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エルフの反撃
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たとえ鎖で身動きできない状況であろうとも、俺には関係ない。
ただスキルの名を口にし、念じればいいのだから。
「無人島開発スキル……! 鉄を使い、頑丈な斧を作成する。それを俺の鎖に落として破壊……!」
宙に『斧』が現れ、それが鎖に落ちて砕いてくれた。
二度繰り返し、俺は自由を得た。
「な、なんだと……! いったい、なんのスキルだ!?」
「驚くのはまだ早いぜ」
「なにをする気だ!!」
ヴェラチュールを召喚し、俺は剣から魔法をスキルを穿った。男エルフを傷つけないように。
「エルフたちを解放する! いけえええええ、サンダーボルト!!!」
青い稲妻が暗闇全体を駆け巡り、光速で鎖を破壊していく。
やがて鎖は全て壊れた。
これで全員が解放された。
「お……おおおお、鎖が取れたぞ!!」
「魔法封じの鎖だぞ!? なぜ破壊できたんだ!」
「エルフの魔法は無効化されていたのに」
「あの少年がやってくれたのか!?」
「さっきの魔法ではなかった。いったい、なんの力だ?」
「なんであれ、助かった!!」
「もうオークの相手は嫌だ!!」
そうか、エルフたちの鎖にはそんな魔法無効化が施されていたのか。それで抜け出せなかったんだ。
けど、俺の『無人島開発スキル』は魔法というよりは製造・生成系のスキル。構造も質もなにもかも魔法とは、かけ離れている存在だ。
だから魔法無効化の対象にはならなかった。
「おのれ!! ガキの分際で!!」
「オーククィーン、お前の野望はここまでだ」
俺はゆっくりと前へ進み、ヴェラチュールをオーククィーンに向ける。ヤツは叫んで仲間を呼んだ。
闇の奥からオークマザーが何体も現れた。くそっ、何体いるんだよ。
だが。
「あの人間の少年を守れ!!」
「今の我々なら魔法が使える!!」
「力を合わせ、オークマザーとオーククィーンを倒すぞ!!」
「そうだそうだ!!」
「オークなんかに負けるな!!」
「生きてボロディンに帰るんだ!!」
「俺はあの少年に手を貸すぞ!」
そうか、みんな俺に協力してくれるか!
俺はひとりではない。
数百人の男のエルフたちが味方だ。
「みんな、オーククィーンを倒すぞ!!」
「うおおおおおおおおおお!!」
「承知した!!」
「協力しようじゃないか!!」
「オークを倒すぞ!」
「魔法が使える今なら、余裕だろ」
「いや……そうでもないだろ」
「確かにな、オークの皮膚は特殊だ」
オークの皮膚が特殊? それは気になるな。
俺は近くにいたエルフにオークの皮膚のことについて訊ねた。すると、意外なことが判明した。
「マザーはともかく、オーククィーンの皮膚は魔法耐性のある皮膚らしくてね……。ほんとんど効果がないんだ」
「なんだって!?」
つまり、並みの魔法では通じないってことか……。
ならここは魔法ではないスキルで戦うしかなさそうだな。
「なにをゴチャゴチャとやっておる!!」
しびれを切らしたオーククィーンが俺の方へ向かってくる。巨体を身軽に動かし、アックスを振るってきた。オークアックスか!
「――ぐッ!!」
ヴェラチュールで防御するが、とてつもない威力に俺は手がしびれた。まずい、弾き飛ばされる。
「フハハハハハ! 小僧、受け止めたことには驚いたが、それまでだ!」
今度は大量のオークマザーたちが押し寄せてくる。
「オークマザーなら任せろ!!」
「マザーもあんまり魔法は通らないが、それでも!」
「ああ、やってやろうぜ!!」
「オークマザーは水属性だ。弱点の風属性を使え!!」
「それしかない!!」
「ライトニングボルトを使え!」
「オークの武器を奪い、風属性を付与する!」
各々が動き始めた。
よし、俺もここから反撃に出る……!
ただスキルの名を口にし、念じればいいのだから。
「無人島開発スキル……! 鉄を使い、頑丈な斧を作成する。それを俺の鎖に落として破壊……!」
宙に『斧』が現れ、それが鎖に落ちて砕いてくれた。
二度繰り返し、俺は自由を得た。
「な、なんだと……! いったい、なんのスキルだ!?」
「驚くのはまだ早いぜ」
「なにをする気だ!!」
ヴェラチュールを召喚し、俺は剣から魔法をスキルを穿った。男エルフを傷つけないように。
「エルフたちを解放する! いけえええええ、サンダーボルト!!!」
青い稲妻が暗闇全体を駆け巡り、光速で鎖を破壊していく。
やがて鎖は全て壊れた。
これで全員が解放された。
「お……おおおお、鎖が取れたぞ!!」
「魔法封じの鎖だぞ!? なぜ破壊できたんだ!」
「エルフの魔法は無効化されていたのに」
「あの少年がやってくれたのか!?」
「さっきの魔法ではなかった。いったい、なんの力だ?」
「なんであれ、助かった!!」
「もうオークの相手は嫌だ!!」
そうか、エルフたちの鎖にはそんな魔法無効化が施されていたのか。それで抜け出せなかったんだ。
けど、俺の『無人島開発スキル』は魔法というよりは製造・生成系のスキル。構造も質もなにもかも魔法とは、かけ離れている存在だ。
だから魔法無効化の対象にはならなかった。
「おのれ!! ガキの分際で!!」
「オーククィーン、お前の野望はここまでだ」
俺はゆっくりと前へ進み、ヴェラチュールをオーククィーンに向ける。ヤツは叫んで仲間を呼んだ。
闇の奥からオークマザーが何体も現れた。くそっ、何体いるんだよ。
だが。
「あの人間の少年を守れ!!」
「今の我々なら魔法が使える!!」
「力を合わせ、オークマザーとオーククィーンを倒すぞ!!」
「そうだそうだ!!」
「オークなんかに負けるな!!」
「生きてボロディンに帰るんだ!!」
「俺はあの少年に手を貸すぞ!」
そうか、みんな俺に協力してくれるか!
俺はひとりではない。
数百人の男のエルフたちが味方だ。
「みんな、オーククィーンを倒すぞ!!」
「うおおおおおおおおおお!!」
「承知した!!」
「協力しようじゃないか!!」
「オークを倒すぞ!」
「魔法が使える今なら、余裕だろ」
「いや……そうでもないだろ」
「確かにな、オークの皮膚は特殊だ」
オークの皮膚が特殊? それは気になるな。
俺は近くにいたエルフにオークの皮膚のことについて訊ねた。すると、意外なことが判明した。
「マザーはともかく、オーククィーンの皮膚は魔法耐性のある皮膚らしくてね……。ほんとんど効果がないんだ」
「なんだって!?」
つまり、並みの魔法では通じないってことか……。
ならここは魔法ではないスキルで戦うしかなさそうだな。
「なにをゴチャゴチャとやっておる!!」
しびれを切らしたオーククィーンが俺の方へ向かってくる。巨体を身軽に動かし、アックスを振るってきた。オークアックスか!
「――ぐッ!!」
ヴェラチュールで防御するが、とてつもない威力に俺は手がしびれた。まずい、弾き飛ばされる。
「フハハハハハ! 小僧、受け止めたことには驚いたが、それまでだ!」
今度は大量のオークマザーたちが押し寄せてくる。
「オークマザーなら任せろ!!」
「マザーもあんまり魔法は通らないが、それでも!」
「ああ、やってやろうぜ!!」
「オークマザーは水属性だ。弱点の風属性を使え!!」
「それしかない!!」
「ライトニングボルトを使え!」
「オークの武器を奪い、風属性を付与する!」
各々が動き始めた。
よし、俺もここから反撃に出る……!
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