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マッスル受付嬢
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再び街を歩き、グラズノフ共和国の冒険者ギルドへ。
港の近くにあるようだ。
歩いて向かう道中、声を掛けられまくった。
またか!
嬉しい声援、勧誘、招待などなど様々な声が聞こえるけれど、今は我慢だ。欲に負けそうだけど耐えろ。全てが無料だなんて魅力だけど、それでも俺は前へ進む。
「ラスティさん、大丈夫ですか?」
「あ、ああ……誘惑が多すぎてな」
「そうですね。食べ物もたくさん貰っちゃいました」
「って、いつの間に!」
スコルの手元にはドラゴンフルーツが。
ハヴァマールやストレルカもいつの間にか食べ物や高級アイテムを受け取っていた。このままだと大変なことになりそうだ。
さっさと用事を済ませよう。
看板が見えてきた。
冒険者ギルドの名は『アクアマリン』というらしい。海に近いからかな。
建物はかなり大きい。屋敷かそれ以上の規模だ。
冒険者も多く、様々な種族が出入りしている。視界に入るだけで三十人以上はいるな。
「混雑しているの~、兄上」
困惑した表情でハヴァマールが俺の服を引っ張る。
確かに活気はある。
会話も幻影ダンジョンの話が聞こえてきた。
「知っているか、幻影ダンジョンに向かったギルドがまた壊滅したようだ」「出現するモンスターが強すぎるってさ」「念属性なんだろ? 属性攻撃必須だな」「魔法職も必要だ。けど、かなりの高火力じゃないとダメージが与えられないってさ」「共和国の最強ギルドでも苦戦してるって話だ。二層にすら辿り着けてないとか」「マジかよ! それ攻略できるのかよ……」
う~むむ、これは思った以上に難易度が高そうだ。
窓口へ向かうとギルドの受付嬢が出迎えてくれた――って、違う! なんだこのマッスルなおっさん受付嬢(?)は!!
「いらっしゃい、坊や。あら、いい男ねェ~!!」
「うわあああああ! 間違えました!」
「いえ、この窓口で正解よ。見たところ、あなたラスティ様でしょう? 幻影ダンジョンへ行きたいとブレア様から仰せつかっているわ」
見た目も声も男そのものだ。
世界にはこういう人もいるのか……知らなかった。
けど、幻影ダンジョンについて知っているみたいだし、ここは対応してもらうしかないかな。
「そ、そうだったか。行き方を教えて欲しいんだ」
「もちろんよ。けれどその前に冒険者登録は済ませてあるかしら?」
ずいっと顔を近づけてくるマッスル受付嬢。……顔が近すぎるし、怖すぎるッ!
「もちろんだよ。ウチには優秀な受付嬢がいるんでね」
「へえ、一度会ってみたいものね。では、次だけどパーティの構成を教えて」
「分かった」
俺、スコル、ハヴァマール、ストレルカ、ルドミラの五人であることを伝えた。すると、マッスル受付嬢は驚いていた。
「まあ、女の子ばかりなのね。しかも、勇者ルドミラがいるなんてビックリしたわ。本物なの?」
睨むような視線でルドミラを観察する受付嬢さん。ルドミラはいつも通りクールだが、明らかに引いていた。
「…………な、なにか」
「いえ、なんでもないわ。それより、手続きを進めましょう」
どうやら、幻影ダンジョンへ行くにはパーティ単位の登録が必要のようだ。一度登録すれば進入可能になるようだ。
書類に署名を済ませ、これで登録手続きは完了した。
「こんなところか」
「ええ、これで幻影ダンジョンへ行けるわ。規約にある通り、死亡時の責任は一切負えないので注意してね」
冒険者ギルドは、ダンジョンへの進入のみを許可し、あとのことは自己責任とされた。そこまで同意させるということは、相当危険ということ。
気を引き締めて行かないとな。
「ありがとう。場所も分かったし、行ってみるよ」
「ええ、グラズノフ共和国の東にある『デスヴァレー』の砂丘にあるわ」
座標を貰ったので、テレポート可能になった。
あとは俺のヴェラチュールで転移するだけだ。
港の近くにあるようだ。
歩いて向かう道中、声を掛けられまくった。
またか!
嬉しい声援、勧誘、招待などなど様々な声が聞こえるけれど、今は我慢だ。欲に負けそうだけど耐えろ。全てが無料だなんて魅力だけど、それでも俺は前へ進む。
「ラスティさん、大丈夫ですか?」
「あ、ああ……誘惑が多すぎてな」
「そうですね。食べ物もたくさん貰っちゃいました」
「って、いつの間に!」
スコルの手元にはドラゴンフルーツが。
ハヴァマールやストレルカもいつの間にか食べ物や高級アイテムを受け取っていた。このままだと大変なことになりそうだ。
さっさと用事を済ませよう。
看板が見えてきた。
冒険者ギルドの名は『アクアマリン』というらしい。海に近いからかな。
建物はかなり大きい。屋敷かそれ以上の規模だ。
冒険者も多く、様々な種族が出入りしている。視界に入るだけで三十人以上はいるな。
「混雑しているの~、兄上」
困惑した表情でハヴァマールが俺の服を引っ張る。
確かに活気はある。
会話も幻影ダンジョンの話が聞こえてきた。
「知っているか、幻影ダンジョンに向かったギルドがまた壊滅したようだ」「出現するモンスターが強すぎるってさ」「念属性なんだろ? 属性攻撃必須だな」「魔法職も必要だ。けど、かなりの高火力じゃないとダメージが与えられないってさ」「共和国の最強ギルドでも苦戦してるって話だ。二層にすら辿り着けてないとか」「マジかよ! それ攻略できるのかよ……」
う~むむ、これは思った以上に難易度が高そうだ。
窓口へ向かうとギルドの受付嬢が出迎えてくれた――って、違う! なんだこのマッスルなおっさん受付嬢(?)は!!
「いらっしゃい、坊や。あら、いい男ねェ~!!」
「うわあああああ! 間違えました!」
「いえ、この窓口で正解よ。見たところ、あなたラスティ様でしょう? 幻影ダンジョンへ行きたいとブレア様から仰せつかっているわ」
見た目も声も男そのものだ。
世界にはこういう人もいるのか……知らなかった。
けど、幻影ダンジョンについて知っているみたいだし、ここは対応してもらうしかないかな。
「そ、そうだったか。行き方を教えて欲しいんだ」
「もちろんよ。けれどその前に冒険者登録は済ませてあるかしら?」
ずいっと顔を近づけてくるマッスル受付嬢。……顔が近すぎるし、怖すぎるッ!
「もちろんだよ。ウチには優秀な受付嬢がいるんでね」
「へえ、一度会ってみたいものね。では、次だけどパーティの構成を教えて」
「分かった」
俺、スコル、ハヴァマール、ストレルカ、ルドミラの五人であることを伝えた。すると、マッスル受付嬢は驚いていた。
「まあ、女の子ばかりなのね。しかも、勇者ルドミラがいるなんてビックリしたわ。本物なの?」
睨むような視線でルドミラを観察する受付嬢さん。ルドミラはいつも通りクールだが、明らかに引いていた。
「…………な、なにか」
「いえ、なんでもないわ。それより、手続きを進めましょう」
どうやら、幻影ダンジョンへ行くにはパーティ単位の登録が必要のようだ。一度登録すれば進入可能になるようだ。
書類に署名を済ませ、これで登録手続きは完了した。
「こんなところか」
「ええ、これで幻影ダンジョンへ行けるわ。規約にある通り、死亡時の責任は一切負えないので注意してね」
冒険者ギルドは、ダンジョンへの進入のみを許可し、あとのことは自己責任とされた。そこまで同意させるということは、相当危険ということ。
気を引き締めて行かないとな。
「ありがとう。場所も分かったし、行ってみるよ」
「ええ、グラズノフ共和国の東にある『デスヴァレー』の砂丘にあるわ」
座標を貰ったので、テレポート可能になった。
あとは俺のヴェラチュールで転移するだけだ。
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