無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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三つの神器

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 拠点である城へ戻り、ルサルカさんを誰に診てもらおうかと悩む。
 う~ん……そうだな。この場合は医者なのだろうけど、原因不明と診断されたくらいだ。きっと同じ答えが返ってくるだけだ。
 となると、ここは“大賢者”の力を借りるべきか。

 そう思っていると、ちょうどアルフレッドが現れた。

「探しましたよ、ラスティ様」
「すまんすまん。ちょっと外へ出掛けていた。変わりないか?」
「ええ、こちらは問題ありません。ところで、そちらのドワーフ族の少女は……?」
「この人はルサルカさん。ハヴァマールの知り合いなんだ」
「お客様でしたか。これはご無礼を」
「それより、エドゥは帰ってきているか?」
「エドゥ様はお部屋にいますよ」

 良かった。アイツはなにかと忙しいからな。いると分かればこっちのモノ。
 みんなを連れてエドゥの部屋へ向かった。

 廊下を歩き、一階にあるエドゥの部屋へ。

 扉をノックすると直ぐに反応があった。扉を開け、出て来てくれるエドゥ。


「ようこそいらっしゃいました、ラスティ様」
「よく俺だって分かったな」
「もちろん分かります。ところで、随分と大人数ですね」
「押しかけて済まない。頼みたいことがあるんだ」
「分かりました。どうぞ、お入りください」

 と、言いつつエドゥは俺の手を引っ張った。
 部屋の中は本で埋め尽くされている。さすが大賢者といったところか。

「さっそくだけど、まずはドワーフ族のルサルカさんを紹介する」
「あーしはルサルカ。よろしく……」

 挨拶を交わして早々にエドゥは、なにやら渋い顔をしていた。早くもなにかを察したらしい。

「……なるほど、ラスティ様。用件とはこのドワーフ族の方の病気についてですね」
「察しが早くて助かるよ」

 エドゥには心を読んだりする力があるようだ。だから、俺は今更驚かないが。

「えっ! 大賢者様……なんだ。凄い」

 ルサルカさんが驚いていた。

「そんなところです。では、さっそく手を拝借」

 淡々とした表情と動作でエドゥは、ルサルカの手を握る。
 少し怖いのかルサルカさんは小さく震えていた。……まあ、エドゥはほとんど感情を表に出さないからな。

 しばらくして白い光が二人の手に発現。

 ぽわぽわと不思議な発光を繰り返した。


「……わ、なにこれ」
「ルサルカさん、あなたの体を調べました」
「えっ……もう分かったの?」
「はい。あなたの寿命は……問題ありません」


「「「「え!?」」」」


 俺もスコルもハヴァマールも……そして、ルサルカさんも驚いた。マジかよ!


「ただし、これは一時的なもの。聖戦が影響しているようです」
「聖戦だって!? なんの関係があるんだよ、エドゥ」

 俺が問い詰めるとエドゥは、あることについて教えてくれた。

「神器ですよ、ラスティ様」
「じ、神器……ああ、三つの神器か。って、まて!」

 そうだ! よく思い出せ俺よ。
 そもそも『ルサルカ』って神器の名前じゃないか。
 そして、大陸の名前でもあることを俺は思い出した。
 というか……神器の名前って大陸と一緒だ。

 どういうことなんだ……?


「そういえば、大陸もそうですよね」


 俺が思っていたことをスコルが口にした。


「その通りです、スコル様。イズアール大陸、ルサルカ大陸、オラトリオ大陸とすべて大陸の名を冠しております。そして、その名を持つ者も」

「教えてくれ、エドゥ。ルサルカさんは聖戦のなんなんだ?」
「神器そのものですね」
「なに!? じゃあ、神器って“人”なのか」
「そういうことになります」


 な、なんだってぇ~!?
 そんなことがあるのかよ……!
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