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真の聖者
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宮殿内の奥へ進む。
中庭にはヤツの姿がなかった。
ということは……この先か!
更に進むと、王の間のような広い部屋があった。この中にトルクァートがいるはずだ。
扉を開けると……そこには。
玉座のような椅子に座るトルクァートと、その隣にウェディングドレスを着たスコルの姿があった。
「スコル……!!」
名前を叫んでもスコルの反応がなかった。くそっ、なにかしらの魔法をかけられているようだ。
「おやおや、ラスティさんではありませんか。よく生きていましたね」
「トルクァート、てめぇ! スコルに何をしやがった!」
「ただの暗示ですよ。私と結婚するようにと」
「ふざけんな!!」
「ふざけてなどいない。聖者と聖女の結婚ですよ、なんとめでたいことか!」
自身満々にトルクァートは手を広げて、そう声高らかに言った。なにが聖者だ……! 怒りに震えていると、仲間のエルフたちが反論してくれた。
「トルクァート!! お前は僕達を騙していたんだな!!」
「お前のせいでオークがやってきて街がメチャクチャだ!!」
「家族が殺された!! 絶対に許さん!」
「この詐欺野郎!! お前はダークエルフなんだろうが!!」
「ボロディンはお前の国ではない! 我々の国だ!」
「そうだ、そうだ!」
「今こそ取り返す時だ!」
9人のエルフが突撃していくが、トルクァートが闇の力を使って吹き飛ばしていた。もう隠すつもりもないらしい。これでダークエルフであると確証を得た。
「みんな、大丈夫か!!」
「ラスティ様、我々は大丈夫です。どうか、スコル様を……」
ウソだろ、あの一撃で全員が気絶してしまっていた。
「フフフ、所詮は雑魚エルフ。私の敵ではないのですよ」
「そうか、そりゃ良かったな」
俺は一瞬でトルクァートの背後を取り、ヴェラチュールを振るう。
「……!」
しかし、トルクァートはギリギリのところでスコルを盾にしやがった。俺は動きを止めるものの、野郎の魔法攻撃によって吹き飛ばされた。
「ぐああああああああ!!」
「油断したな、ラスティ。そう、お前の弱点は彼女です」
だが、俺はなんとか姿勢を立て直すことに成功した。
不意打ちではダメだ。
スコルを盾にされる可能性もある。
どうやって戦えばいい……!!
「トルクァート……!」
「土下座して私を認めれば許してやらんでもないのですが」
「寝言は寝てから言え」
「そうですか、残念ですよ。ラスティ、お前はここで死ぬがよい」
闇属性魔法が飛んでくる。
くっ、しまった。
至近距離すぎる!!
俺はまたどこかへ飛ばされるか、それとも大ダメージをこうむってしまうのか……。いや、だからといって諦めるつもりはない。
そうだ、俺にはまだ切り札が――。
魔力を全開にしようとしたが、なにかが接近してきてトルクァートの闇を押し返した。
な、なんだこの光は!?
「……誰だ?」
「お待たせしました、ラスティ様。僕です!」
「セイン!? お前、どこにいたんだよ!?」
「すみません、ラスティ様が消えた後に、僕もあのトルクァートによってどこかへ転移させられていたのです」
「マジか!」
「そこである人と出会い、僕は力を覚醒させました」
剣を掲げるセイン。
それは黄金色に輝き、莫大な魔力をまとっていた。
な、なんだこりゃ……!
「セイン、お前はいったい……」
「僕はどうやら“聖者”だったみたいです」
「へ……なんだって?」
「自部でも驚きましたよ。でも、本当の聖者は僕なんです!」
なにぃぃぃぃぃ!?
セインが聖者だってー!?
中庭にはヤツの姿がなかった。
ということは……この先か!
更に進むと、王の間のような広い部屋があった。この中にトルクァートがいるはずだ。
扉を開けると……そこには。
玉座のような椅子に座るトルクァートと、その隣にウェディングドレスを着たスコルの姿があった。
「スコル……!!」
名前を叫んでもスコルの反応がなかった。くそっ、なにかしらの魔法をかけられているようだ。
「おやおや、ラスティさんではありませんか。よく生きていましたね」
「トルクァート、てめぇ! スコルに何をしやがった!」
「ただの暗示ですよ。私と結婚するようにと」
「ふざけんな!!」
「ふざけてなどいない。聖者と聖女の結婚ですよ、なんとめでたいことか!」
自身満々にトルクァートは手を広げて、そう声高らかに言った。なにが聖者だ……! 怒りに震えていると、仲間のエルフたちが反論してくれた。
「トルクァート!! お前は僕達を騙していたんだな!!」
「お前のせいでオークがやってきて街がメチャクチャだ!!」
「家族が殺された!! 絶対に許さん!」
「この詐欺野郎!! お前はダークエルフなんだろうが!!」
「ボロディンはお前の国ではない! 我々の国だ!」
「そうだ、そうだ!」
「今こそ取り返す時だ!」
9人のエルフが突撃していくが、トルクァートが闇の力を使って吹き飛ばしていた。もう隠すつもりもないらしい。これでダークエルフであると確証を得た。
「みんな、大丈夫か!!」
「ラスティ様、我々は大丈夫です。どうか、スコル様を……」
ウソだろ、あの一撃で全員が気絶してしまっていた。
「フフフ、所詮は雑魚エルフ。私の敵ではないのですよ」
「そうか、そりゃ良かったな」
俺は一瞬でトルクァートの背後を取り、ヴェラチュールを振るう。
「……!」
しかし、トルクァートはギリギリのところでスコルを盾にしやがった。俺は動きを止めるものの、野郎の魔法攻撃によって吹き飛ばされた。
「ぐああああああああ!!」
「油断したな、ラスティ。そう、お前の弱点は彼女です」
だが、俺はなんとか姿勢を立て直すことに成功した。
不意打ちではダメだ。
スコルを盾にされる可能性もある。
どうやって戦えばいい……!!
「トルクァート……!」
「土下座して私を認めれば許してやらんでもないのですが」
「寝言は寝てから言え」
「そうですか、残念ですよ。ラスティ、お前はここで死ぬがよい」
闇属性魔法が飛んでくる。
くっ、しまった。
至近距離すぎる!!
俺はまたどこかへ飛ばされるか、それとも大ダメージをこうむってしまうのか……。いや、だからといって諦めるつもりはない。
そうだ、俺にはまだ切り札が――。
魔力を全開にしようとしたが、なにかが接近してきてトルクァートの闇を押し返した。
な、なんだこの光は!?
「……誰だ?」
「お待たせしました、ラスティ様。僕です!」
「セイン!? お前、どこにいたんだよ!?」
「すみません、ラスティ様が消えた後に、僕もあのトルクァートによってどこかへ転移させられていたのです」
「マジか!」
「そこである人と出会い、僕は力を覚醒させました」
剣を掲げるセイン。
それは黄金色に輝き、莫大な魔力をまとっていた。
な、なんだこりゃ……!
「セイン、お前はいったい……」
「僕はどうやら“聖者”だったみたいです」
「へ……なんだって?」
「自部でも驚きましたよ。でも、本当の聖者は僕なんです!」
なにぃぃぃぃぃ!?
セインが聖者だってー!?
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