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ギルド壊滅の幻影ダンジョン
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広間へ向かうと、以前とは見違えるようなブレアの姿があった。……おぉ、ドレスなんて着こんじゃってお姫様みたいだ。
いや、彼女はこのグラズノフ共和国の姫。だから、あれが本来の姿だ。
以前は騎士の格好をしていたけど、こっちの方が美しくて可憐だ。
「久しぶり、ブレア」
「待っていたぞ、ラスティ。スコル様やハヴァマールさんも。おぉ、ストレルカも来てくれたのか。それとルドミラ」
全員と挨拶を交わすブレアは、ルドミラの前に立った。あれ、ルドミラとは初対面のはずだけどな。それとも、俺の知らない間に話したことあったかな。
「お久しぶりです。ブレア姫」
「噂をよく耳にしているよ、ルドミラ。ドヴォルザーク帝国で騎士団長をしていたこと、島国ラルゴで活躍していることなど……それと我が国の創造主であるグラズノフ・エレイソンと師弟関係にあったことも」
「よくご存じで」
「知らぬ者はいない。また詳しく話そう」
「分かりました」
へえ、ルドミラが共和国と関係があったとはね。それは知らなかった。
そもそも彼女はあまり自分のことを喋りたがらない。だから俺も聞くことはしなかった。
「それにしても、ラスティが共和国へ来てくれるとは思わなかった。多忙の身だろうから、しばらくは会えないと思っていたけど」
「そうでもないさ。グラズノフ共和国とは取引をしてもらっているし、おかげで島は発展し続けている」
「そうだな。こちらも随分と潤った。それに以前、ニールセンを撃退してくれた。その礼がしたいと思っていた」
椅子に座るよう言われ、俺は腰掛けた。みんなも続く。
「礼だなんていいよ。その代わり『幻影ダンジョン』へ入らせてくれ」
「ああ、噂の幻影ダンジョンか。近頃、共和国の冒険者の間でも噂になっている。あそこはかなりの高レベルでなければ攻略不可能と言われているぞ」
「マジか」
ブレアによると、十五人ほどのギルドがダンジョンへ入ったらしいが“壊滅”したらしい。
「十五人もいて壊滅!?」
俺よりも先にハヴァマールが驚いていた。
ビックリしたのだろう、テーブルを叩いていた。
「ハヴァマール、落ち着けって」
「す、すまんのだ……兄上。だが、それだけの戦力がいて壊滅とは……」
「確かにな、幻影ダンジョンとはそれほど高難易度ということか」
予想以上の事態にみんな沈黙してしまった。
これは困ったぞ。
このメンバーで攻略できるだろうか。
「しかし何故、幻影ダンジョンに入ろうと思った?」
ブレアは不思議そうに俺をみつめた。
そうだ、理由を話していなかった。
「実は『古代の魔法石』が欲しいんだ」
「ああ、魔法職が欲しがるレアアイテムだな。ひとつあるだけで触媒不要になる便利な魔石だ。希少だからその価値も高いと聞く」
売れば城が建つらしい。
便利アイテムだからな、欲しがる者は多い。けど、俺の場合は冒険者ギルドの為だ。トレニアさんに正しく使ってもらう。
そうすれば、島国ラルゴからいろんな街だとかダンジョンへアクセス可能になるだろう。
「行ってもいいかな?」
「もちろん。ただ、さきほども言ったように難易度が高い。まずは装備を整えてからの方がいいかもしれない」
「ダンジョンの情報を知りたいな」
「それなら共和国の世界ギルドを訪ねるといい。多少なりとも幻影ダンジョンの情報が得られるはずだ」
「そうするよ。じゃあ、さっそく向かう」
「気をつけて」
俺たちは席を立ち、冒険者ギルドを目指した。
いや、彼女はこのグラズノフ共和国の姫。だから、あれが本来の姿だ。
以前は騎士の格好をしていたけど、こっちの方が美しくて可憐だ。
「久しぶり、ブレア」
「待っていたぞ、ラスティ。スコル様やハヴァマールさんも。おぉ、ストレルカも来てくれたのか。それとルドミラ」
全員と挨拶を交わすブレアは、ルドミラの前に立った。あれ、ルドミラとは初対面のはずだけどな。それとも、俺の知らない間に話したことあったかな。
「お久しぶりです。ブレア姫」
「噂をよく耳にしているよ、ルドミラ。ドヴォルザーク帝国で騎士団長をしていたこと、島国ラルゴで活躍していることなど……それと我が国の創造主であるグラズノフ・エレイソンと師弟関係にあったことも」
「よくご存じで」
「知らぬ者はいない。また詳しく話そう」
「分かりました」
へえ、ルドミラが共和国と関係があったとはね。それは知らなかった。
そもそも彼女はあまり自分のことを喋りたがらない。だから俺も聞くことはしなかった。
「それにしても、ラスティが共和国へ来てくれるとは思わなかった。多忙の身だろうから、しばらくは会えないと思っていたけど」
「そうでもないさ。グラズノフ共和国とは取引をしてもらっているし、おかげで島は発展し続けている」
「そうだな。こちらも随分と潤った。それに以前、ニールセンを撃退してくれた。その礼がしたいと思っていた」
椅子に座るよう言われ、俺は腰掛けた。みんなも続く。
「礼だなんていいよ。その代わり『幻影ダンジョン』へ入らせてくれ」
「ああ、噂の幻影ダンジョンか。近頃、共和国の冒険者の間でも噂になっている。あそこはかなりの高レベルでなければ攻略不可能と言われているぞ」
「マジか」
ブレアによると、十五人ほどのギルドがダンジョンへ入ったらしいが“壊滅”したらしい。
「十五人もいて壊滅!?」
俺よりも先にハヴァマールが驚いていた。
ビックリしたのだろう、テーブルを叩いていた。
「ハヴァマール、落ち着けって」
「す、すまんのだ……兄上。だが、それだけの戦力がいて壊滅とは……」
「確かにな、幻影ダンジョンとはそれほど高難易度ということか」
予想以上の事態にみんな沈黙してしまった。
これは困ったぞ。
このメンバーで攻略できるだろうか。
「しかし何故、幻影ダンジョンに入ろうと思った?」
ブレアは不思議そうに俺をみつめた。
そうだ、理由を話していなかった。
「実は『古代の魔法石』が欲しいんだ」
「ああ、魔法職が欲しがるレアアイテムだな。ひとつあるだけで触媒不要になる便利な魔石だ。希少だからその価値も高いと聞く」
売れば城が建つらしい。
便利アイテムだからな、欲しがる者は多い。けど、俺の場合は冒険者ギルドの為だ。トレニアさんに正しく使ってもらう。
そうすれば、島国ラルゴからいろんな街だとかダンジョンへアクセス可能になるだろう。
「行ってもいいかな?」
「もちろん。ただ、さきほども言ったように難易度が高い。まずは装備を整えてからの方がいいかもしれない」
「ダンジョンの情報を知りたいな」
「それなら共和国の世界ギルドを訪ねるといい。多少なりとも幻影ダンジョンの情報が得られるはずだ」
「そうするよ。じゃあ、さっそく向かう」
「気をつけて」
俺たちは席を立ち、冒険者ギルドを目指した。
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