無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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帝国の終焉と上級監督官の誕生

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 ドヴォルザーク帝国と神聖王国ガブリエルの戦争は終わった。
 俺たちは戦場から撤退。
 帝国へ戻った。

 スターバトマーテル城へ帰還すると、スケルツォが出迎えてくれた。

「ご無事でなによりです、ラスティ様」
「もう耳に届いているかもしれないが、戦争は終わった」
「ついに終わったのですね」
「ああ、後の処理はルーシャスに任せる」

 納得するスケルツォ。
 俺は明日にはラルゴへ戻ると伝えた。

「そんな、ラスティ様……皇帝になられるのでは」
「この国に皇帝は必要ない。このシベリウスを上級監督官に任命する」

 俺が指定すると、シベリウスは驚いて声を上げた。絶叫さえしていた。


「なにいいい!? この僕が!?」
「この国はもう帝国ではない。お前が統治するんだ」
「な、な、なぜ……ラスティが相応しいだろ!」
「俺には島国がある。それで十分なんだよ」
「しかしだな」

 焦りまくるシベリウス。
 確かに、門番ばかりやらされていたコイツには荷が重すぎるかもしれない。けど、親友だからこそ頼みたいと思った。
 なによりも、あのアルフレッドの息子だからな。

「お前になら出来るはずだ」
「……分かった。そこまで言うのなら、僕が受け持つ」
「頼んだぞ、シベリウス」

 全権をシベリウスに託した。きっと彼なら良い国にしてくれるはずだ。なぁに、スケルツォもいるし実際の仕事は彼女がほとんどやってくれる。

「スケルツォもよろしく頼む」
「それがラスティ様の望みであるのならば」
「期待しているぞ」
「……はい。ところで、ルドミラをお借りしたいのですが」

 ビクッと反応するルドミラは、一歩引いていた。なんだ、スケルツォと顔見知りだったんだ。それもそうか。もともとルドミラはドヴォルザーク帝国の騎士団長をしていたんだから。


「きゃ、却下です! 私はもうラスティくんのモノですから」
「つれないですね、ルドミラ。以前はあんなにも――」
「それ以上言わないでいただきたいっ!!」

 顔を真っ赤にするルドミラは、スケルツォの口を塞ごうと必死になる。なんだか、訳ありのようだな。

「あの~、ルドミラさんってスケルツォさんと何かあったんでしょうか?」

 俺の耳元で囁くスコル。
 あったんだろうな~。
 察するに深い関係が。


 * * *


 疲れたので俺は温泉へ。
 ずっと動きっぱなしで疲労が溜まっていた。
 ゆっくりと露天風呂に浸かっていると、扉から人の気配が。……って、誰か入ってきた!

「お邪魔するのだ、兄上」
「ハヴァマールか。おいおい、男の俺が入浴中だぞ」
「兄妹なのだから何も問題ないのだ!」
「それもそうか」

 ラルゴ産の水着を着ているし、これなら大丈夫だ。
 安心していると隣にハヴァマールがやってきた。
 猫耳をピョコピョコさせて上機嫌らしい。

「そ、その、兄上……お疲れ様なのだ」
「ありがとう、お前のおかげだ」
「余は何もしていない。兄上にもう少し貢献したかったのだ」

 残念そうにしているハヴァマールだが、それは違う。

「ハヴァマールの力がなかったら、俺はニールセンに勝てなかった」
「え……」
「無人島開発スキルも、聖槍グングニルも……そして、新たな武器・ヴェラチュールもお前がくれたものだ。だから、ありがとう」

 感謝を伝えるとハヴァマールは、顔を真っ赤にして湯の中へ。ぶくぶくと湯を吹かしていた。ま、まさか照れた?

「…………」

 こりゃ、しばらく戻って来そうにないな。
 どうしようか悩んでいると扉の向こうから、更に来客が。
 あれはスコル。それにストレルカやルドミラまで。


「お邪魔しますね、ラスティさん」
「おぉ、可愛い水着だな」
「えへへ~」

 花柄のビキニとは素晴らしいアイテムだな。
 防御力はかなり低いけど、それがいい。
 やはりスコルは素晴らしいスタイル。
 エルフは美に富んでいる。

 けど、ストレルカもさすがだ。
 貴族出身だけあって優雅だ。
 気品あふれるボディは、男を魅了する。
 気持ちが落ち着かなくなるな。いい意味で。

「私はいかがでしょうか」
「いや、ルドミラはいつもと変わらないじゃん」
「そんなッ!」

 ショックを受けるルドミラだが、お前はいつもビキニアーマーだろう。だから、新鮮味がなさすぎて反応に困った。


「残念でしたね、ルドミラ様。やはり、わたくしのような優雅さないと。そうでしょう、ラスティ様」

 目の前に素晴らしい谷間モノを強調してくるストレルカ。……うっ、鼻血が出そうだ。
 俺は鼻を押さえて耐えた。


「――ぷはぁっ、限界なのだぁ~!」
「うわ!?」


 そういえば、ハヴァマールがいたの忘れていた。


「ハヴァマールさん! いつの間に」
「おぉ、スコル。余は先に兄上とお風呂に入っていたのだ」
「そうだったんですね。姿が見えないと思ったら……」
「スコルたちも入るのだ。兄上を囲むのだ」

 みんなが露天風呂に入ってくる。
 ハヴァマールが言ったように俺を囲んできた。
 これでは逃げられないではないか!

 いや、けど……これは嬉しいというか。
 ご褒美的な?


「ラスティさん、肩をお揉みします」
「あ~、スコルさんずるいです。わたくしだって、ラスティ様の腕とかマッサージしますから」

 スコルとストレルカが俺を巡ってマッサージをし始めた。これは気持ちいな。
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