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結婚式……そんなモンぶっ壊してやる!
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オークの巣はかなり深い場所にあるらしい。
出口はどこにある……?
こんな時、転移スキルが使えたらいいのに。――って、まてよ。これだけのエルフがいるんだ、誰かしら使える者がいるはずだ。
「この中に転移スキルを使える人はいないか!?」
聞いてみると、ひとりが手を挙げた。
「私なら転移スキルを使える」
「おぉ、これはラッキーだ。ボロディンへの座標は?」
「もちろんある。だけど、この人数を一気に転移できないよ」
「最大何人まで可能かな」
「がんばって10人ってところ」
「転移スキルを使える回数は?」
「精々二回だ。転移スキルは魔力を多く消費するし、触媒のルーンストーンも二個しかないから」
二回が限度か。ということは、20人はボロディンへ帰せるな。
戦闘に自信がある者だけど連れていき、ボロディンへ向かう。またオークが現れるかもしれないし、なにより、トルクァートと戦わねばならない。
「分かった。悪いが、魔法に自信がある者だけ来てくれ」
俺がそう伝えると、周囲の男エルフたちは騒然となっていた。
「ラスティ様の指示に従うべきだろう」
「ああ、彼はオーククィーンを倒した。それが純然たる事実だ」
「信用に値する。ラスティに命を預けよう」
「俺は魔法が使える。ついていく!」
「僕も火属性魔法なら得意です」
「トルクァートをトップの座から引きずり降ろさないと!」
「聖女スコル様がピンチのようだし、少しでも力になりたい」
ほとんどが志願してくれたので、俺はレベルやステータスを確認した。
高レベルの者を厳選し、戦闘員15人と残りは癒術師3名を含めた。あとは俺と転移スキルを使用できるイズアールというエルフさんだ。
イズアール……どこかで聞いた名だな。
気のせいかな。
彼は中央に立ち、説明をはじめた。
「みんな、今から『ワープポータル』を展開する。光の柱が現れるので、すみやかに飛び込んで。転移は少し経つと消えてしまうから」
てのひらをかざし、イズアールは転移スキル『ワープポータル』を発動した。
目の前に青空と雲が交じり合ったような光が円を描く。この中へ飛び込めばいい。俺は先頭に立ち、ワープポータルへ踏み入れた。
「後に続いてくれ!」
すぐにユーモレスク宮殿へ向かい、スコルたちを助ける!
* * *
転移が完了すると、その先はどこかの受付の前だった。こ、ここは……どこだ?
「あぁ、ここか。ラスティ様、ここはボロディンの宿屋ですよ」
「宿屋か! なるほどね、実に合理的な場所にしたものだな」
「い、いえ……実はこの宿屋はちょっと特殊で」
「どういう意味だ?」
「そ、その、詳しく話すと大変なことになるので、今は出ましょう」
よく分からないが、俺はエルフの後を追って外へ出た。
場所は……港の近くか。
ユーモレスク宮殿までは歩いて行かねばならない。
「全員集まったな」
自分含めて20名の到着を確認。
イズアールは、ルーンストーンを確保する為に街を走り回ることになった。残りのエルフたちを救出するために。
「参りましょうか、ラスティ様」
「ああ、このままトルクァートのいる宮殿へ向かう」
18人のエルフを連れ、途中で9人はボロディンに散らばってもらった。
まだオークが残っているかもしれないし、瓦礫の下敷きになっている人もいるかもしれない。困っている人を助けてもらう為にも、ここで別れることに。
「では、ラスティ様、我々はボロディンの為に」
「分かった。そっちは任せたぞ」
「女性や子供たちを救出します」
9人のエルフたちは、それぞれの場所へ向かった。
俺と残ったエルフは宮殿へ。
歩いて向かい――到着早々、門番に囲まれた。だよな……!
「そこの者! ……む、貴様はラスティか! なぜここに!」
「トルクァートに用がある」
「残念だが、トルクァート様は誰とも会わない。これから結婚式がはじまるのだからな」
「なに……?」
「なんだ知らんのか。聖女スコル様との結婚式だ」
「スコルと……? ふざけんじゃねえ!!」
「ふざけてなどいない。これはトルクァート様の決定なのであ――ぐふぉおおおおおおおおおおおお!?!?」
怒りが頂点に達した俺は、門番をブン殴った。
門番の体が吹っ飛んで他の門番に激突。全員が気絶してぶっ倒れた。
スコルとトルクァートが結婚だぁ!?
絶対に認めるものか!!
結婚式……そんなモンぶっ壊してやる!!
スコルは俺の大切な人だ。恋人であり、家族であり、俺の人生そのものだ。誰にも奪わせやしない。首を洗って待ってろよ、トルクァート!!
怒りのボルテージがマックスに達した俺は、魔力を全開にし、ユーモレスク宮殿へ突撃した。
出口はどこにある……?
こんな時、転移スキルが使えたらいいのに。――って、まてよ。これだけのエルフがいるんだ、誰かしら使える者がいるはずだ。
「この中に転移スキルを使える人はいないか!?」
聞いてみると、ひとりが手を挙げた。
「私なら転移スキルを使える」
「おぉ、これはラッキーだ。ボロディンへの座標は?」
「もちろんある。だけど、この人数を一気に転移できないよ」
「最大何人まで可能かな」
「がんばって10人ってところ」
「転移スキルを使える回数は?」
「精々二回だ。転移スキルは魔力を多く消費するし、触媒のルーンストーンも二個しかないから」
二回が限度か。ということは、20人はボロディンへ帰せるな。
戦闘に自信がある者だけど連れていき、ボロディンへ向かう。またオークが現れるかもしれないし、なにより、トルクァートと戦わねばならない。
「分かった。悪いが、魔法に自信がある者だけ来てくれ」
俺がそう伝えると、周囲の男エルフたちは騒然となっていた。
「ラスティ様の指示に従うべきだろう」
「ああ、彼はオーククィーンを倒した。それが純然たる事実だ」
「信用に値する。ラスティに命を預けよう」
「俺は魔法が使える。ついていく!」
「僕も火属性魔法なら得意です」
「トルクァートをトップの座から引きずり降ろさないと!」
「聖女スコル様がピンチのようだし、少しでも力になりたい」
ほとんどが志願してくれたので、俺はレベルやステータスを確認した。
高レベルの者を厳選し、戦闘員15人と残りは癒術師3名を含めた。あとは俺と転移スキルを使用できるイズアールというエルフさんだ。
イズアール……どこかで聞いた名だな。
気のせいかな。
彼は中央に立ち、説明をはじめた。
「みんな、今から『ワープポータル』を展開する。光の柱が現れるので、すみやかに飛び込んで。転移は少し経つと消えてしまうから」
てのひらをかざし、イズアールは転移スキル『ワープポータル』を発動した。
目の前に青空と雲が交じり合ったような光が円を描く。この中へ飛び込めばいい。俺は先頭に立ち、ワープポータルへ踏み入れた。
「後に続いてくれ!」
すぐにユーモレスク宮殿へ向かい、スコルたちを助ける!
* * *
転移が完了すると、その先はどこかの受付の前だった。こ、ここは……どこだ?
「あぁ、ここか。ラスティ様、ここはボロディンの宿屋ですよ」
「宿屋か! なるほどね、実に合理的な場所にしたものだな」
「い、いえ……実はこの宿屋はちょっと特殊で」
「どういう意味だ?」
「そ、その、詳しく話すと大変なことになるので、今は出ましょう」
よく分からないが、俺はエルフの後を追って外へ出た。
場所は……港の近くか。
ユーモレスク宮殿までは歩いて行かねばならない。
「全員集まったな」
自分含めて20名の到着を確認。
イズアールは、ルーンストーンを確保する為に街を走り回ることになった。残りのエルフたちを救出するために。
「参りましょうか、ラスティ様」
「ああ、このままトルクァートのいる宮殿へ向かう」
18人のエルフを連れ、途中で9人はボロディンに散らばってもらった。
まだオークが残っているかもしれないし、瓦礫の下敷きになっている人もいるかもしれない。困っている人を助けてもらう為にも、ここで別れることに。
「では、ラスティ様、我々はボロディンの為に」
「分かった。そっちは任せたぞ」
「女性や子供たちを救出します」
9人のエルフたちは、それぞれの場所へ向かった。
俺と残ったエルフは宮殿へ。
歩いて向かい――到着早々、門番に囲まれた。だよな……!
「そこの者! ……む、貴様はラスティか! なぜここに!」
「トルクァートに用がある」
「残念だが、トルクァート様は誰とも会わない。これから結婚式がはじまるのだからな」
「なに……?」
「なんだ知らんのか。聖女スコル様との結婚式だ」
「スコルと……? ふざけんじゃねえ!!」
「ふざけてなどいない。これはトルクァート様の決定なのであ――ぐふぉおおおおおおおおおおおお!?!?」
怒りが頂点に達した俺は、門番をブン殴った。
門番の体が吹っ飛んで他の門番に激突。全員が気絶してぶっ倒れた。
スコルとトルクァートが結婚だぁ!?
絶対に認めるものか!!
結婚式……そんなモンぶっ壊してやる!!
スコルは俺の大切な人だ。恋人であり、家族であり、俺の人生そのものだ。誰にも奪わせやしない。首を洗って待ってろよ、トルクァート!!
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