無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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S級ランクの幻影モンスター

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世界聖書それを使えば魔力を供給できるのか?」
「その通りです。世界聖書は魔力の吸収とか供給が可能なんです。それが判明したのは三日前ですけどね」

 改めて世界聖書の能力を見せてもらった。
 現在の判明している内容だ。


 [世界聖書ウルガタ]
 [効果]
  世界に一冊しか存在しない聖書。
  これを所持する者は真の聖人となれる。
  ヒエロニムスという特殊な言語で書かれており、エルフの聖女でなければ解読できない。
  最大七つの効果を持つ。

  ①アカシックレコード Lv.10
   歴史を保存したり読み取る力。
   世界聖書の基本的スキル。
   このページがなければ世界聖書は使用できない。

  ②ソウルコンバージョン Lv.10
   体力・魔力を吸収、変換、供給可能。

  ③スーパーノヴァ Lv.10
   膨大な魔力を消費する。
   街レベルで破壊的な爆発を起こす。

   無属性ダメージ:100000%

   このスキルを使用後、反動でしばらく動けなくなる。

  ④解読できていません
  ⑤解読できていません
  ⑥解読できていません
  ⑦解読できていません


「これは凄いな、スコル。④~⑦はまだ分からないのか」
「ごめんなさい。まだ時間が掛かりそうで」
「いや、これだけでも凄い。……けど、スーパーノヴァだけは使わないで欲しいな」
「それだけは使いません。危険すぎるので」

 しかしこれで魔力を供給し続けられるか。凄いぞ。
 スコルは、ストレルカの同意を得て魔力の供給を始めた。

「す、凄いです、スコルさん。魔力が増えていきます……! これなら、ウォーターウォールを一日なら維持できますよ」

「十分だ。一日でこの幻影ダンジョンを攻略しよう」

 そうと決まれば、穴を避けて奥へ向かわねば。
 俺は無人島開発スキルを駆使して橋を作った。これで完璧だ。

「さすがラスティさん! これで向こうへ渡れますね」

 スコルから褒められ、俺は照れた。
 けど、負担を掛けてしまっているから、早めに古代の魔法石エンシェントストーンを入手しないとな。

 決まったところで、ルドミラが先頭へ。

「では、僭越せんえつながら私が先陣を切らせていただきます」
「ああ、頼んだぞ、ルドミラ」

 俺の作った木製の橋を渡っていくルドミラ。俺も続いていく。スコルとハヴァマール、そして、ストレルカもついてくる。大精霊オケアノスを残して。

 これで俺たちを罠にハメたギルドはしばらく来られない。

 ヤツ等は不仲のように演じて、俺たちを騙したんだ。ライバルを減らすためにわざと罠を踏ませたってところだろう。
 だからもう他人は使用しない。
 信じられるのは仲間だけだ。

 橋を渡り切り、幻影ダンジョンの奥地へ入っていく。

 ここからがスタートだ。

「モンスターの気配がします! ラスティくん、準備を」
「分かった! みんなも戦闘態勢だ!」

 ヴェラチュールを手に持ち、俺は目の前の暗闇と対峙した。くそっ、ここは視界が悪すぎる。奥が真っ暗で見えないとかさ。

 モンスターの出現に身構えていると――。


『――――キィィィィィ』


 闇の中に赤い眼がひとつ。
 それはゆっくりと姿を現した。……こ、これは!

 突然、ルドミラに襲い掛かる大きな鎌。
 物凄い力が加わり、ルドミラが顔をしかめていた。


「ぐッ!!」


 な、なんだこのモンスター…!


 [グレイゴースト]
 [属性:念]
 [種族:悪魔]
 [詳細]
  灰色の幻影悪魔。
  S級ランクのモンスター。
  巨大な鎌・ソウルリーパーを持ち、襲い掛かってくる。


 S級ランクだって!?
 これはまずいぞ。

 トレニアさんに聞いたことがある。モンスターにはそれぞれ“ランク”が存在し、E~SSSまであるらしい。A、S、SS、SSSあたりがかなり強いと聞く。

 コイツはそのS級ランク。
 ボスモンスターに匹敵するのかよ。


「ラスティ様、ルドミラさんが!」


 ストレルカが叫ぶ。確かに、このままではマズい。


「スコル、フル支援で頼む。俺もルドミラを補助するから!」
「了解です!!」


 フル支援を貰い、俺は突撃していく――!!
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