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S級ボスモンスター・青の幻影悪魔
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幻影ダンジョンを慎重に進んでいく。
遺跡内のはずなのに、ずっと奥が続いている。恐らく、ここは魔法によって空間が拡張されているんだ。
ダンジョン内は迷宮になっているようだな。
しかも出現するモンスターは、バケモノばかり。
グレイゴーストの後もグレイスレイム、グレイゴブリン、グレイオークなどグレイ系が目立った。
「ヒール!!」
スコルから治癒魔法を受けつつ、俺はモンスターを対処していく。ヴェラチュールのサンダー系魔法が高火力のおかげで敵を倒せていた。
しかし、進めば進むほどモンスターが増加。
どんどん襲ってきていた。
「キリがないな!」
「トラップも多いのだ。余とストレルカで破壊はしているが……」
ハヴァマールとストレルカのおかげでダンジョンの地面に設置されているトラップは破壊できていた。ただ、落とし穴もいくつかあった。落ちないよう、俺は先へ進む前に石を投げて地面を確認した。これなら落ちることはない。
無限に続く遺跡の中を進む。
ようやく中間地点、あるいは奥地らしき場所が見えた。あそこがボス部屋か?
だとすれば『古代の魔法石』を入手できる可能性があるかも。
「この先が怪しいな」
「嫌な予感がしますね、ラスティくん」
警戒するルドミラ。確かに、ここは今までとは異質だ。魔力の流れが違う。異空間か……亜空間の類だ。
「こ、これはボス部屋の可能性が高いのだ。兄上、気を付けるのだ!」
ハヴァマールがそこまで声を震わすとは、まずいな。
みんなを守りつつ、俺は部屋に足を踏み入れた。
その直後――部屋の雰囲気が変化した。
……なんだ、なにもない部屋かと思えば無機質な風景が夜空のように変わり、赤い星々を点滅させた。まるで警告みたいだ。
「ラ、ラスティさん、あれ!!」
「!?」
スコルの指さす方向に視線を向ける。
部屋の天井だと!?
天井には大きな魔法陣。
なんだありゃ、見たこともない形だぞ。
まるで古代の魔法陣だ。
しかも、なんて巨大な。
「なにか出てきますよ」
「そうみたいだな、ストレルカ。なんだと思う?」
「この異様な気配……殺気、恐らくボスモンスターでしょうね」
「やっぱりそうか」
身構えていると、モンスターは姿を現した。
[グルーミー]
[属性:念]
[種族:悪魔]
[詳細]
青色の幻影悪魔。
S級ランクのボスモンスター。
煉獄の青い炎を操る。
状態異常『幻覚』と『破滅的な裂傷』を与えてくる。
「オオカミ系獣人の悪魔なのだ!」
ハヴァマールの言う通り、オオカミみたいなヤツだった。青い炎を纏い、こちらを睨みつけてくる。なんて恐ろしい目つきだ。
構えていると、グルーミーが俺の方へ走ってきた。
「な、なんて素早さだ……ぐっ!!」
『グゥゥゥ――――!!!』
腕を伸ばしてくるグルーミー。俺はヴェラチュールで受け止めた。だが、なんちゅう重さだ。これほどの攻撃を加えてくるとは!!
ヴェラチュールが悲鳴を上げているぞ。
折れないといいが!!
「キリエ、グローリア!!」
スコルの支援スキルが飛んでくる。
おかげで身体能力がアップ。俺は余裕が生まれた。更に、ルドミラもグルーミーの攻撃を押さえてくれた。
「助太刀いたします、ラスティくん!」
「助かる! このグルーミーってヤツ、馬鹿力すぎて押し負けそうだったからな!」
なんとか耐えているが、この先が思いつかん。どうすりゃいい!
「余とストレルカに任せるのだ!」
「そうですよ、ラスティ様。わたくしとハヴァマールさんの魔法スキルを飛ばします! ので、直ぐに離れてくださいまし!」
それしかないな!
タイミングを見計らい、俺はルドミラと共に下がった。グルーミーが猛スピードで追撃してくるが――その前に魔法スキルが炸裂した。
まずは、ストレルカの水属性大魔法。
『メイルシュトローム!!』
大精霊オケアノスの大技だが、召喚中であるため使用できるらしい。放たれる水の渦は大津波となって向かっていく。
そこへハヴァマールが風属性大魔法を混ぜた。
『詠唱省略――ライトニングボルテックス!!!』
メイルシュトロームと共に激しい稲妻が駆けていく。通常、水と風属性は相性最悪なはずだが、この二人はなぜか息がピッタリというか、不思議とマッチしてしまっていた。
属性は反発し合うことなく『合技』となり、グルーミーへ激突。
『ガアアアアアアアアアアアアアアア!?!?』
グルーミーを飲み込み、水圧と雷撃が容赦なく駆け巡っていく。なんて高火力。さすがのボスモンスターもこれにはお手上げのようだ。
ここが最大のチャンスだ。
「ルドミラ、いくぞ!!」
「分かりました! 我が覚醒アマデウスの力を見せる時ですね」
「ああ、頼んだ。俺も本気でいく」
これでヤツを撃破でき――ん!?
……なんだ、この違和感。
俺はなにか大きな間違いを犯しているような……まさか!?
遺跡内のはずなのに、ずっと奥が続いている。恐らく、ここは魔法によって空間が拡張されているんだ。
ダンジョン内は迷宮になっているようだな。
しかも出現するモンスターは、バケモノばかり。
グレイゴーストの後もグレイスレイム、グレイゴブリン、グレイオークなどグレイ系が目立った。
「ヒール!!」
スコルから治癒魔法を受けつつ、俺はモンスターを対処していく。ヴェラチュールのサンダー系魔法が高火力のおかげで敵を倒せていた。
しかし、進めば進むほどモンスターが増加。
どんどん襲ってきていた。
「キリがないな!」
「トラップも多いのだ。余とストレルカで破壊はしているが……」
ハヴァマールとストレルカのおかげでダンジョンの地面に設置されているトラップは破壊できていた。ただ、落とし穴もいくつかあった。落ちないよう、俺は先へ進む前に石を投げて地面を確認した。これなら落ちることはない。
無限に続く遺跡の中を進む。
ようやく中間地点、あるいは奥地らしき場所が見えた。あそこがボス部屋か?
だとすれば『古代の魔法石』を入手できる可能性があるかも。
「この先が怪しいな」
「嫌な予感がしますね、ラスティくん」
警戒するルドミラ。確かに、ここは今までとは異質だ。魔力の流れが違う。異空間か……亜空間の類だ。
「こ、これはボス部屋の可能性が高いのだ。兄上、気を付けるのだ!」
ハヴァマールがそこまで声を震わすとは、まずいな。
みんなを守りつつ、俺は部屋に足を踏み入れた。
その直後――部屋の雰囲気が変化した。
……なんだ、なにもない部屋かと思えば無機質な風景が夜空のように変わり、赤い星々を点滅させた。まるで警告みたいだ。
「ラ、ラスティさん、あれ!!」
「!?」
スコルの指さす方向に視線を向ける。
部屋の天井だと!?
天井には大きな魔法陣。
なんだありゃ、見たこともない形だぞ。
まるで古代の魔法陣だ。
しかも、なんて巨大な。
「なにか出てきますよ」
「そうみたいだな、ストレルカ。なんだと思う?」
「この異様な気配……殺気、恐らくボスモンスターでしょうね」
「やっぱりそうか」
身構えていると、モンスターは姿を現した。
[グルーミー]
[属性:念]
[種族:悪魔]
[詳細]
青色の幻影悪魔。
S級ランクのボスモンスター。
煉獄の青い炎を操る。
状態異常『幻覚』と『破滅的な裂傷』を与えてくる。
「オオカミ系獣人の悪魔なのだ!」
ハヴァマールの言う通り、オオカミみたいなヤツだった。青い炎を纏い、こちらを睨みつけてくる。なんて恐ろしい目つきだ。
構えていると、グルーミーが俺の方へ走ってきた。
「な、なんて素早さだ……ぐっ!!」
『グゥゥゥ――――!!!』
腕を伸ばしてくるグルーミー。俺はヴェラチュールで受け止めた。だが、なんちゅう重さだ。これほどの攻撃を加えてくるとは!!
ヴェラチュールが悲鳴を上げているぞ。
折れないといいが!!
「キリエ、グローリア!!」
スコルの支援スキルが飛んでくる。
おかげで身体能力がアップ。俺は余裕が生まれた。更に、ルドミラもグルーミーの攻撃を押さえてくれた。
「助太刀いたします、ラスティくん!」
「助かる! このグルーミーってヤツ、馬鹿力すぎて押し負けそうだったからな!」
なんとか耐えているが、この先が思いつかん。どうすりゃいい!
「余とストレルカに任せるのだ!」
「そうですよ、ラスティ様。わたくしとハヴァマールさんの魔法スキルを飛ばします! ので、直ぐに離れてくださいまし!」
それしかないな!
タイミングを見計らい、俺はルドミラと共に下がった。グルーミーが猛スピードで追撃してくるが――その前に魔法スキルが炸裂した。
まずは、ストレルカの水属性大魔法。
『メイルシュトローム!!』
大精霊オケアノスの大技だが、召喚中であるため使用できるらしい。放たれる水の渦は大津波となって向かっていく。
そこへハヴァマールが風属性大魔法を混ぜた。
『詠唱省略――ライトニングボルテックス!!!』
メイルシュトロームと共に激しい稲妻が駆けていく。通常、水と風属性は相性最悪なはずだが、この二人はなぜか息がピッタリというか、不思議とマッチしてしまっていた。
属性は反発し合うことなく『合技』となり、グルーミーへ激突。
『ガアアアアアアアアアアアアアアア!?!?』
グルーミーを飲み込み、水圧と雷撃が容赦なく駆け巡っていく。なんて高火力。さすがのボスモンスターもこれにはお手上げのようだ。
ここが最大のチャンスだ。
「ルドミラ、いくぞ!!」
「分かりました! 我が覚醒アマデウスの力を見せる時ですね」
「ああ、頼んだ。俺も本気でいく」
これでヤツを撃破でき――ん!?
……なんだ、この違和感。
俺はなにか大きな間違いを犯しているような……まさか!?
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