239 / 476
ニセモノの主に天誅を!
しおりを挟む
特別で新しい朝を迎えた。
ニールセンが倒れ、神聖王国ガブリエルが消失して世界が平和になった。世は、復興の為に力を合わせている。
あとはシベリウスに任せよう。
俺たちは島国ラルゴへ戻る。
城の庭に全員が集合していた。
「お待ちしておりました、ラスティ様」
「アルフレッド、みんな。俺たちの島へ帰ろう」
俺は、エドゥに転移の指示を出した。
「分かりました。では、皆さま。自分のどこでもいいので触れてください」
みんなそれぞれエドゥの肩や背中に触れる。
そして、グロリアステレポートによる転移が始まった。
* * *
テレポートが完了すると、そこは浜辺だった。
ここは間違いない。島国ラルゴだ。
帰ってきたんだ……!
「海だー!!」
俺が叫ぶと「懐かしいですね、ラスティさん!!」とスコルがバンザ~イと両手を上げて燥ぐ。
その隣で「やっぱり、この島が一番なのだあ!!」喜んで海の飛び込むハヴァマール。おいおい、いきなりだな。ストレルカも海に入ってハヴァマールと水の掛け合い。
テオドールとアルフレッドは、浜辺で大の字になっていた。
みんな、やっぱりラルゴを愛しているんだな。
「ラスティくん、私は騎士団が気になるので先に向かいます」
「分かったよ、ルドミラ」
そういえば、ラルゴの騎士団長だったことを思い出した。あれから、どうなったかな。あとで見に行くか。
そういえば、ラルゴの冒険者達も戦場に転移してくれていたっけ。あれから、直ぐにスケルツォのワープポータルで帰還していたけど。改めて礼を言わないとな。
そんなことを思っていると、袖を引っ張られた。エドゥだ。
「世界聖書の件ですが」
「そうだった。配信をやるんだったな」
「ええ、もし権限を与えるのなら、トレニアさんの運営する冒険者ギルドに」
トレニアは、ラルゴのギルドを管理してくれていた。やっぱり、彼女にはそういった仕事が向いているようだし、適材適所だ。
だからこそ、信頼もできるし彼女なら、正しく『配信』を使ってくれるだろう。
「決まりだな。スコルを連れて冒険者ギルドへ向かおう」
「了解です。しかし……みなさん、羽根を伸ばしておられますから」
俺ももう少しだけ休憩したい。
せっかくラルゴに戻ってきたのだから。
時間を忘れてスコルたちと海で遊び、日ごろのストレスを発散した。
気づけば昼を過ぎてしまっていた。
まずい、遊び過ぎた!!
俺たちの城へ戻ると、みんなお風呂へ行ってしまった。そりゃ、そうか。海水に浸かってベタベタだからなぁ。当分は帰ってこないだろう。
ハヴァマールから「兄上も一緒に」と風呂に誘われたが、俺は断った。先にやるべきこともあった。
随分と島国ラルゴを空けてしまっていた。
管理権限を全て俺に戻し、現在の状況を探った。
無人島開発スキルで島全体の状態を確認。
まず、防衛力はそれほど落ちていなかった。どうやら、街の人たちが兵器や防衛設備、それに建物を一生懸命、維持してくれたようだ。騎士団のおかげで治安も守られている。あってもモンスターによる被害が少々。
……ふむ、悪くないな。
街の規模は、かなり進展している。
建物は拡大しており、店も増えた。病院や学校、教会も増えている。カジノまで出来たのか。いつの間に。
グラズノフ共和国との貿易も盛んだ。
食材、調味料。木材や鉄の取引も増えている。
ダンジョンも増え続けている。
地下ダンジョンの他にも、洞窟ダンジョンや海底ダンジョンも出来ていた。
確認しながらラルゴの街を回っていると、俺の目の前で事件は起きた。
男がお店の店員さんにポーションを投げつけていた。それは女の店員にぶつかって、激しく割れていた。なんてことしやがる。
「きゃっ!?」
「この馬鹿女! 俺様はこの島ラルゴの主、ラスティだぞ!! さからう気か!!」
なぬ!?
俺は耳を疑った。
あの男、俺を騙ってなにしてやがる!
似てもいないし、ニセモノじゃねーか。
「す、すみません……」
「謝って済む問題か! ポーションの数を間違えやがって。こうなったら、体で払ってもらうしかねぇよなァ!?」
「そ……そんな、やめてください」
俺のニセモノは、女子店員の服を剥ぎ取ろうとした。って、なにしてんだ、このヘンタイ野郎。
さすがに許せんので、ヴェラチュールで突いた。
少しだけ突き刺すと、男は物凄いスピードで吹っ飛んだ。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ…………!!!」
地面をえぐるようにぶっ飛び、鍛冶屋の中へ。運悪くドワーフが精錬中で振りかざしていたハンマーが男の頭に命中。男は泡を吹いて倒れた。本当に運の悪い。
「あ、ありがとうございました」
「君、ケガはないかい?」
「は……はい。おかげさまで」
「それならいい。じゃあ、俺は行くから」
「あ、あの……あなたは?」
そっか、俺を知らない人もいるんだな。
名乗るべきか悩んでいると、背後から声を掛けられた。
「ラスティくん!!」
「んぁ!? ――って、ルドミラじゃないか」
振り向くと、そこにはいつものビキニアーマー姿のルドミラがいた。なにやら、慌てた様子で。しかし、それよりも女店員さんが驚いていた。
「えっ……もしや、本物のラスティ様ですか?」
「そういうことなんだ」
「わぁ、やっぱりそうだったのですね。あんな人相の悪い男がラスティ様のわけがないと思っておりました。それに、お優しい方だと噂を聞いていましたから」
女店員さんは、俺の手を握ってお礼を何度も言ってきた。なんだか、いい気分だ。
そんな良い雰囲気の中、ルドミラがジトッとした目を向けてきていた。……おや。
「……ラスティくん」
「ちょ、ルドミラ。顔が怖いぞ」
「大至急で相談があるのです。よろしいですか」
ルドミラの相談なら断れないな。
俺は女店員さんに「またね」と告げて、この場を去った。さて、どんな話やら。
ニールセンが倒れ、神聖王国ガブリエルが消失して世界が平和になった。世は、復興の為に力を合わせている。
あとはシベリウスに任せよう。
俺たちは島国ラルゴへ戻る。
城の庭に全員が集合していた。
「お待ちしておりました、ラスティ様」
「アルフレッド、みんな。俺たちの島へ帰ろう」
俺は、エドゥに転移の指示を出した。
「分かりました。では、皆さま。自分のどこでもいいので触れてください」
みんなそれぞれエドゥの肩や背中に触れる。
そして、グロリアステレポートによる転移が始まった。
* * *
テレポートが完了すると、そこは浜辺だった。
ここは間違いない。島国ラルゴだ。
帰ってきたんだ……!
「海だー!!」
俺が叫ぶと「懐かしいですね、ラスティさん!!」とスコルがバンザ~イと両手を上げて燥ぐ。
その隣で「やっぱり、この島が一番なのだあ!!」喜んで海の飛び込むハヴァマール。おいおい、いきなりだな。ストレルカも海に入ってハヴァマールと水の掛け合い。
テオドールとアルフレッドは、浜辺で大の字になっていた。
みんな、やっぱりラルゴを愛しているんだな。
「ラスティくん、私は騎士団が気になるので先に向かいます」
「分かったよ、ルドミラ」
そういえば、ラルゴの騎士団長だったことを思い出した。あれから、どうなったかな。あとで見に行くか。
そういえば、ラルゴの冒険者達も戦場に転移してくれていたっけ。あれから、直ぐにスケルツォのワープポータルで帰還していたけど。改めて礼を言わないとな。
そんなことを思っていると、袖を引っ張られた。エドゥだ。
「世界聖書の件ですが」
「そうだった。配信をやるんだったな」
「ええ、もし権限を与えるのなら、トレニアさんの運営する冒険者ギルドに」
トレニアは、ラルゴのギルドを管理してくれていた。やっぱり、彼女にはそういった仕事が向いているようだし、適材適所だ。
だからこそ、信頼もできるし彼女なら、正しく『配信』を使ってくれるだろう。
「決まりだな。スコルを連れて冒険者ギルドへ向かおう」
「了解です。しかし……みなさん、羽根を伸ばしておられますから」
俺ももう少しだけ休憩したい。
せっかくラルゴに戻ってきたのだから。
時間を忘れてスコルたちと海で遊び、日ごろのストレスを発散した。
気づけば昼を過ぎてしまっていた。
まずい、遊び過ぎた!!
俺たちの城へ戻ると、みんなお風呂へ行ってしまった。そりゃ、そうか。海水に浸かってベタベタだからなぁ。当分は帰ってこないだろう。
ハヴァマールから「兄上も一緒に」と風呂に誘われたが、俺は断った。先にやるべきこともあった。
随分と島国ラルゴを空けてしまっていた。
管理権限を全て俺に戻し、現在の状況を探った。
無人島開発スキルで島全体の状態を確認。
まず、防衛力はそれほど落ちていなかった。どうやら、街の人たちが兵器や防衛設備、それに建物を一生懸命、維持してくれたようだ。騎士団のおかげで治安も守られている。あってもモンスターによる被害が少々。
……ふむ、悪くないな。
街の規模は、かなり進展している。
建物は拡大しており、店も増えた。病院や学校、教会も増えている。カジノまで出来たのか。いつの間に。
グラズノフ共和国との貿易も盛んだ。
食材、調味料。木材や鉄の取引も増えている。
ダンジョンも増え続けている。
地下ダンジョンの他にも、洞窟ダンジョンや海底ダンジョンも出来ていた。
確認しながらラルゴの街を回っていると、俺の目の前で事件は起きた。
男がお店の店員さんにポーションを投げつけていた。それは女の店員にぶつかって、激しく割れていた。なんてことしやがる。
「きゃっ!?」
「この馬鹿女! 俺様はこの島ラルゴの主、ラスティだぞ!! さからう気か!!」
なぬ!?
俺は耳を疑った。
あの男、俺を騙ってなにしてやがる!
似てもいないし、ニセモノじゃねーか。
「す、すみません……」
「謝って済む問題か! ポーションの数を間違えやがって。こうなったら、体で払ってもらうしかねぇよなァ!?」
「そ……そんな、やめてください」
俺のニセモノは、女子店員の服を剥ぎ取ろうとした。って、なにしてんだ、このヘンタイ野郎。
さすがに許せんので、ヴェラチュールで突いた。
少しだけ突き刺すと、男は物凄いスピードで吹っ飛んだ。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ…………!!!」
地面をえぐるようにぶっ飛び、鍛冶屋の中へ。運悪くドワーフが精錬中で振りかざしていたハンマーが男の頭に命中。男は泡を吹いて倒れた。本当に運の悪い。
「あ、ありがとうございました」
「君、ケガはないかい?」
「は……はい。おかげさまで」
「それならいい。じゃあ、俺は行くから」
「あ、あの……あなたは?」
そっか、俺を知らない人もいるんだな。
名乗るべきか悩んでいると、背後から声を掛けられた。
「ラスティくん!!」
「んぁ!? ――って、ルドミラじゃないか」
振り向くと、そこにはいつものビキニアーマー姿のルドミラがいた。なにやら、慌てた様子で。しかし、それよりも女店員さんが驚いていた。
「えっ……もしや、本物のラスティ様ですか?」
「そういうことなんだ」
「わぁ、やっぱりそうだったのですね。あんな人相の悪い男がラスティ様のわけがないと思っておりました。それに、お優しい方だと噂を聞いていましたから」
女店員さんは、俺の手を握ってお礼を何度も言ってきた。なんだか、いい気分だ。
そんな良い雰囲気の中、ルドミラがジトッとした目を向けてきていた。……おや。
「……ラスティくん」
「ちょ、ルドミラ。顔が怖いぞ」
「大至急で相談があるのです。よろしいですか」
ルドミラの相談なら断れないな。
俺は女店員さんに「またね」と告げて、この場を去った。さて、どんな話やら。
0
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……

追放された魔女は、実は聖女でした。聖なる加護がなくなった国は、もうおしまいのようです【第一部完】
小平ニコ
ファンタジー
人里離れた森の奥で、ずっと魔法の研究をしていたラディアは、ある日突然、軍隊を率いてやって来た王太子デルロックに『邪悪な魔女』呼ばわりされ、国を追放される。
魔法の天才であるラディアは、その気になれば軍隊を蹴散らすこともできたが、争いを好まず、物や場所にまったく執着しない性格なので、素直に国を出て、『せっかくだから』と、旅をすることにした。
『邪悪な魔女』を追い払い、国民たちから喝采を浴びるデルロックだったが、彼は知らなかった。魔女だと思っていたラディアが、本人も気づかぬうちに、災いから国を守っていた聖女であることを……

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる