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状態異常『カオス』
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帝国の様子も分かったし、十分すぎる材料も手に入った。これで建物の修復も可能だ。エドゥのディメンションポータルで一度帰還することに。
「エドゥ、頼む」
「了解です」
転移の柱が展開され、俺はそこへ飛び込む。
瞬間で島国ラルゴに到着した。
拠点である城の中庭に到着した。
そこには丁度、テオドールの姿があった。……って、誰かとキスをしている!?
「……おっと、これは失礼。まさかこのタイミングで帰ってくるとは」
「テオドール……な、なにを」
「ご覧の通り、嫁とイチャついていた」
ハッキリと!
いや、実際そうしていたんだが……よりによって城の中庭で!
それにしても、すごく美人だな。嫁さん。
「まったく、自由にしていいけど気まずいって」
「なに言ってるんだ、ラスティ。キスくらい挨拶みたいなものだ」
大人の発言だなぁ……。
俺はまだ十六歳の少年だけどねー。
「じゃ、俺はドラゴンにやられた建物を直してくる」
「了解だ。それとエドゥ、おかえり」
テオドールは微笑み、エドゥに挨拶をした。
一方の彼女は静かにコクッとうなずく。
そりゃ気まずいよ。
中庭を去り、俺は城の外へ。
被害の多い海側へ向かう。さっそく防衛兵器を修復だ。兵器の状態を見ると、ひどい有様だ。
【大破】キャンプファイヤー
【大破】木製防壁
【大破】石防壁
【大破】投石機
【大破】ボウガン
【大破】大砲
【大破】魔導式レーザー兵器
【大破】トゲトゲバリケード
【大破】落とし穴
【大破】落石
ブラックエンペラードラゴンの炎でほとんどが灰燼と化した。ほとんど焼野原だ。どうやら、ドラゴンの黒煙を浴びると植物すら再生できなくなるらしい。
大地が痛々しいな。
こりゃ、土すらもダメか……。
「ラスティ様、この土は状態異常『カオス』を浴びています。このままではカオスは大地を蝕み、農作物に影響を与えましょう。食べ物は腐り育たなくなり、やがて飢餓をもたらすかと。聖女クラスの聖属性魔法で浄化せねば大変なことに」
珍しくエドゥが長々と状況を説明してくれた。おかげで俺は事の重大さに気づけた。さすが大賢者様。博識だ。
聖女クラスか……ふむ。
「じゃあ、スコルだな」
「はい。スコル様ならこのカオスを浄化できます」
「どこにいるかな。城で会わなかったんだよな」
「では、テレパシーのソウルウィスパーで通信を試みます」
「おう、頼む」
瞼を閉じ、スキルに集中するエドゥ。どうやら、島国ラルゴ全体を通してスコルを探しているようだ。
しばらくしてエドゥは目を開けた。
「見つけました。スコル様は現在、街中にいるようです」
「よし、連れ出すか」
「それが……」
「ん? どうした、浮かない顔をして」
「街中で何者かが民に向けて演説をしているみたいです」
「演説だって?」
「行きますか」
「もちろんだ。スコルを迎えに行かないと」
少し嫌な予感がして、俺は直ぐに向かうべきだと思った。
「街へのポータルはないですよ?」
「問題ない。エドゥ、悪いけど持ち上げるぞ」
躊躇いなく、俺はエドゥをお姫様抱っこした。そして、空高くジャンプして街へ向かった。
「……ラ、ラスティ様。嬉しいです……」
俺の腕をまるで子供みたいにぎゅっと掴むエドゥ。可愛いと思う反面、異常な体重の軽さに驚いた。確かに、体型は子供っぽいけど……ここまでとは。
おかげで余裕で抱えることができた。
飛び跳ねて、俺は街中へ到着。
冒険者ギルドの前には人だかりが出来ていてた。ひとりの男が声を上げ、なにかを訴えかけていた。なんだ……?
「島国ラルゴの民たちよ! 古より続く“聖戦”の時は来た……! 帝国復活の為に、この島を放棄し、ドヴォルザーク帝国へ帰国せよ!」
な、なにを言っているんだ、あの男は!
「エドゥ、頼む」
「了解です」
転移の柱が展開され、俺はそこへ飛び込む。
瞬間で島国ラルゴに到着した。
拠点である城の中庭に到着した。
そこには丁度、テオドールの姿があった。……って、誰かとキスをしている!?
「……おっと、これは失礼。まさかこのタイミングで帰ってくるとは」
「テオドール……な、なにを」
「ご覧の通り、嫁とイチャついていた」
ハッキリと!
いや、実際そうしていたんだが……よりによって城の中庭で!
それにしても、すごく美人だな。嫁さん。
「まったく、自由にしていいけど気まずいって」
「なに言ってるんだ、ラスティ。キスくらい挨拶みたいなものだ」
大人の発言だなぁ……。
俺はまだ十六歳の少年だけどねー。
「じゃ、俺はドラゴンにやられた建物を直してくる」
「了解だ。それとエドゥ、おかえり」
テオドールは微笑み、エドゥに挨拶をした。
一方の彼女は静かにコクッとうなずく。
そりゃ気まずいよ。
中庭を去り、俺は城の外へ。
被害の多い海側へ向かう。さっそく防衛兵器を修復だ。兵器の状態を見ると、ひどい有様だ。
【大破】キャンプファイヤー
【大破】木製防壁
【大破】石防壁
【大破】投石機
【大破】ボウガン
【大破】大砲
【大破】魔導式レーザー兵器
【大破】トゲトゲバリケード
【大破】落とし穴
【大破】落石
ブラックエンペラードラゴンの炎でほとんどが灰燼と化した。ほとんど焼野原だ。どうやら、ドラゴンの黒煙を浴びると植物すら再生できなくなるらしい。
大地が痛々しいな。
こりゃ、土すらもダメか……。
「ラスティ様、この土は状態異常『カオス』を浴びています。このままではカオスは大地を蝕み、農作物に影響を与えましょう。食べ物は腐り育たなくなり、やがて飢餓をもたらすかと。聖女クラスの聖属性魔法で浄化せねば大変なことに」
珍しくエドゥが長々と状況を説明してくれた。おかげで俺は事の重大さに気づけた。さすが大賢者様。博識だ。
聖女クラスか……ふむ。
「じゃあ、スコルだな」
「はい。スコル様ならこのカオスを浄化できます」
「どこにいるかな。城で会わなかったんだよな」
「では、テレパシーのソウルウィスパーで通信を試みます」
「おう、頼む」
瞼を閉じ、スキルに集中するエドゥ。どうやら、島国ラルゴ全体を通してスコルを探しているようだ。
しばらくしてエドゥは目を開けた。
「見つけました。スコル様は現在、街中にいるようです」
「よし、連れ出すか」
「それが……」
「ん? どうした、浮かない顔をして」
「街中で何者かが民に向けて演説をしているみたいです」
「演説だって?」
「行きますか」
「もちろんだ。スコルを迎えに行かないと」
少し嫌な予感がして、俺は直ぐに向かうべきだと思った。
「街へのポータルはないですよ?」
「問題ない。エドゥ、悪いけど持ち上げるぞ」
躊躇いなく、俺はエドゥをお姫様抱っこした。そして、空高くジャンプして街へ向かった。
「……ラ、ラスティ様。嬉しいです……」
俺の腕をまるで子供みたいにぎゅっと掴むエドゥ。可愛いと思う反面、異常な体重の軽さに驚いた。確かに、体型は子供っぽいけど……ここまでとは。
おかげで余裕で抱えることができた。
飛び跳ねて、俺は街中へ到着。
冒険者ギルドの前には人だかりが出来ていてた。ひとりの男が声を上げ、なにかを訴えかけていた。なんだ……?
「島国ラルゴの民たちよ! 古より続く“聖戦”の時は来た……! 帝国復活の為に、この島を放棄し、ドヴォルザーク帝国へ帰国せよ!」
な、なにを言っているんだ、あの男は!
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