悪魔にも似た力を感じる。
いったい、何なんだアレは!
「ラスティ様、お気をつけて。あの刀は恐らく妖刀の中でもSクラスに相当する武器です」
エドゥが何かを読み取ったのか、そう教えてくれた。
Sクラスって、おいおい……そんなレアリティの武器なのかよ、アレは。
なぜそんなモノが元老院議長の息子に……。
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